THE DARK TOWER(輸入盤Blu-ray)

邦題:ダークタワー

基本データ

THE DARK TOWER Blu-rayジャケット
  • レーベル:SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT
  • 制作年度:2017年
  • 上演時間:95分
  • 監督:ニコライ・アーセル
  • 出演:イドリス・エルバ、マシュー・マコノヒー、トム・テイラー
  • 画面:2.40:1/アナモルフィック
  • 音声:dts-HD MA 5.1ch 英語、ポルトガル語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch チェコ語、フランス語、ハンガリー語、ポーランド語、スペイン語、タイ語、トルコ語
  • 字幕:英語、アラビア語、ブルガリア語、広東語、北京語、フランス語、スペイン語、他

あらすじ

 父親を亡くしたジェイクは、しばしば夢を見ていた。それは異世界にあるダークタワーと、それを破壊し、世界を支配しようとする黒衣の男、そしてそれを阻止しようとするガンスリンガーの夢だった。しかし、彼の行動は、母親の心配につながり、ジェイクは精神科医に連れて行かれそうになる。ジェイクは逃走をして、夢で見つけた異世界につながるゲートウェイにたどり着き、ゲートウェイを通過する。そこでジェイクは、最後のガンスリンガー、ローランドと遭遇し、彼と共に行動をすることになる。黒衣の男は、ジェイクが特殊な力を持っていて、彼の野望を叶えるのに最適な子供であることを認識し、ジェイクをローランドから引き離そうとする。黒衣の男のアジトを破壊することがダークタワーを守護するのに最適と判断したローランドとジェイクは、黒衣の男のアジトに乗り込もうとするが、逆襲され、ニューヨークに一旦逃れる。そして、そこに黒衣の男が現れ、ジェイクを誘拐していく。

感想

 ホラー小説の大家、スティーヴン・キングの大長編作品「ダークタワー」シリーズを、設定はそのままに改めてストーリーを練り直した映画がこの「THE DARK TOWER/ダークタワー」です。もともと大長編作品である原作をわずか95分という上映時間に収めるのは無理と思っていましたが、アメリカでの劇場公開時にはヒットせず、また、その作品の出来にも批判が集まっているという残念な結果に終わっています。

 作品内容を見ましたが、原作ではもっと主人公として活躍していたような気がするガンスリンガー、ローランドが今回の作品では、特殊な力を持つ少年ジェイクの庇護者となっているのが、この作品の特徴であるかと思います。逆に言うとジェイクの視点から描かれたファンタジー映画になっていて、その辺が原作と違い、物語に深みがないところにあるかと思います。

 ジェイクが特殊な力を持っている少年というように描かれていますが、その力は原語ではSHINEと言われていて、ちょっと同じくスティーヴン・キング原作の「シャイニング」を彷彿とさせる設定になっているのは、面白いと思います。ただ、その他を見ていると、この手のファンタジー映画は、よくある展開なので、物語が既視感を持った展開になっているのが、残念なところであります。

 また、映画の後半に行くまで、物語があまり動いていないというのも、展開の飽きを感じさせるところではあります。ガンスリンガー、ローランドの活躍をもっと見たいというところではありますが、それがクライマックスに至るまで、あまり描かれないし、黒衣の男に対して完膚なきまでにやられているのを見ると、ラストの展開がちょっと無理がありすぎだろうと思ってしまうところもあります。

 違和感を感じたもう一つの理由は、舞台がミッドワールドでの話より、ニューヨークでの展開が多いことも、そう感じるところではあります。異世界のファンタジー性を期待していた向きには、このニューヨークを舞台にした戦いは、期待を裏切る話になっていて、そこが作品の出来を悪くしているように思います。また、黒衣の男の支配するダークタワーを破壊する装置が妙に近未来的装置になっているのも、違和感を感じる要素になっています。

 スティーヴン・キング原作の映画化には大抵失敗が付きまとうものですが、この作品も例に漏れず、失敗していると思います。大長編である原作を改変して映画化するのには無理があったと言わざるを得ません。それは、撮影技術が発達して、異世界をCGで容易に描かれるようになったとしても、脚本の出来如何で左右されるということに違いはないです。

 画質は、大変精細なHD画質をしていますし、色乗りも十分な状態ですので、魅力的な映像を提供しています。ニューヨークの映像は、大変美しく、実際にいるかのような気がしています。音響は5.1chサラウンドですが、サラウンドチャンネルにもアグレッシヴな音の振り分けをしていて、絶えず音の空間に包み込まれている感覚を覚えます。ストーリーは出来が良くないですが、映像と音響でなんとか楽しめる出来にはなっています。

2017年11月5日