川崎大師大開帳奉修

2004年5月8日

 ある日ネットサーフィンをしていたら、今年は川崎大師の 10 年に一度の大開帳奉修の年というニュースを目にした。大開帳とは、普段は目にすることのないご本尊を目にすることが出来るらしい。そして、赤札の配布も行っているとのことだ。頭の中では赤札って何? お守りみたいなもの? という疑問が渦巻いていたのだが、せっかくなので川崎大師に行ってみようという気になった。

 

 ゴールデンウィーク後半の天気が例年と違って余りよくなかったこともあって「久しぶりにいい天気だな」と感じていた。なんとなく霞んだ感じもするがそれでも気分はいい。昼前に川崎大師に到着。入り口のお店では咳止め飴を売っている。咳止め飴を切る包丁の音が小気味よい。適当なところに自転車を止め境内へと足を進めた。正月に比べると人出は少ないが土曜日ということもあってそれなりに出足はいいようだ。

 

 境内に入るとすぐに行列が目についた。なんだろう。行列の最後尾を目で探すと係りの人が立て札を持って立っていた。その立て札には、「受け付けは締め切りました」。一瞬書いてあることが理解できず、ウロウロしていると周囲からいろいろな話が聞こえてきた。どうも赤札は参拝に来ればすぐに貰えるものではないらしい。しかも次の配布時間は未定だということ。係りの人の話によると昨日は夕方 4 時に最後の配布があったとのことである。ということは今からだと 4 時間以上待たないといけないの? なんだか要領を得ないままとりあえずお参りを済ませることにした。

 

 本堂のほうに歩いていくと、見慣れない塔が立っているのに気づいた。高さは 10 m ほどだろうか。木で出来ていて、いろいろな文字が書かれている。でその木には紐みたいなものがぶら下がっていて、多くの人がその紐をつかんで拝んでいた。この紐にも行列が出来ている。いったいこれはなんなんだ?

 

 塔を横目にしながらその横にあるお堂みたいなところ経蔵に進む。これも以前来たときには開いていなかったように思うのだが。中に入ると、こじんまりとしているが荘厳な感じである。天井には教会のステンドグラス風の絵が描かれている。一応係りの人がいろいろ説明してくれたが、いまいち頭の中に入らないまま、外に出てしまった。

 

 本堂に進み、お参りをする。いろいろ悩みが多いので、じっくり拝んでおいた。

 

 再び塔の前に行き、何だかよく分からないが行列に並んだ。多分ご利益があるんだろう。前のほうにはバスガイドさんの団体がいて各々拝んでいた。一人二人ならともかく数名以上のバスガイドさんを見ると結構まぶしいものがある。そこだけ華やいだ雰囲気をかもし出していた。しばらくすると自分のの順番が巡ってきたので、またまたじっくりと拝んでおく。後で調べると、塔は供養塔、紐はお手綱、というそうである。これに触れることによって弘法大師と深い縁を結ぶことが出来る、とのことである。やはりご利益はあるようだ。

 

 しばらく境内を散策する。ふと本堂の横を見るともう既に行列が出来ていた。どうも赤札配布の次の回を待っているらしい。かなりの行列が出来ていた。一瞬どうしようか迷ったが、お腹もすいていたので先に屋台のお好み焼き屋で昼食を済ませることにした。屋台のお好み焼きなんて久しぶりである。味は決して良いとはいえないが、それでも腹の虫は収まった。それから行列に並び始めた。周り人の話を聞いてみても 1 時半に次の配布があるだとか、4 時だとか、はっきりしない。周囲には何の説明もないし、どうなっているんだろうと首を傾げつつ待ち始めた。

 

 1 時間待っても何も動きはなかった。暇なのでヘッドフォンステレオでFMを聴きながらDDIポケットのAirH"PhoneでWebを閲覧。こういうときはこのPHS、非常に役立つ。iモードなどと違って普通のWebサイトも閲覧できるからである。ずっと某掲示板を見ていた。

 

 2 時間待っても動きなし。いい加減腰が痛くなってきた。それに喉も渇いてしょうがない。周りの人に断りを入れて飲み物を買いに一時列を離れた。屋台のほうに行ってペットボトルを買う。よく見ると店員さんは外国の方だった。こういったところで外人の店員さんを見るのは不思議な気分がした。やはりいつの間にか日本も無国籍化してきているようだ。

 

 再び列に並びなおし、待った。

 

 3 時半を回るか回らないかの頃、係りの方からポリ袋が配られ始めた。どうも履いている靴を入れるためのものらしい。ということはそろそろか。既に並び始めて 3 時間、こんなに待ったのも久しぶりだ。高校のときに行ったつくばの科学万博のとき以来ではないだろうか。

 

 4 時になるかならないかの頃、ようやく列が動き始めた。大勢が本堂に入っていく。前の人に続いて僕も進んでいくが、なんか皆の目が血走っているようにすら感じる。本堂に入っていくと係りの人に奥に詰めるように言われる。歩いていくと、本当に奥の奥だった。お坊さんがお経を読む姿が全く見えない位置だ。しかも多くの人が詰め込まれているので窮屈だし、他人の体臭が気になってしょうがない。それでも正座をするとちょっとほっとした。さすがに 3 時間以上待つのはつらい。

 

 座ってからしばらくするとお坊さんのお経が始まった。割と聞きやすい声だが、声のトーンが高いので違和感を感じる。僕のイメージするお坊さんのお経とは、低いトーンでいまいち不明瞭に読むものであるからだ。途中、我々もお経を唱える箇所があり、周囲の人と一緒にお経を唱える。その後、端の方から順番にご本尊のほうへ誘導された。順番が来たので立ち上がると足がしびれている。もみ合いへし合いしながらご本尊を見学。落ち着いて見ることもできず、お参りするのが精一杯だった。

 

 ご本尊の見学が終わると、別館のほうへと誘導された。窮屈な場所から離れられ、開放感に浸る。別館の出口でようやく赤札と遭遇。10 cm × 2.5 cm ほどの紙に赤字で「南無阿弥陀仏」と書かれているだけだったのでちょっと拍子抜け。出口にパンフがあったのでもらって読むと、大変ご利益のあるお守り、との事であるが。

 

 ふと境内を見てみると、まだまだものすごい行列が続いていた。