佐野元春 & THE HOBO KING BAND 佐野元春30周年アニバーサリー前夜祭「アンジェリーナの日」 LIQUIDROOM

2010年3月18日

 2010 年は、佐野元春がデビューして 30 周年と言う記念すべき年である。そのデビュー 30 周年に当たる 3 月 21 日を前にして、年度末の忙しいさなか、ライブをやると言うニュースが飛び込んできた。平日のしかも 18 時開演というかなり無謀なスケジュールに一瞬躊躇したが、とりあえずチケットを取るだけは取ってみようと、ファンクラブ先行予約に電話予約を入れてみた。幸いなことにチケットは入手でき、後は会社の段取りをつけるのみとなった。

 

  3 月 18 日は、幸いなことに会社も休め、午後の 3 時前後に家を出た。16 時ぐらいに会場である東京、恵比寿の LIQUIDROOM に到着した。このライブハウスには、「 Time Out Cafe & Diner 」というカフェも併設されており、ここが、佐野元春デビュー 30 周年の企画イベントも行われるということだった。カフェに入ると、中央に大型のテレビが置かれていて、佐野元春のビデオクリップが流れていた。多分「 THE VIDEOS EPIC YEARS 1980-2004 」だと思う。部屋の片隅には「サムディ」のシングル盤や「 Cafe Bohemia Live! 」などのビデオが飾ってあった。メニューにはシナモンチェリーパイなど元春ゆかりの食べ物が用意されていた。ここでコーヒーを飲んで時間をつぶした。

 

  17 時から開場し始め、整理券番号 A304 番である僕は、20 分を過ぎたあたりで入場できた。ライブハウスということで、チケット代とは別にドリンク代がとられ、ミネラルウォーターを買うことにした。

 

 会場に入ると意外に狭くいかにもライブハウスといった風情を漂わせていた。ステージにはスクリーンが張られていて「佐野元春ライブアンソロジー」が上映されていた。いつもだと洋楽の SE が流れているのに、珍しいなと思いながらスクリーンを見ていた。

 

 開演時間が近づき、ビデオが「悲しきRADIO」になると、一瞬場内が拍手に包まれた。観客が元春を呼ぶ声が聴かれる。「ジュジュ」になると場内が更に拍手で盛り上がるがそれでも開演にはならない。次の「約束の橋」が流れると場内は落胆の色を見せた。

 

 18 時 10 分に場内の注意事項がアナウンスされ、「サムディ」のビデオクリップが流されると会場はヒートアップした。そして「サムディ」の上映が終わると、英語でアナウンスがあり、スクリーンが開かれ、ついにライブが始まった。1曲目は、久しぶりの曲だった。

 

本編

  1. 君を探している
  2. ハッピーマン
  3. 悲しきRADIO
  4. ハートビート
  5. 誰かが君のドアを叩いている
  6. 99ブルース
  7. ナポレオンフィッシュと泳ぐ日
  8. ワイルドハーツ
  9. サムディ
  10. ニューエイジ
  11. インディビュアリスト

 THE HOBO KING BAND はサキソフォン:山本拓夫、キーボード:Dr.Kyon、ドラム:古田たかし、ベース:井上富雄、ギター:長田進、パーカッション:スパム、という布陣で、演奏されていた。ギターが佐橋佳幸でないのがちょっと変わっているところで、多分奥様である松たか子のライブとバッティングしているせいだろうと思われる。

 

 3 曲目の「悲しきRADIO」は、いつもの定番となったコールアンドレスポンスもなく、3 番をオリジナルと同じに演奏したのでびっくりする。まあこの順番で演奏するのだから、それもありかな、と思ったりする。

 

 4 曲目の「ハートビート」は、「星の下 路の上」ツアーでも披露されたバージョンに近いアレンジだった。元々長い曲なのだが、意外と短く感じた。「 Can You Hear My Heart Beat 」というサビでの演奏が心地よい。

 

 5 曲目にこのライブ唯一の 90 年代の曲である「誰かが君のドアを叩いている」が演奏された。記憶が定かなら、「 See Far Miles Tour Part 2 」以来の演奏になるのではないかと思う。しかし、この曲を中心として、今回の元春の声は、厳しいと言わざるを得なかった。声が楽器に負けているのである。ミキサーの調整で何とかならなかったのかと思う。

 

 6 曲目から再び 80 年代の曲に入り、それは最後まで続いた。「99ブルース」と「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」では、メンバーのソロ演奏も入ったりして、会場は盛り上がるが、個人的には、「もっと 90 年代の曲もやってほしいな」と思っていた。それでも THE HOBO KING BAND バージョンである「インディビジュアリスト」が演奏されるころになると、気分的には高揚してきていた。

 

「インディビジュアリスト」の演奏が終わると、メンバーは一旦ステージの袖に引っ込むが、すぐに出てきて、アンコールの曲を演奏した。

 

アンコール

  1. ソー・ヤング
  2. アンジェリーナ

 今回佐野元春の MC はとても少なく、3 曲目の「悲しきRADIO」の後に挨拶と、「インディビジュアリスト」の前の「ダンス?」、という言葉、そして「アンジェリーナ」の前の「今日は何の日?」の 3 箇所のみだった。アンコールの 2 曲は盛り上がりそれでライブが終了した。演奏終了後、鈴木万由香さんが出てきて記者会見の会場のセッティングを行うから会場から一旦退出するように言われた。そしてしばらく 2 階のフロアで記者会見が始まるのを待った。

 

 しばらくして再度会場への誘導が始まり、会場に入るとマスメディアが会場の中央部にいてそれを取り巻くように観客が配置された。かなり窮屈な感じである。「カフェ・ボヘミアのテーマ」の流れる中、記者会見は開始された。司会はクリス・ペプラーで始めに佐野元春 30 年の歩みを紹介したあと、佐野元春デビュー 30 周年記念企画が紹介された。それらは以下の通りである。

  • 「佐野元春のザ・ソングライターズ」第2シーズンの放送決定(夏より)
  • 今秋から来春にかけての30周年全国ツアー。ツアーラストの東京・大阪では、飛び入りゲストもあり
  • ポエトリー・リーディングの大都市ツアー
  • セルフカバーアルバムの発売(夏)
  • WOWOWでの堤幸彦監督とのコラボレーションフィルム
  • その他ライブビデオアンソロジーなどの企画もあり

 上記の紹介が終わったあと、佐野元春が登場して、最初にダウンタウンなどのビデオレターを紹介したあと、これらの詳細を詳しく発表した。その後、質疑応答に移った。最初はマスメディアからで、あとにファンからの質疑応答という形だった。印象深かったのは、創作意欲についてで、「 20 代のときは毎日曲が出来ていたが、最近は月 1 回のペースに落ちてきてしまっている。でも 30 周年の記念ということで、週 1 のペースに上がってきた。」という話と、「最近苦手なものは、乾き物」という話と、ファンからの質問で「リア充(リアルに充実を)」という言葉が記憶に残っている。そんなこんなであっという間に記者会見も終わり、21 時過ぎに「アンジェリーナの日」は終了した。年末の忙しいさなかではあったが、行って良かったと思う。でも 30 周年記念ライブには、90 年代、00 年代の曲ももっと演奏してもらいたいな、と思った。