何故輸入盤DVD/Blu-rayで映画鑑賞をするのか

初めに

 僕は輸入盤のビデオ(過去はレーザーディスクから現在のDVD/Blu-rayに至るまで)にて映画鑑賞を続けてまいりました。おおよそ23年ほどの経歴を持っています。日本版のVHSビデオによる映画鑑賞時代も含めると28年程にも達するかと思います。始めは「映画は映画館で観るものであり、面白かった作品を手元において何回でも観たい」という動機から始めたコレクションではありますが、現在では映画館に行くことはあまりなく(時々IMAX DIGITALシアターに行くことはある)、もっぱら輸入盤DVD/Blu-rayでのみ映画鑑賞を続けております。何故僕が輸入盤DVD/Blu-rayのみで映画を観ているのか、何故映画館であまり映画を観ないのかを述べてみたいと思います。なお、ここで輸入盤と言っているのはあくまでアメリカ盤であり、ヨーロッパ盤などではないことを注意しておきたいと思います。

輸入盤DVD/Blu-rayで映画を鑑賞する最大の理由

 僕が輸入盤DVD/Blu-rayで映画を鑑賞する最大の理由は、まず映画館で観ない理由と、国内盤で観ない場合と2つに分かれると思います。まず映画館で観ない理由ですが、以下のような理由が挙げられると思います。

  • 映画館の設備が古く、映写機、音響効果がきちんとしていない
  • 映画を上映するプリントの状態が悪く、画質が荒れていることが多い。

 これが理由になっています。最初の映画館の設備が古いというのは、最近のシネコンブームを受けてだいぶ改善されてきたと思うのですが、まだまだダメな所があります。それにシネコンだからといって状態がいいかというとそうでもなく、サラウンドが空間にうまく広がっていない、映写機のピンボケなど改善すべき点は幾つかあります。

 次に国内盤で観ない理由ですが、次のような理由が挙げられます。

  • マスターがデジタルメディアなのにもかかわらず何故か輸入盤より画質が劣化している。
  • 色調が日本のテレビとアメリカのテレビで違うため、違って見える。(最新規格のBlu-rayではテレビの規格は同じはずですが、若干解像度と、色合い、明度に差があるようです)
  • 映像タイトルがアメリカ盤のほうが豊富(日本では未発表になってしまっているタイトルが多々存在する)

 といったところでしょうか。レーザーディスク、DVD時代には画質の違うソフトは多く存在していて、映画製作者の意図した映像や音響は、本国アメリカでアメリカ国内向けに製造されたディスクでないと堪能できないということが数多くみられました。

なぜ輸入盤DVD/Blu-rayをコレクションするようになったのか

 元々は国内盤を買っていた僕ですが、21年ほど前に「シルクロード」という輸入盤レーザーディスク/DVDを取り扱うショップと出会い、輸入盤一本やりになりました。このショップ、2010年の夏にDVDの取り扱いを中止してしまい、今は別の輸入品で生計を立てていますが、変わった思考を見せていて、その影響が大きいです。同店が発行していた小冊子では、なぜ輸入盤でないといけないのか書かれており、これが僕の映画鑑賞に大きく影響を与えていると言えます。

 その内容は、かいつまんでいくと、サントラレコードを例にあげて、ノイズの乗り方で画質、音質の善し悪しを決める日本人には製作者の意図した映像、音響を堪能することができない、アメリカ人は自分がこういう意図があると決めたらノイズが乗ろうが歪が生じようが構わずその通りにするというものでした。また、文化の違いで輸入盤と日本盤、ヨーロッパ盤の音調が違ってくることもあるという内容も述べられていました。そして製作者の意図したものを得ようとするならば、輸入盤しかありえないというというものでした。サントラレコードでの例とするならば、エルマー・バーンスタインの「荒野の七人」や「大脱走」でアメリカ盤とヨーロッパ盤の比較をしておりまして、アメリカ盤はいかにも「これぞ、アメリカ!」というダイナミックな太くて豊かな雰囲気が溢れているが、フランス盤で発売されたりすると、何と、そのアメリカが見事に「ヨーロッパ調」の雰囲気、要するに「しっとりとした美しい」雰囲気に変わってしまうのだと言う話を述べられていました。しかし僕には当時理解できませんでした。当時のレーザーディスクでもマスターはデジタル化が進んでいて、こんな話はあるわけなかろうという気持ちがあったからです。その反発心もあって輸入盤に手を出し始めたというのが実態です。

