ELYSIUM(輸入盤Blu-ray)

邦題:エリジウム

基本データ

  • レーベル:SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT
  • 制作年度:2013年
  • 上演時間:109分
  • 監督:ニール・プロンカンプ
  • 出演:マット・デイモン、ジョディ・フォスター、シャールト・コプリー
  • 画面:2.40:1/アナモルフィック
  • 音声:dts-HD MA 7.1ch 英語 / dts-HD MA 5.1ch フランス語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、スペイン語
  • 字幕:英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

 2154年、人類は2つの分類をされていた。1つは健康的で、最先端の医療を受けることの出来るスペースコロニー、エリジウムに住むものであり、もう1つは地球上で満足な医療を受けることもままならず、いつかエリジウムに行くことを夢見る人たちである。地球に住むマックスはエリジウムに行くための資金を貯めるために、工場で働いていたが、ある時工場の事故に遭い、放射能を浴びて、余命5日の宣告を受ける。マックスはエリジウムに行って生命の危機を回避しようと、裏家業でエリジウムに人々を送るスパイダーの元を訪ね、彼のエリジウムのプログラムを盗むという案に賛同することで、何とか助かろうとする。しかし、不法移民者を許さないエリジウムのデラコートは、地球にいるクルーガーを使って、危機を排除しようとする。マックスはエリジウムに行く過程で、幼い頃から仲が良かったフレイの子供をもエリジウムで治療を受けるという話になる。

感想

 「第9地区」のヒットでその才能が認められたニール・ブロムカンプ監督が、大作を作り上げたのがこの「エリジウム」です。2013年の夏に公開され、ヒットを記録していますが、製作費の回収は出来なかったようです。

 

 物語としてはよくあるユートピア物と、ディストピア物の混合作であるとはいえますが、途中から何故かアクションが派手になる作品でもあり、ちょっとその辺の統一感がはっきりしなかったのは残念なところであります。

 

 作品としてはスターであるマット・デイモンとジョディ・フォスターが出てくるということから、それぞれの見せ場を作らなければ、という考えがあったのだと思いますが、普通の男性であるマットデイモン扮するマックスが、最後はものすごいアクションを繰り広げてしまうのは、ちょっとストーリーが飛びすぎの感があり、いくらなんでもそれはないだろうという感触を持ってしまいます。

 

 物語の舞台となる2154年のロサンゼルスと、エリジウムの対比が結構はっきりしていて、ロサンゼルスが廃退とした雰囲気なのに対し、エリジウムがクリーンな印象なのは、物語を作る上で、結構重要な設定であるといえます。多分メキシコで撮影されたであろう廃退的なロサンゼルスを映し出すことによって、地球での人口過多と、満足な医療も受けられないという設定がものすごく生きてくると思います。その分エリジウムが先端医療も受けられていて、健康的であるという地球に住む人から憧れられるのが分かる仕組みになっています。

 

 そこまで設定がありながら、後半になると、マックスと、彼を仕留めようとするクルーガーとの戦いがメインになってしまい、事故で余命5日間と宣告されたマックスが、どうしてそこまでハードに戦える、という疑問点が涌いてくるのを隠し切れないところはあります。クルーガーも自分の仕事を優先するあまり、ボスであるデラコートを裏切るなど、ちょっとやりすぎ感があるかと思います。

 

 また、マックスがエリジウムのリブートプログラムを脳に貯蔵することになるという設定も、最後の生命の選択だけで使われる様な感じで、実はあまり役に立っていない様な気がします。マックスの選択により、マックスの幼なじみのフレイの娘が助かるという話ではあるものの、後半に行くに従って、マックスが自分の命を優先していない感じがあり、その辺の危機感というかサスペンス度が下がっているのが残念です。

 

 そういう意味では、もっと出来のいい作品に出来る可能性がありながら、出来なかったという感触を持ってしまい、少々不満の残る作品であるといえるでしょう。舞台設定や、登場するロボット警官などのキャラ設定はいいだけに、惜しい作品になってしまった映画であるといえます。

 

 映像は「マスタード・イン・4K」と銘打って、4Kで映像をマスターにしているので、画質は大変きれいです。ロサンゼルスの廃退とした雰囲気や、対照的なクリーンなエリジウムをすばらしい映像で描いています。フィルムグレイン等も見当たらず、緻密な映像を提供しています。音響はdts-HD MA 7.1chを5.1chにダウンコンバートして視聴しましたが、すばらしいサラウンドフィールドを形成しています。音が映像を補完する空間を作り出し、映画の中にいるかの様な雰囲気を作り出しています。

 

2014年3月23日