UNBROKEN(輸入盤Blu-ray)

邦題:不屈の男 アンブロークン

基本データ

UNBROKEN Blu-rayジャケット
  • レーベル:UNIVERSAL STUDIOS HOME ENTERTAINMENT
  • 制作年度:2014年
  • 上演時間:138分
  • 監督:アンジェリーナ・ジョリー
  • 出演:ジャック・オコンネル、ドーナル・グリーソン、MIYAVI
  • 画面:2.40:1/アナモルフィック
  • 音声:DOLBY ATMOS 英語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語、フランス語
  • 字幕:英語、スペイン語、フランス語

あらすじ

 イタリアからアメリカに移民をしたルイ・ザンペリーニは、子供の頃から負けん気の強い人だった。その才能を買った兄弟のピートに言われて、ルイは陸上競技を始めるようになる。成長したルイは、オリンピックの出場権を得るまでになるが、出場予定だった東京オリンピックは、太平洋戦争の開始によって中止となり、ルイも太平洋戦争に参戦する。ルイやフィルの所属する部隊に仲間の救出をするミッションが与えられ、爆撃機で太平洋に出撃をするが、エンジントラブルにより爆撃機は太平洋に墜落し、ルイとフイルなどわずかなメンバーのみが生き残る。その後、海上で45日間の漂流生活を乗り切った上で、ルイたちは日本の艦艇に救助されるが、ルイとフィルは別れてしまい、ルイは東京の大森にある捕虜収容所に閉じ込められる。そこで日本人将校である渡辺に目をつけられ、ことあるごとに彼の酷い仕打ちを受けるが、ルイはそれらを乗り越えて、不屈の精神で収容所生活を過ごしていく。

感想

 女優として確固たる地位を気づいているアンジェリーナ・ジョリーが、実話に基づく物語を映画化したのがこの「不屈の男 アンブロークン」です。アメリカ公開時に、「日本の兵士の描き方がおかしい」と日本の右翼を中心に反発が起こり、話題になったことでも有名な作品であります。ただ、そのアメリカではかなりチケットの売り上げも良く、制作費を回収して、大ヒットの目安である1億ドルを軽く超えている作品でもあります。

 

 日本の右翼がこの映画に対して反発をしていた、というニュースは、僕も当然知っていますが、そういうことに一旦脇に置いておいて、この映画を純粋に太平洋戦争で日本軍に捕虜になったものの、生き延びたオリンピックの選手であるルイの生き様を中心に観賞してみました。個人的感想ですが、この映画で描かれた「日本兵の描き方」は、他の戦争映画と比較しても、そんなにおかしいものだとは思いません。日本兵のアメリカ兵に対する仕打ちは、他の映画でも大なり小なり、この映画と同じもので、また、日本人の気質からしても、おそらく妥当なものであっただろうと思います。

 

 映画の面白みとしては、オリンピックの陸上競技選手であったルイが、戦争中に遭難し、45日間も海で漂流して、それを生き延び、さらに過酷な日本の捕虜収容所での生活をギリギリの線で生き延びていくことにあると思います。ルイは、他の捕虜ともそんなに交わりがないですし、日本人の収容所の所長である渡辺から目をつけられています。渡辺からしてみると、彼の気の強さは、気になるところであるのだと思います。それから渡辺にとっては脅威に思うため、ことあるごとにルイに対して酷い仕打ちを行うのだと思います。

 

 ただ、物語は意外と地味な展開になっていることも忘れるわけにはいかないです。物語冒頭でルイたちアメリカ兵が爆撃機で日本の基地を攻撃する際の戦闘シーンが、かなりの迫力で描かれていたのに比べると、物語中盤の海上でのサバイバルは、結構単調で、物語のテンポが悪くなっている気がします。その後のルイの捕虜収容所での生活になると、またテンポは改善されますが、こちらも大きなドラマがあるわけでもなく、あくまでルイから見た視点での展開という感触が強く、大局的な描き方はされていなところが、物語を少し判りづらくさせている要因かと思います。

 

 物語が分かりづらいのは、クレジットがほとんど出ず、ルイが生きているのが一体西暦何年なのか、オリンピックに出場したのはどのオリンピックか、というキャプションがほとんどないところにもあると思います。唯一海上でのサバイバルシーンだけ、何日目、というクレジットが出ますので、長期間、ルイたちが海を漂っていることがわかりますが、その他は時系列が不明瞭なので、その点は改善が欲しいと思います。

 

 画質は、カメラで撮影したかのような解像度の高さが、魅力的な映像を提供しています。主人公であるルイを中心に焦点が合い、他をぼかす、という手法を多く取って入るため、自然とルイに視線が集まる、という演出をしているように思えます。ノイズもないので、クリアすぎる気もしますが、赤みがかったフィルム調の画質は、見とれるところであります。音響はDOLBY ATMOSです。設備の関係上Dolby TrueHD 5.1chで鑑賞しましたが、物語前半の戦闘シーンの音響は驚異的とも思えるサウンドデザインをしています。自分の周囲に高射砲の爆撃が取り囲み、戦場の中にいるかのような感覚にさせてくれます。その分、中盤から後半のドラマ部分は控えめの感じがします。

 

2016年9月18日