STARSKY&HUTCH(輸入盤DVD)

邦題:スタスキー&ハッチ

基本データ

STARSKY&HUTCH DVDジャケット
  • レーベル:WARNER HOME VIDEO
  • 制作年度:2004年
  • 上演時間:100分
  • 監督:トッド・フィリップス
  • 出演:ベン・スティラー、オーウェン・ウィルソン、ヴィンス・ヴォーン
  • 画面:2.40:1/アナモルフィック
  • 音声:DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語
  • 字幕:英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

 正義感だけは人一倍強いものの優秀な警官だった母といつも比較されヘマばかりしているスタスキーと、お調子者で犯人逮捕のためには犯罪に手を染めることもいとわないハッチ。ベイ・シティ警察の問題児二人は上司の策略によりパートナーを組む羽目になる。最初はちぐはぐしていた二人だが海岸で発見された水死体がリース率いる麻薬密売組織の関係者と判明したことから次第に協力し合い、闇の情報屋、ハギーから情報をとりつつ、リース逮捕に向けて捜査を開始する。しかし、リースの方が一枚も二枚も上手だった...。

感想

 1970 年代に一世を風靡した TV の刑事物「刑事スタスキー&ハッチ」のリメイク映画版なのですが、アクション物と思って見ると思いっきり肩透かしを食らう作品です。この作品はコメディなのです。

 

 映画通の人だったら主役のスタスキー役をベン・スティラー、ハッチ役のオーウェン・ウィルソンという名コメディアンが主演というだけで気付いたでしょうが、そうではない人には「往年の TV ドラマのリメイク版か。」と思って観る訳です。で実はコメディなので「何だ、これ。」になってしまうという困った作品でもあります。お陰で日本では劇場未公開、いきなり DVD リリースにされてしまいました。本国アメリカではそこそこヒットしていたのですが。

 

 この作品の面白さは、刑事アクション物の定石をことごとく外しているところにあると言えます。何せアクションシーン自体がほとんどなし、あったと思ったら笑いを取りに走りますからロクなアクションは観れません。その代わりに外しまくった笑いで楽しめるわけです。何せスタスキーは主人公なのに親が偉大すぎて駄目刑事で周囲の刑事からも馬鹿にされすぐに拳銃を振り回していますし、ハッチの方は水死体の財布からしっかりお金をくすねたりしているぐらいです。全然ヒーローになっていないところで笑ってしまうわけです。

 

 全編そんな調子で話は進んで行きます。捜査中に若い女性に事情聴衆をしに行ったときにその女性がオールヌード(観客には見えませんが)になってしまい、二人が質問できなくなったり、変装をして潜入捜査をしたらあっさりばれたり、犯罪者から情報を聞き出そうとして変態なことまでしてしまうだとか、犯罪に関係している韓国人親子(でも雰囲気は中国人みたいですが、会話で韓国人になっているのでどうでもいいのでしょう)のところに捜査に行ったら子供の投げる小ナイフに逆襲されてしまい逃げまくってしまうだとか、やりたい放題に馬鹿やっています。クライマックスのカーチェイスもとんでもないオチをつけてしまい、結局事件を解決したのはスヌープ・ドッグ扮する情報屋(実は潜入捜査官)のハギーだったりと、主役が主役をしていない作品です。

 

 こんな映画ですからヴィンス・ヴォーン扮する麻薬密売者リースも全然悪党らしくなく、こちらも笑いを取りに来ています。お陰で憎めないんですよね。

 

 笑いを取りにきているシーンで見所といえば、スタスキーがリースの作り出したコカイン(味見してみても人口甘味料にしか感じられない)を摂取してしまい、ディスコで踊りまくるシーンでしょうか。ダンスバトルなどは彼の以前の主演作「ズーランダー」でも似たような事をしていましたので意外とダンスはうまいのかもしれません。(ちなみに「ズーランダー」にもオーウェン・ウィルソンは出てきます。ライバルとしてですが。)

 

 もう一つの見所といえば 70 年代の TV や映画のパターンを背景としてはきちんと踏襲しているところにあるかと思います。上司が黒人の人だったりするのはこの時代の映画の特徴ですし、登場人物の服装、ヘアスタイル、小道具などかなり気を使って 70 年代の雰囲気を再現しております。パターンを徹底的に踏襲しているから、ポイントポイントでパターンを崩す笑いが効いてくるのです。

 

 しかし、70 年代の設定にしていたこの作品、スタスキーの母親は優秀な警官だった、ということになっていますが、ここだけ時代考証めちゃくちゃだったりします。その時代に女性の社会進出というのはほとんどなかったと思いますので。これもギャグなんでしょうね。

 

 映像は実はかなりきれいです。コメディですからあえて当時の色の再現まではしなかったのだと思いますが、そのお陰で妙に 70 年代と 00 年代が混ざり合う不思議な感覚を覚えてしまいます。そして音響はちゃんと広大なサウンドフィールドを構築しているので、これまた奇妙な感覚に囚われます。アクション物じゃないので派手な銃撃戦とかはほとんどないですけれど、それでも十分楽しめます。

 

2006年1月21日