THOR(輸入盤Blu-ray)

邦題:マイティ・ソー

基本データ

THOR Blu-rayジャケット
  • レーベル:PARAMOUNT HOME ENTERTAINMENT
  • 制作年度:2011年
  • 上演時間:114分
  • 監督:ケネス・ブラナー
  • 出演:クリス・ヘムズワース、ナタリー・ポートマン、トム・ヒドルストン
  • 画面:2.35:1/アナモルフィック
  • 音声:dts-HD Master Audio 7.1ch 英語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語、ポルトガル語
  • 字幕:英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語

あらすじ

 アスガルドの民は地球を守るためにかつてフロスト・ジャイアントと死闘を繰り広げ、その封じ込めに成功していた。アスガルドの王オーディンには二人の息子がおり、長男のソーが王位継承を行うことになる。しかし、フロスト・ジャイアントの生き残りがアスガルドにあるエネルギー体を盗もうとしていたことから、ソーはフロスト・ジャイアントに攻撃を仕掛け、和平を望むオーディンの怒りをかってしまい、パワーを奪われた末に地球に追放されてしまう。地球では宇宙現象を調査していたジェーンらがおり、彼女とソーは出会うことになる。そして地球でソーは色々なことを学ぶことになる。一方アスガルドではソーの弟ロキがオーディンに代わり支配を始め、アスガルドは危機に陥る。実はロキはフロスト・ジャイアントの民の生き残りだったのである。かくして力を奪われたソーを抹殺しようとロキは暗殺者を送り込み、ソーはピンチをむかえる。

感想

 アメコミの出版社であるマーベル・コミックの一つである「THOR」を実写映画化したのがこの「マイティ・ソー」です。アメコミヒーロー物としては珍しく神話の世界をベースに作品が作られていますが、マーベル・コミックの世界観を共有していて、2012年の「アベンジャーズ」にも出演しています。2011年のサマーシーズンに公開され、大ヒットを記録している映画です。

 

 アメコミヒーロー物というと、大抵は超能力や特殊なパワーを使って悪と戦うというような話が多いかと思いますが、今回の「マイティ・ソー」は神々のような世界をベースにしているためもあって、元々スーパーパワーを持っているという設定がちょっと他の作品と違うところだと思います。他の作品ですと、特殊な力をどう獲得していくかという話になりますが、この「マイティ・ソー」はその逆で特殊なパワーを持っていた主人公ソーが力を奪われ、地球に追放されることで次第に人間性を養っていくというところが味が違うというところかと思います。

 

 また、物語が地球とアスガルドでの展開と二重に進んでいきますので、話がどっちに転ぶのか観ていて飽きないところがあります。地球での展開はニュー・メキシコという田舎での話になりますので、あまり話が都市で戦うスーパーヒーローという展開になっていないのは新鮮です。地球での展開は主に天体観測をしている若い女性ジェーンとの交流が主で、ソーの成長が肝になっていますから、観ていて「地球ではソーの活躍無いのかな」と思ったりもしました。実際には地球でも最後で大暴れをするのでスカッとするところはありました。

 

 最初物語が地球で始まって、その後すぐにアスガルドでの展開が続き、最初のバトルがあり、その後ようやく地球に戻るという展開なので、少々面食らっていたのは事実です。しかし、それでも展開的には面白いと思いました。地球でアスガルドと同じように力を使おうとして全然力を出せずに武器であるハンマーも地面にめり込んでいるところを取り出せないシーンなどは、いい意味で外したギャグだと思いました。

 

 物語前半のフロスト・ジャイアントとの戦闘シーンで「アスガルドに裏切り者がいる」という台詞を受け、すぐに弟のロキが怪しいなと思ってしまいましたが、本当にその通りだったのには笑ってしまいます。このロキ、見ているとまるで「新スター・トレック:ザ・ネクスト・ジェネレーション」のデータ少佐のようにまるで瞬きを一つもしないというかなり個性のあるキャラで、ソーの敵としてはなんか不十分な気もしますが、それでも最後は家族愛みたいなものまで見せて、なかなか憎めないキャラだと思います。

 

 地球シーンでソーの手助けをするジェーンもナタリー・ポートマンがいい演技をしていて、魅力的です。彼女は天文の研究をしていて、ソーが地球に来ることを発見した人物ですが、ソーが地球に来た後、SHIELDに研究成果を全て没収され、結構苦労している雰囲気を漂わせています。それでもソーと行動を共にし、彼女自身も他の世界から来たソーに好意を寄せるさまはヒロインの資格として十分かなと思います。

 

 ラストはマーベル・コミックシリーズでお馴染みのキャラ・フューリーが登場し、世界観を共有しているので、ファンとしては最後まで見逃せないところがあります。実際2012年5月に公開された「アベンジャーズ」では、これらのキャラが共闘し、世界中で大ヒットを記録しているところを見ると、観ていて楽しみになってきます。

 

 映像は大変美しく、また解像度もかなり高い素晴らしい映像を提供しています。アスガルドのシーンは虹色の色調をしているのですが、それらが混ざり合うことなく、綺麗に再現していますし、地球シーンでも時折グレインノイズが散見されるものの、基本的にはノイズレスのレンダリングをしています。音響はdts-HD MA 7.1chを5.1chにダウンミックスして視聴しましたが、かなりの臨場感を持って音場を形成しています。実際はどうもサラウンドバックにも音を振っているシーンも多く、自分の頭の背後や中心上で音が鳴っているなんてことがよくあります。ワイドレンジでダイナミックレンジも広いと感じるサウンドであります。

 

 余談ですが、日本の俳優・浅野忠信がこの映画にソーの仲間の一人として出演し、ソーと共闘するのは日本の映画ファンとしてはちょっと面白いかなと思います。何故彼になったのかは知りませんが、最近浅野忠信の活躍は著しいなと思います。

 

2012年6月3日