BAD BOYS II(輸入盤DVD)

邦題:バッドボーイズ 2 バッド

基本データ

BAD BOYS II DVDジャケット
  • レーベル:COLUMBIA TRISTAR HOME ENTERTAINMENT
  • 制作年度:2003年
  • 上演時間:147分
  • 監督:マイケル・ベイ
  • 出演:マーティン・ローレンス、ウィル・スミス
  • 画面:2.40:1/アナモルフィック
  • 音声:DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語
  • 字幕:英語、フランス語

あらすじ

 マイアミに流入する麻薬を阻止すべく、例のごとく派手な捜査を続けるマイクとマーカスの両刑事。その背後には、ロシア人マフィアと取引を行なって大金をせしめようとするジョニー・タピアの存在が見え隠れしていた。更に DEA (連邦麻薬取締局)のタピアに対する潜入捜査が行なわれていた。その潜入捜査を行なっていたのはマーカスの妹シドだった。妹の心配を続けながらも捜査を続けるマーカス。そして事件は次第にその全容を見せ始める。

感想

 「アルマゲドン」、「パール・ハーバー」と大作を撮りつつも批評家からは酷評され、ヒットはするものの制作費のかかりすぎで収益的には今ひとつの間のあるマイケル・ベイが初心に戻ったのか、監督デビュー作「バッドボーイズ」の続編であるこの作品を制作しました。

 

 デビュー作については既にレビューしていますが、コメディが主体の作品になっていましたので今回もその路線でいくのかなと思ったら大間違いでした。相変わらず高額の制作費を投入したアクション一辺倒の作品へと変貌を遂げてしまいました。ストーリーよりもアクション、アクション、またアクションといった感じでよくもまあこれだけ派手なシーンを立て続けに流せるな、といった感じです。

 

 そのあおりを食らって、マイクとマーカスのユーモラスなやり取りが相対的に弱くなってしまっています。それなりにギャグは飛ばしているのですが、印象が薄いとしか言いようがありません。一つには、前作から 8 年も経過して主演のウィル・スミスが大スターになってしまった為、マーカスを演じているマーティン・ローレンスと格が違ってしまったことが挙げられると思います。多分アメリカではマーティン・ローレンスもそれなりに人気があるのだと思いますが、いかんせん日本では知名度が低いのでやむを得ないのだと思います。実際映画を見ているとウィル・スミスが異様にかっこよく見えるように撮られている印象を受けます。

 

 更に前作では割とマーカスの家族の生活感が描かれていましたが、今回はそれすらほとんどないので自分の妹が DEA の潜入捜査をして心配している、と言っても説得力がかなり弱い気がします。

 

 代わりに冒頭に書いたようにアクションシーンはこれでもか、というぐらいに大量に(作品のバランスを崩すくらいに)投入されていますので、その辺を楽しむにはもってこいの作品だと思います。特に始まってから 28 分頃に始まるカーチェイスシーンはやり好きの感があるくらい派手で快感を感じます。もっとも前作でもレビューしたようにアップの多用やすばやいカット割などのせいで相変わらず登場人物や車の位置関係等がつかみにくいのでその辺は割り引く必要はあると思いますが。

 

 それとこの映画、アメリカでは R 指定( 18 歳未満の子供は保護者同伴でないと観ることができない)になっていますが、かなりえぐいシーンが多く、驚いてしまいます。死体の首が車にはねられ吹っ飛ばされたり、切り刻まれた死体が出てきたり。間違いなく子供には悪影響を与えそうです。

 

 ついでに制作費を多額に使っているせいかマーカスの家庭がかなり立派な家に変わってしまい、思わず「一介の刑事が何でそんな立派な邸宅に住めるんだよ」と突っ込みを入れたくなります。もっともそれをいってしまうとマイクの独身貴族ぶりも突っ込み甲斐はあるのですが、前作は平凡な家庭持ちの刑事と独身貴族の刑事(しかも親の遺産か何かで金を持っている)という対比が面白かったので、その辺は気をつけてほしかったなという気がします。

 

 それでもここ何作品かのマイケル・ベイの作品にしては我を忘れるほど楽しめたのは確かです。「アルマゲドン」はただの馬鹿映画でしたし(しかもどのシーンで何が起きているかが全く分からない画面作りをしていた)、「パール・ハーバー」は零戦による真珠湾攻撃シーン以外観るところのない作品でしたので(でもジェームズ・ホーナーの重厚なサウンドはよかった)、今回はそれなりに元を取れたかなという気がします。

 

 映像は「バッドボーイズ」がビスタサイズ( 1.85 : 1 )だったのに対し今作ではシネマスコープサイズ( 2.35 : 1 )と画面サイズが変わってしまっています。この辺の統一感はほしかったなというのが実感です。映像の質としてはクリーンだが何となくフィルムの印象が残る気がします。少なくともビデオ的画調ではないといえるでしょう。マイアミの空気感は十分に伝わってきます。音響は前作以上に派手です。アクションシーンが多いのだから当然ですが、銃撃音は四方から聞こえてきますし、かなりリアからも音が鳴り続けています。その分静かなシーンでのサラウンド感が感じられないのは少々残念です。最もアクションシーンがないときはトレバー・レビンによるサウンドトラックが鳴っているときが多いので元々静かなシーン自体あまりないのですが。

 

 ちなみにこの作品、よく見ると、製作会社の名が「ドン・シンプソン / ジェリー・ブラッカイマー・プロダクション」となっています。既にドン・シンプソンはこの世を去られているので、本来ならば「ジェリー・ブラッカイマー・プロダクション」となるはずなのでしょうが、あえてドン・シンプソンの名を入れたところに何かこだわりがあるのかもしれません。また、作品自体はウィル・スミスが主演と言ってもいいのですが、クレジットの順番は前作と同じく、マーティン・ローレンスが先で、ウィル・スミスが二番目になっています。この辺も興味深いところです。

 

2005年5月15日