佐野元春 & ザ・コヨーテバンド 佐野元春30周年アニバーサリー・ツアー・パート2全国クラブ・サーキット・ツアー「ソウル・ボーイへの伝言」Shibuya O-EAST

2010年10月23日

 早いもので、8月のスポークンワーズライブから2ヶ月。今度は全国クラブハウスを回るツアーが始まった。前回の「COYOTE Tour」でまだまだやれると確信した佐野元春が再び「ザ・コヨーテバンド」を引きつれ全国を回るという。「ザ・コヨーテバンド」の若々しいロックンロールで、過去の曲がどう演奏されるのか、非常に楽しみであった。

 

  会場であるO-EASTは渋谷駅から10分程度歩いたところにある。風俗店が多い中をとぼとぼ歩いていくと、会場にたどり着いた。会場の入り口が人混みでごった返していて、アナウンスがよく聞き取れない。よくよく聞いてみるとすでに僕の整理番号が呼ばれている。まだ開場時間じゃないのに早いよと思いつつ人を掻き分け入っていくと、階段を上らされた。建物を何階か上るとまた入り口があり、ここでチケットのもぎ取りをするみたいである。ライブハウスということもあってドリンク代500円を徴収される。

 

 入り口は2階になっていてそこの横にはドリンクバーがあった。ビール飲みたいなと思ったが酔って立っているのがしんどいなということでミネラルウォーターにしておいた。2階からは階段を降りてフロアに行くようになっていて整理番号の比較的早かった僕は前の方の位置を確保することができた。それからただ開演時間を待った。開演約10分前にローディーたちが楽器の確認を行う。

 

 ちょうど18時になると場内から歓声が上がるので、まだステージには誰もいないのにと思って客の向いている方に首を向けると、スクリーンがあってWOWOWで放送される「コヨーテ、海へ」のプロモーション映像が流れていた。ストーリーは、旅に出てしまった父を探す息子の物語という感じで、結構期待できそうだ。最初予告編が流れ、その後、物語の一部が上映された。主人公が、ニューヨークの教会らしきところで、佐野元春の「国籍不明のNeo Beatniks」をリーディングするというシーンだった。合計で8分ほどその映像が流れたあと、バンドメンバーが登場し、ライブが始まった。

 

本編

  1. 星の下 路の上
  2. 荒地の何処かで
  3. 気味が気高い孤独なら
  4. Us
  5. 夜空の果てまで
  6. 世界は誰の為に
  7. ジュジュ
  8. 月と専制君主
  9. レインガール
  10. 僕は大人になった
  11. 約束の橋
  12. ヤングブラッズ
  13. ダウンタウンボーイ
  14. アンジェリーナ

 バンドのメンバーは前回の「COYOTE Tour」と同じく、ギター・深沼元昭、ドラム・小松シゲル、ベース・高桑圭、キーボード・渡辺シュンスケというメンバーである。

 

 本編の前半はアルバム「COYOTE」からのナンバーが続く。「荒れ地の何処かで」の後最初のMC。「今夜は満月であること。満月の夜には新しいことを始めるのにいいこと。そしてツアー初日であること。」を話して曲に戻った。アレンジは「COYOTE Tour」の時とは余り変わっていないと思ったが、それでもアグレッシブに感じた。特に「星の下 路の上」から「気味が気高い孤独なら」の選曲は、アルバムと同じ曲順だが、完璧に聞こえた。ランニングオーダーがぴたりとはまっている印象である。

 

 「世界は誰の為に」の後再びMC。現在制作中のセルフカバーアルバムのことに触れ、「自信作であること」を告げた後その中から何曲か演奏したいと述べ、「ジュジュ」、「月と専制君主」、「レインガール」が歌われた。どの曲もアレンジが変わっていて、とても興味深かった。「ジュジュ」はよりポップになり、「レインガール」はしっとりとしたアレンジであった。また「月と専制君主」は元春が最初歌詞を飛ばしてしまったためになんの曲だろうと考え込んでしまったぐらいアレンジが変わっていた。

 

 「僕は大人になった」のイントロでメンバー紹介。アレンジは「COYOTE Tour」とほぼ同じで、元春が「♪とてもいかしているぜ」と歌う際に両手を突き上げポーズをとる姿に「かっこいい」と思った。その後は「約束の橋」、「ヤングブラッズ」、「ダウンタウンボーイ」そして「アンジェリーナ」とヒットナンバー連発で本編の幕を閉じた。アレンジはオリジナルと比べると、アップテンポに感じた。ホーンがないからよりポップに感じる。個人的には「ヤングブラッズ」が演奏されてニコニコしていた。ホーンがないのに比較的オリジナルに近い感じがしたからである。

 

アンコール1

  1. ヤァ!ソウルボーイ
  2. ヤング・フォーエバー

 アンコールの1回目は、予想に反して、ギターの深沼と2人だけのアコースティックギターでの演奏。普通こういうのって、ホールツアーなら本編の中盤に持ってきそうなものだが、アンコールに持ってくるとは意表をついた演出である。「クラシックな曲をやりたい」というMCのもと演奏されたのは、90年代の曲を2曲。ツアータイトルになっている「ヤァ!ソウルボーイ」が演奏されたのはうれしい。元春はもっと90年代の曲を演奏してもいいのではないかと思う。しっとりとした気分の中、アンコールは終わり、ファンはもっとのれる曲を要望している様子である。

 

アンコール2

  1. クリスマス・タイム・イン・ブルー
  2. サムデイ

 アンコール2回目の1曲目の選曲も意表をついたものだった。元春が「まだ季節的には早いけれど、ここ何年か演奏していない曲をやりたい。年末について歌ったものだ」としゃべった後、まさかの「クリスマス・タイム・イン・ブルー」である。記憶に間違いなければ「THE SUN Tour」のときに演奏して以来ではなかろうか。うれしくてご機嫌になっていた。演奏のラストが「サンタクローズ・イズ・カミング・ディス・タウン」という詩になっていて、良かったと思う。そして、ファンの熱望に答えて、バンドメンバーと相談している元春。演奏されたのはこれで決まりという「サムデイ」である。

 

 前日にWOWOWのスペシャルライブがあったとはいえ、実質的にはツアー初日であるこの公演は、元春の喉の調子は曲によって異なり、聞こえないことも度々あったし、また歌詞間違いも結構あったと思ったが、よく出来たライブだったと思う。ご機嫌な曲も多く十分に楽しめたと思う。ライブ終了後のビールがとてもうまかったのを覚えている。