SALT(Blu-ray)/ソルト/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

SALT(Blu-ray)

salt Blu-rayジャケット 邦題 ソルト
レーベル SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2010年
上演時間 104分(Unrated Director’s Cut)
監督 フィリップ・ノイス
出演 アンジェリーナ・ジョリー、リーヴ・シュレイダー
キウェテル・イジョフォー
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語、フランス語
DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語 / DOLBY DIGTAL 2.0ch 英語
字幕 英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

 イヴリン・ソルトは、CIAの職員として、アメリカのために働いていた。しかし、ある日ロシアのオレグという男を確保し、彼の話を聞いているうちに、自分にロシアのスパイとしての嫌疑がかけられてしまうことになる。他のCIA職員の疑念をよそに、イヴリンは逃走し、オレグの情報を元に、ロシアのスパイとして活動を開始してしまう。まず、手始めにアメリカ副大統領の葬儀に参加していたロシアの大統領を暗殺し、次にロシアの仲間と合流する。彼らは、次にアメリカ大統領の命を狙っていて、アメリカとロシアの全面戦争を目論んでいた。ロシアの暗殺者集団は、アメリカ、ソ連の冷戦時代から鍛え上げられていて、その手腕は確かだった。しかし、ロシアの暗殺者集団と合流したイヴリンは、意外な行動に出る。

レビュー

 人気女優であるアンジェリーナ・ジョリーが出演したアクション・サスペンス映画が、この「ソルト」です。2010年の夏に公開され、興行収入1億ドルを突破し、一応のヒットを記録している映画であります。制作費を北米興行収入だけでクリアしていますので、成功した部類の映画だと思います。

 ただ、ヒットはした映画ではありますが、その出来というか、テンポ感は少し悪いのかな、という気はします。最初、過去の北朝鮮に捕まっているイヴリンと、その解放が描かれますが、この辺りで、まずなんか期待した印象と違う、という感触を持ちました。

 で、時は流れ、現代のワシントンでCIAの職員を務めているイヴリンが、ロシアのオレグという男と接触し、彼から情報を聞き出そうとしたことから、話はなんか複雑な方向に行きます。その辺が、ラストにならないと今ひとつはっきりしないので、なんかモヤモヤした気分のまま、映画を鑑賞することになります。

 イヴリンがロシアのスパイである、とオレグに言われ、他のCIA職員がそれを確認したことから、イヴリンは自身の身を守るため逃走をしますが、ここから、真実を探すのかと思いきや、オレグの情報をもとにロシアの大統領を暗殺してしまうのは、意外というか、物語の迷走感を感じてしまいます。

 で、オレグたちと合流したイヴリンは、最後の作戦を実行するために動き始めるのですが、その途中の過程も、なんか???という感じがして、納得いかないまま話は進んでいきます。そして、アメリカ大統領を暗殺するために、イヴリンは動きますが、実はイヴリンをフォローしていたテッドというCIA職員が実は…、という展開は、意外で、最後はなんでこうなるのか、という展開になっています。

 要は、2重スパイだったイヴリンが、自身の過去を知り、真実を知る、という展開が、もっとややこしく描かれているので、なんか爽快感が乏しいアクション・サスペンス映画になっている、というのが実感です。

 イヴリンがトレーニングを受けていたロシアの暗殺部隊訓練所は、ソビエト連邦時代にも存在し、ケネディ大統領を暗殺した(と言われている)オズワルドもそのメンバーだった、という設定は、結構面白いと思いますが、現在にもその思想が残っている、というのが、なんか無理があるな、と思います。

 このBlu-rayは3バージョン収録されていて、劇場公開版と、レーティングなしの監督監修版、レーティングなしの長尺版が収録されています。上映時間が一番長いのは、監督監修版ですので、今回はそれで鑑賞しています。とはいえ、ほんの数分の違いですので、物語の出来にそう影響はないと思われます。

 映像は鮮明で、舞台となっているニューヨークの冬の寒さが見事に表現されている、冷たい映像美を放っています。ノイズはなく、色乗りも鮮明で、映像の美しさにハッとさせられるところがあります。音響はdts-HD MA 5.1chですが、サラウンド感はかなりあります。意図的にサラウンドに音を振っているので、音に包み込まれる感覚が強いです。ただ、オーケストラの音は、少し効果音と比較してレベルが低い感じはします。

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