BATMAN:THE DARK KNIGHT RETURNS-PART 1(輸入盤Blu-ray)

邦題:バットマン:ダークナイト・リターンズ-PART 1

基本データ

BATMAN:THE DARK KNIGHT RETURNS-PART 1 Blu-rayジャケット
  • レーベル:WARNER HOME VIDEO
  • 制作年度:2012年
  • 上演時間:76分
  • 監督:ジェイ・オリヴァ
  • 声の出演:ピーター・ウェラー、アリエル・ウインター、デヴィッド・セルビー
  • 画面:1.78:1/アナモルフィック
  • 音声:dts-HD MA 5.1ch 英語
  • 字幕:日本語、英語

あらすじ

 バットマンが姿を消してから早10年。ゴッサム・シティはミュータント団と名乗る集団によって治安が悪化していた。ゴードン警察本部長も命を狙われていた。その中、年老いたブルース・ウェインは自身の心に閉じ込めておいた悪への衝動を抑えきれずに10年ぶりにバットマンとして悪へと対峙し始める。しかし、そのバットマンの行為に市民は賛否両論だった。バットマンの活動開始と同時に手術によって顔の治療と心の治療を行ったはずのハービー・デントが、再びトゥー・フェイスとして悪事を働いてしまう。そしてミュータント団のボスはバットマンを挑発するのだった。孤軍奮闘するブルースだったが、キャリーという少女がロビンに扮して彼に協力をする。

感想

 1980年代半ばに原作コミックとして全4話で刊行された伝説のコミックをアニメ化したのがこの「バットマン:ダークナイト・リターンズ-PART 1」です。今回は前半の2話分を映像化しています。これは最初からDVD/Blu-rayでの発表を意図したもので、劇場公開はされていません。

 

 何故この「バットマン:ダークナイト・リターンズ」が伝説になってしまったかというと、これまでのヒーロー物の概念を覆しているからで、現実世界でヒーローを名乗る人物が法を無視して勝手に悪党を退治してしまうと、法治国家の意義が何処に行った?という疑問を投げかけているからであります。また、歳を取らないコミックの主人公という概念をも覆し、主人公のバットマンことブルース・ウェインは初老の人物へと歳を重ねているところが斬新であります。

 

 しかしながら、バットマンの誕生秘話はこのアニメにおいても他の実写版バットマンと同じで、幼い頃に両親を殺されたトラウマから逃れられないという共通した設定になっているところは、きちんと押さえているかと思います。

 

 この原作コミックは何度か読んでいますが、原作コミックとはストーリーが若干違うようですし、何よりブルース・ウェインのモノローグがすっかり消えているところが雰囲気を少し変えているのかなと思います。しかしながら、それによって物語がつまらなくなったかというとそうではなく、すっきりとしていて、分かりやすい展開になっているかと思います。

 

 ブルースのモノローグが無くなったせいで、年老いたブルースがバットマンに扮して苦労するというイメージが無くなったのはコミックとアニメの大きな違いだと思います。コミックでは絶えず苦しそうな印象を持っていましたが、アニメ版ではヒーローが再び立ち上がって思う存分活躍するという印象を受けてしまいます。

 

 物語中盤で出てくるバット・モービルは、まるで戦車でミュータント団の攻撃を物ともしないという感じを受けます。この辺は迫力あるアニメならではの演出だと思います。装備されている兵器も実はゴム弾で殺傷能力はないというところが、バットマンの美学を貫いているように思います。

 

 物語は、トゥー・フェイスがビルを爆破しようとする物語と、ミュータント団対バットマンの闘いと2部構成になっていますが、全般的にはミュータント団の話のほうが多いと思います。特にリーダーとのバットマンの戦いは2度にわたって行われ、バットマンが苦戦をしつつも、なんとか勝利するさまに興奮を感じ得ません。ミュータント団も、リーダーの敗北後、バットマンの息子たちと名を変えて、逆に悪と対峙するようになるのは、治安面から不安の種だなと思います。

 

 物語では、原作でバットマンの元を去った初代ロビンと、2代目ロビンについて触れられている箇所もありますが、この辺は原作コミックが邦訳されない日本では分かりづらいところがあるように思います。僕が知っている限りにおいては、初代ロビンはブルースとケンカ別れして独立したヒーローとして活躍をし、2代目ロビンは非業の死を遂げたというふうに聞いています。1990年代半ばに日本で刊行された邦訳版コミックの注釈に書いてあったかと思います。

 

 画質はアニメということもあり、大変クリアな画質になっています。ノイズもないし、色乗りも十分、解像度は素晴らしいの一言につきます。昔のようにセル画で撮っているのではなく、コンピューター上で描いているのではないかと思います。音響はdts-HD MA 5.1chですが、サラウンド感抜群で、またワイドレンジですので魅力的な音響を提供しています。

 

 なお、このBlu-rayは輸入盤ではありますが、ワーナーの世界共通盤としてリリースされているもので、日本のプレイヤーで再生すると日本語字幕、吹き替え音声が選択できるという仕様になっています。

 

2012年10月14日