THE HUNGER GAMES(輸入盤Blu-ray)

邦題:ハンガーゲーム

基本データ

THE HUNGER GAMES Blu-rayジャケット
  • レーベル:LIONS GATE HOME ENTERTAINMENT
  • 制作年度:2012年
  • 上演時間:142分
  • 監督:ゲイリー・ロス
  • 出演:ジェニファー・ローレンス、ジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース
  • 画面:2.35:1/アナモルフィック
  • 音声:dts-HD MA 7.1ch 英語 / DOLBY DIGITAL 2.0ch 英語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語
  • 字幕:英語、スペイン語

あらすじ

 北アメリカは戦争の後、12の自治区に分割して統治をしていた。そしてその12の自治区から12歳から18歳までの男女を一人ずつ選び、「ハンガーゲーム」と呼ばれる殺し合いのゲームを開催していた。そのゲームでは最後の一人が勝者となる仕組みだった。第12地区のハンガーゲームの出場者に妹のプリムが選ばれてしまったことで、姉であるカットニスは自ら志願してハンガーゲームに参加することになる。同じく第12地区には男性代表としてピータが選ばれていた。過去の経緯から最初はピータのことに恨んでいたカットニスは、ハンガーゲームを通じて彼と行動をともにすることになる。ゲームは、何人かの出場者がチームを作り、弱者を殺し合う体制を整えていた。その中でカットニスは生き残ることが出来るのか。

感想

 スーザン・コリンズの同名小説を映画化したのがこの「ハンガーゲーム」です。若者を中心に人気が出て、北米では大ヒットを記録しており、続編の製作も企画されています。

 

 物語としてはありきたりのディストピア物というところですが、妙な静けさを感じさせるのが、この映画の特徴ではないかと思います。それは、ハンガーゲームの実際の戦いが物語後半だけの描写になっていて、物語前半から中盤にかけては、ハンガーゲームの世界観を構築するのに焦点を合わせていることと無関係ではないと思います。

 

 そして、物語自体が感じるところなのですが、後半のハンガーゲーム自体のテンションの低さが映画を構成しているように思います。他の若者を殺し合うという設定ですから、自分の他はすべて敵という設定にしても良さそうな物ですが、実際は敵は敵でグループを作って仲間から外れた物を殺害して生き延びようとしていますし、主人公カットニスに協力する子供もいたりするところが、緊迫感の低さを物語っているように思います。もっと主人公の孤独感を出した方が緊迫感はあるように思えます。それとゲームを運営している人たちはちょっとチートな演出してくるのは、ずるいと思います。こういう手を使ってゲームを運営するのはなしだと思います。

 

 カットニスと一緒にハンガーゲームに出場することになったピータは、カットニスの回想シーンではパン屋の息子で、どうもカットニスにパンを売らなかったか、上げなかったかしたようです。パンを豚に提供するシーンから、その辺りのカットニスのピータに対する複雑な心境が見て取れます。そのカットニスが戦いの中で傷ついたピータを手当てし、次第に二人で生き延びていこうとする辺りは、イメージが何か違うなという感触を受けます。この辺りで二人が仲間でありながら、互いに殺し合おうとする、そして躊躇するという展開の方があたりきですが、物語的に盛り上がるような気がします。

 

 首都の人たちは優雅な生活をしていて、12の自治区の人たちは貧困の生活をしているという設定が今ひとつ生かされていないようにも思えます。12の自治区の人たちの不満を解消するためにハンガーゲームを開催しているという設定ですが、よくよく考えればこれで不満が解消されるとは全然思えないのです。結局のところ首都の人たちの単なる娯楽になっているところがハンガーゲームの実態ではないかと思います。もっともこの手のディストピア物ではよくある設定だとは思いますけれど。

 

 クライマックスは、ちょっと意外な設定になっていますが、ハッピーエンドなので、救われるところはあります。その手前の演出はどうなるかと思いましたが、主人公が生き残るという話にしないと、どうしても重く終わってしまうので、これでいいのだろうと思います。ただ、首都の人たちや、大統領がどうも納得していない感じなのが続編への布石かなという感じはします。

 

 物語が妙な静けさを感じさせると書きましたが、それを強調しているのが画質です。高精細の画質で少し青みがかった冷たい色調を映像の特徴にしています。それが物語を突き放した感じにしているのだと思います。時折トーンがモノクロっぽいシーンになるところもあり、それも暗い展開を形作っていると思います。音響はdts-HD MA 7.1chを5.1chで視聴しましたが、サラウンドの分離がなかなか優れています。フィールド自体はちゃんと視聴者を取り囲んでいますが、音の位置情報がはっきりしているので、魅力的なサウンドをしています。

 

2013年10月6日