SE7EN(輸入盤DVD)

邦題:セブン

基本データ

SE7EN DVDジャケット
  • レーベル:NEW LINE HOME ENTERTAINMENT
  • 制作年度:1995年
  • 上演時間:127分
  • 監督:デヴィッド・フィンチャー
  • 出演:ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン、グウィネス・パルトロウ
  • 画面:2.35:1/アナモルフィック
  • 音声:DOLBY DIGITAL 5.1ch-EX 英語 / DTS ES 6.1ch 英語 / DOLBY DIGITAL 2ch 英語
  • 字幕:英語、フランス語

あらすじ

 犯罪の多い街にやってきたミルズ刑事は、そこをもうすぐ退職するサマセット刑事とコンビを組み、猟奇的殺人事件を担当することになる。その事件は、キリスト教の7つの大罪をモチーフにした事件で、どれも凄惨な現場を放っていた。サマセットとミルズは犯人を追いかけるが、この猟奇的事件の解決に苦労することになる。事件は毎日発見され、5つ目の事件まで発覚した後、犯人が自首してくる。しかし後2つの事件が残っているということで、二人はジョン・ドゥと名乗る犯人の指示に従い、行動を共にする。しかし、その残りの2つの事件は意外な展開だった。

感想

 「エイリアン3」でデビューしたものの、評価の今一つだったデヴィッド・フィンチャー監督が、起死回生を図って挑んだのがこの「セブン」です。売り出し中のブラッド・ピットや、グウィネス・パルトロウが人気スターになったのも記憶に新しいところではあります。独特のセンスを放つこの作品は、その内容にもかかわらず大ヒットを記録しています。

 

 物語としては、スリラーになるのかと思いますが、キリスト教の7つの大罪(傲慢・嫉妬・憤怒・怠惰・強欲・暴食・色欲)をモチーフにして、犯人が神であるかのように振る舞い犯罪を起こしていくところに新鮮味があります。

 

 それを演じたのがこれまたまだ売れていない頃のケヴィン・スペイシーで、彼の存在感はかなり大きなものがあります。登場するのは物語も後半になってからですが、彼が姿を現してからは、彼が物語を引っ張っていくと言ってもいいかと思います。

 

 ジョン・ドゥは、犯罪を犯す際に大量の資料を活用しているところが物語的に複雑さを表しているかと思います。キリスト教のみならず、ダンテ、ミルトンといった昔の詩人や哲学者などのモチーフを参考にしている点に新鮮味があるかと思います。その分そういうところに馴染みのない僕としては、ちょっと難しかったかなという点も挙げられます。

 

 展開としては、ミルズとサマセットのコンビ物という見方もでき、街の汚れた部分を見続けていて少し疲れているサマセットと、血気盛んなミルズという対称的な二人がコンビを組むという面白さも物語の中に内在しているかと思います。サマセットの人間像や、ミルズの人間像は、物語冒頭で静かに描かれていますので、序盤から彼らの性格みたいなものを知ることができます。

 

 また、物語に彩りを加えているのがグウィネス・パルトロウ演じるトレイシーの存在で、彼女が舞台となる街で色々心配をしてサマセットに相談をするというところが、その街の汚れた部分を表しているかと思います。また、そういうシーンを入れることで、クライマックスの意外な展開に納得性を与えているかと思います。

 

 後この作品で印象に残るのが、意識的にやっているのだと思いますがジョン・ドゥが捕まるまでの間、ほとんどの屋外のシーンで雨が降っていることが挙げられるかと思います。これは、一種の浄化の意味合いを含めているのかなと感じるところがあります。凄惨な事件の起こる都市というものに大して、雨の降るシーンを入れることである種の効果を与えているかと思います。そういえば「エイリアン3」も水のシーンが結構あったかと思いますので、監督の意向が入っているだと思います。

 

 凄惨なシーンの多い映画ではありますが、それでもレーティングに配慮したせいか、想像力で陰惨さを描いているような部分もあって、犯罪シーンを直接描かないというシーンも見受けられます。もちろん特殊効果で陰惨なシーンを描いていて、その不気味さを表現しているシーンもあるのですが、後半になるとそれが影を潜め、想像力を試されるシーンが出てきます。これが怖いと感じる所以でもあります。

 

 後この映画で話題になったのがオープニングクレジットです。独特の映像表現で、映画の内容を想像させる出来になっていて、秀逸なオープニングクレジットではないかと思います。

 

 映像は、この映画から話題になった「銀残し」と言われる通常フィルムの現像時に消失してしまう銀色を残すことで、コントラストをはっきりさせる手法が取られています。このDVDでもそれがはっきりしていて、陰鬱な都市の映像をしっかりした色彩で再現しています。また、DVDという限られた解像度ではありますが、フィルムグレインなども見て取られ、多分通常の映画館などで見るよりよほど映画の再現性が高いのではないかと思います。音響はDTS ES 6.1chを5.1chサラウンドシステムで視聴しましたが、雨の降るシーンやハワード・ショアのスコアなどでかなり広大なサウンドフィールドを再現しています。物語中盤の追撃シーンなども拳銃の銃弾の音響などに迫力あるデザインをしています。

 

 なお、このDVDはアメリカでLDリリース時にクライテリオン盤から出たスペシャル盤を素にして、新たにDVD用にテレシネ及び音響のリマスタリングをしているものであります。現在はBlu-ray版もリリースされていますが、Blu-ray版はこだわりがあるのかどうかまでは知りませんので、解像度の問題を除けば、こちらのDVDのほうが監督のこだわりが見られるという点ではいいかもしれません。

 

2011年5月15日