 しかし、輸入盤で日本語字幕も吹き替えもなし、あるのは障害者用の英語字幕のみという状況下で映画を見続けていますと、自然と画質、音質、音響効果について感覚がつかめてくるものです。そうしているうちに確かに輸入盤で観たほうが映像、音響効果の製作者の意図したものがつかめるという感覚を得るようになりました。特に映画館と比較するとその差は歴然としました。一度などは本国アメリカはハリウッドで映画を観て、それをレーザーディスクで観て、日本の映画館で観るということまでして画質と音響の比較をしてみたりもしました。

 その結果得られたのは、映画館のフイルムは日本では字幕を挿入する関係上アメリカでの上映プリントに比べて一回コピーが増えることになり、画質が荒れる、具体的にはフィルムグレインが増え、中間色が飛び、白っちゃけた色調になることが多い、ということです。また、音響効果に関してもサラウンドスピーカーの設定がおかしいのか、館内に充満するようなサウンドフィールドは得られずに壁面に張り付いたような音響効果をしているところがあったり、メインスピーカーとサラウンドスピーカーのつながりが悪い映画館が多いということにも気づきました。

 また、ビデオに関してもレーザーディスク時代には明らかに日本盤のほうが画質が悪いというタイトルが存在していました。具体的には解像度が低い、画面が暗いといったものです。これは日本のファンがノイズの乗るものを嫌うというか、画質、音質が悪いと判断することから日本で調整されていると思われる節があります。DVD時代になっても他の方からのレポートで色調が違うといった話を聞きましたので、このへんの変化はなかったと思われます。どうしても日本の場合、日本語字幕を入れる関係上デジタルデータをコピーすることで画質が変化しているとしか考えられません。デジタルだから劣化はないと思われるのが普通ですが、それでも何らかの変化は生じていたとみるのが普通です。

輸入盤DVD/Blu-rayの勧め

 ここまで記してきて、輸入盤DVD/Blu-rayのメリットを上げてきていましたが、当然デメリットも存在します。DVDに関して言えば最大のデメリットはリージョンコードでしょう。アメリカ盤はリージョンコードが1なのに対し、日本は2。リージョンフリーのプレイヤーを手に入れなければ鑑賞することすら望めません。DVDが盛り上がっていた2000年代前半は結構リージョンフリーのDVDプレイヤーも存在していたようですが、2016年の現在、よく分からないメーカーのDVDプレイヤー(中身は中国製か)か、海外向けのプレイヤーを高い金額を出して購入する以外手を出す方法はありません。また、Blu-rayにいたっては、Blu-ray自身はアメリカも日本もリージョンAなので不便ではないのですが、DVD部分がリージョンフリーというプレイヤーを見かけることはあまりなく、ますます入手困難になっているのも事実であります。さらに困難なのは、どこで輸入盤DVD/Blu-rayを入手するかという点にあります。現在僕はAmazon.comで購入をしておりますが、サイトがすべて英語である点と、何かあったときのトラブル対策を英語で対応しなければならないという点で初心者には困難にさせている面があるかと思います。更に2016年後半から、ディズニー配給のDVD/Blu-rayがAmazon Primeに加入しないと買えないという問題も発生しています。日本語対応サイトとしては、DVD Fantasiumや、米国の家電量販店Target、少し価格が高くなりますが、Sale(2015年7月閉店)、DISC & GALLERY(2016年閉店)などといった店もあり、これらを活用すれば比較的容易に輸入盤DVD/Blu-rayを手に入れることもできるようです。そして最大の困難さは、言語です。英語だけという状況で映画を観るのは最初はかなり困難を伴います。もちろん慣れてくれば、映像と音響だけで物語の大筋はつかめるようになるのですが、最初は大変だろうと思います。当初は自分の興味のあった映画(アクションでもSFでもラブロマンスでも何でもいい)を選択するのがいいかと思います。

 色々対応をするのには手間のかかる輸入盤DVD/Blu-rayですが、それを補って輸入盤DVD/Blu-rayには素晴らしい魅力が存在しています。製作者の意図したような映像、音響を堪能でき、マイナーなタイトルも入手ができ、映画コレクションを豊富にできるのには、輸入盤DVD/Blu-rayを置いて他にありません。このページをご覧になった方々には、ぜひとも一度輸入盤DVD/Blu-rayを購入されてみることをお勧めします。そうして、本当の映画鑑賞をされることを願ってやみません。