BLADE RUNNER 2049(輸入盤Blu-ray 3D)

邦題:ブレードランナー 2049

基本データ

BLADE RUNNER 2049 Blu-rayジャケット
  • レーベル:WARNER BROS.HOME ENTERTAINMENT
  • 制作年度:2017年
  • 上演時間:164分
  • 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
  • 出演:ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス
  • 画面:2.40:1/アナモルフィック
  • 音声:dts-HD MA 5.1ch 英語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語
  • 字幕:英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

 2049年のカリフォルニア。環境は破壊され、さらに過酷な状況になっていた。2019年にタイレル・コーポレーションが作り出していたアンドロイド、レプリカントは、過酷な状況で奴隷として扱われ、その過酷な状況から脱出すべく反乱を起こしていた。その過程においてタイレル・コーポレーションは崩壊、レプリカントの生産はウォレスという男が引き継いでいた。タイレル製のネクサス8型以前のレプリカントは、ブレードランナーと呼ばれる警察によって処分されていた。レプリカントでありながらブレードランナーになっていたKは、サッパーと呼ばれるレプリカントを処分したが、サッパーの住んでいた土地の一部に白骨化した死体を発見する。調査の結果、死体はレプリカントで、子供を産んでいたとわかり、警察に混乱が生じる。Kは上司から子供の処分を命じられるが、調査の過程で次第に自分の存在を疑い始める。その頃、ウォレスもレプリカントが子供を産んでいたことを知り、その子供の探索を手下のラヴというレプリカントに命じる。

感想

 1982年に公開され、その後VHSビデオやレーザーディスクによってカルト的人気を誇るようになった「ブレードランナー」の35年ぶりの正統派続編がこの「ブレードランナー 2049」です。「ブレードランナー」では監督を務めたリドリー・スコットが製作総指揮に回り、「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーヴが監督を務めています。35年ぶりの続編ということで期待は高まり、批評家や観客の評価は高い状態になっていますが、残念ながら制作費がかなりかかっているために、興行収入が制作費を大幅に下回り、やはりカルト映画としての立ち位置を抜け出せない結果になっています。

 映画自体が35年ぶりということもありますが、映画の作品背景も「ブレードランナー」から30年後のカリフォルニアという設定になっていて、2019年よりも余計に環境システムが破壊されたという背景を持っています。そんな中、レプリカントでありながらブレードランナーであるKという男が、レプリカントを処分する過程で女性レプリカントが子供を産んでいたという事実を知り、その生まれた子供を探すというのがこの物語の骨子であります。

 物語はKという男の自分探しの旅であるということができるかと思います。レプリカントであるKは人間からは格下に見られ、唯一の癒しはウォレスの起こした会社によるホログラム映像、ジョイという女性との会話だけという寂しい生活を送っています。そのKがレプリカントの産んだ子供を探すうちに自分の立ち位置を次第に探り、自身のアイデンティティを見つけていくというのが映画を貫くテーマになっています。

 それは、レプリカントという人造人間でも本物の人間と同じように感情や過去の記憶を所有できるのかという命題や、「ブレードランナー」やその原作である「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」にも共通する、人造人間が人間と同じようになった場合、その違いはあるのかという根源的な問いに対して、誠実に描いた映画になっているのが大きなポイントであると言えます。

 映画はじっくりと「人間とはなにか」について描いているので、かなり長尺の映画になっています。そして、物語クライマックスにおいて、前作「ブレードランナー」の主人公であったデッカードが登場することで、物語に深みが出たと思います。「ブレードランナー」においては、デッカードが人間かレプリカントかについて様々な議論が交わされましたが、「ブレードランナー 2049」でのデッカードは人間であるかのようにも思えます。

 主人公Kが感情をほとんど外に表さないため、彼が何を考えているのかを観客が考える構図になっていて、物語に深みが出ているかと思います。そのKの正体が次第に明らかになっていきますが、クライマックス直前でどんでん返しがあり、Kの真実が明らかにされるときには、意表をついた展開であると感じました。

 映像は2.40:1の3D映像です。撮影監督のロジャー・ディーキンスはこの映画を「ワイドスクリーンで見て欲しい」と発言していることから、映画は2.40:1のアクペクト比が正しい鑑賞法と言えそうです。3D映像を本国アメリカでは通常の映画館でも公開しているようですが、日本ではIMAXで3D上映されています。しかし、IMAXでは1.90:1のアスペクト比なので、上下の映像はカットされています。映像自体はかなり暗いシーンも多く、また、色の再現性の厳しい赤い画面もあり、映像の描写には苦戦をしていると言えます。3D映像もその影響を受けて効果的な立体映像という感じではないです。ただ、シーンによってはかなりの奥行き感を感じるところではあります。音響は2D Blu-rayでDOLBY ATMOSを収録していますが、3D Blu-rayはdts-HD MA 5.1chにダウングレードしています。これは3D映像にディスクの容量を食われているからだと思いますが、5.1chでもかなりのサラウンド感と、ハイレンジ感を感じるところではあります。音がほとんど鳴らないシーンと、盛大に鳴るシーンが極端で、その際のサラウンド感の効果は抜群に感じます。

 なお、この3Dバージョンのディスクは、本国アメリカでもほとんどの小売店で取り扱っておらず、入手が意外と困難になっています。3D Blu-ray自体が売上が悪いので各映画会社が販売を取りやめている中、唯一と言っていいほどワーナーは3Dバージョンもリリースしていますが、Best Buyでの取り扱いだけのようで、今からアメリカ盤を入手するにはeBayあたりで探すしかないように思います。日本版は初回限定でリリースされるので、それを狙うのはアリだと思います。

2018年1月28日