RISE OF THE PLANET OF THE APES(輸入盤Blu-ray)

邦題:猿の惑星:創世記(ジェネシス)

基本データ

RISE OF THE PLANET OF THE APES Blu-rayジャケット
  • レーベル:20th CENTURY FOX HOME ENTERTAINMENT
  • 制作年度:2011年
  • 上演時間:105分
  • 監督:ルパート・ワイアット
  • 出演:ジェームズ・フランコ、フリーダ・ピント、アンディ・サーキス
  • 画面:2.35:1/アナモルフィック
  • 音声:dts-HD MA 5.1ch 英語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語
  • 字幕:英語、スペイン語

あらすじ

 ウィルを始めとする研究者たちは猿を捕獲して、実験を行っていた。それは猿に薬を打つことにより、知能を改善するというものであり、人間に応用してアルツハイマー病の特効薬を開発するというものである。実験体の猿の一匹が高い知能を有していることが分かるが、その猿がふとしたことから檻から出てしまい、警備員に射殺される。その猿は実は子供の猿をもうけており、ウィルは自宅に連れ帰り、シーザーと名付けて育てることにする。シーザーは薬の影響で高い知能を有しており、段々その知能が高くなっていくが、ウィルの父がアルツハイマー病の進行で、近所に迷惑を掛けた際にウィルの父を守ろうとして暴れてしまい、猿の収容所に閉じ込められてしまう。そして次第にシーザーは人間に対して反乱を行うよう仲間の猿を導くリーダーとなっていく。

感想

 1970年代に大ヒットを記録した「猿の惑星」のシリーズの隙間を埋める新しいシリーズの第1作で、猿がどのようにして知能を有し、どのようにして人類を下僕としていくかを描き出す作品になっています。2011年の夏にアメリカで公開され、大ヒットを記録し、2014年にその続編「猿の惑星:新世紀(ライジング)」が劇場公開されています。

 

 「猿の惑星」では、宇宙に旅行した地球人が猿が地球を支配する惑星に到着するという話で、実は人類の滅亡した後、猿が地球を支配していたという衝撃のラストが有名になっていますが、この「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」では、その「猿の惑星」で猿のリーダーだったシーザーがどのようにして、人間のような知性を獲得し、どのように人類に反撃するかを描いたものになっています。

 

 今回猿に知性を与えるものは、実はアルツハイマー病の特効薬という設定になっています。元々人間の病気を改善するつもりで開発された薬が、猿に注射することにより、次第に猿の知性が高くなっていき、ついには言葉までしゃべるというレベルまで持ち上げるところは、なかなかスリリングであります。もちろんそこにいくまでには、色々な出来事があり、猿全体の知性がどうして高くなるのかの件は、シーザーの活躍に胸打たれるものがあります。

 

 一方でその猿に知性を与えた特効薬は、開発の過程で次第に人間に害を及ぼす薬に変容し、最初アルツハイマー病だったウィルの父親は、特効薬No.112では、一旦はアルツハイマーから奇跡的な回復を示しますが、また効果が切れて次に開発したNo.113では、彼の助けにならないどころか、人類への悪影響を及ぼすことが示唆されています。これは続編へのアプローチでもあり、また「猿の惑星」の設定を補完するものであると思います。

 

 物語後半は、猿を虐待する収容所でのシーザーを始めとする猿たちの反乱から始まって、収容所を逃げ出し、サンフランシスコの街を混乱に陥れ、最終的には森を住処とするところまでが一連の流れで、続いていきます。収容所での猿への虐待が酷いので、観客自身が後半は猿に感情移入出来るようにストーリーが出来ていると思います。

 

 物語がどこで終わりを告げるかが、結構読めない映画であると言えるのですが、最終的にはシーザーがウィルの「家に帰ろう」という誘いを断って、森と仲間を「住処」とするところで完結するのは、とりあえず一区切りついたのかなと思います。それだけならまだしも、エンドクレジットで、特効薬の悪影響が世界中に散らばっていくことを示唆している映像が差し込まれているせいで、オチとしてもまずまずの出来であると言えます。

 

 猿のシーザーを演じたのは、モーション・キャプチャー俳優の第一人者アンディ・サーキスですが、彼の猿になり切った演技は見事であると言えます。猿のCG自体も自然な印象なのですが、サーキスの演技がなければ、ここまでリアルな知性を持った猿、シーザーを作り出すことは出来なかったと思います。

 

 画質は思ったほど高解像度とは言えない感じはするのですが、色乗りはしっかりしているし、フィルムのノイズも多少乗っているので、それらしい雰囲気は漂わせていると思います。CGと実写の融合は見分けがつかず、適切な映像表現をしていると思います。音響はdts-HD MA 5.1chですが、結構空間表現力が高い映画であると言えます。サラウンドを意図的に鳴らすのではなく、極自然な雰囲気で鳴らしている印象の強いサウンドデザインです。

 

2014年7月20日