ANNIHILATION(Blu-ray)/アナイアレイション-全滅領域/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

ANNIHILATION(Blu-ray)

ANNIHILATION Blu-rayジャケット 邦題 アナイアレイション-全滅領域
レーベル PARAMOUNT HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2018年
上演時間 115分
監督 アレックス・ガーランド
出演 ナタリー・ポートマン、ジェニファー・ジェイソン・リー、ジーナ・ロドリゲス
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 DOLBY ATMOS 英語
DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語
字幕 英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

 学者のリィナは、大学で細胞の研究をしながら、軍人の夫であるケインの帰りを待っていた。ケインはある地域に発生した奇妙な領域の調査に出かけたまま、行方不明になっていたのである。ケインはリィナの元に帰ってくるが、突如血を吐き、救急車で運ばれる。その救急車をある研究組織が妨害する。その組織は、未知の領域の研究をしていて、調査に出かけたもの全てがその領域から帰ってこないことを突き止めていた。ベントレス博士を中心に新たに女性科学者が召集され、リィナもその中の一人として、未知の領域内に侵入し、調査を開始する。しかし、そこは全ての生命体が一つのDNAでできている場所で、科学者にも危機が訪れていた。

レビュー

 「エクス・マキナ」のアレックス・ガーランドが監督をして、ジェフ・ヴァンダミアの「全滅領域」という小説を映像化した映画がこの「アナイアレイション-全滅領域」です。映画としての出来はそんなに悪くはないのですが、全米での興行収入的には失敗をし、日本では劇場公開されることなく、いきなりNetflixでストリーミング配信をされてしまった映画であります。

 映画は空から飛来した未知の生命体とそれによる未知の領域を調査する5人科学者の運命を描いたものになっています。この映画の特徴は、その科学者がすべて女性であるという点で、昨今問題になっている女性差別に対して一定の評価を与えるようなものになっています。女性ばかりではありますが、それぞれがキャラとして立っているので、不思議な感じのする映画になっています。

 その中で主人公のリィナは、夫であるケインが未知の領域から一人だけ帰ってきたことに対して、心を痛めている状態にあります。リィナ自身も夫であるケインに対して愛情を抱きながらも、彼を裏切って一夜の過ちを行ってしまうなど、彼女の心の揺れが物語の中心になっています。リィナ自身が他の科学者とは違い、そういう背景を背負っているので、物語の中心になっている感はあります。

 未知の領域は一つのDNAから植物やクリーチャーなどが作られていて、リィナなどはそのクリーチャーなどの危機から身を守ることに必死になりますが、他の科学者は次第に追い詰められていきます。その中でリーダー格のベントレスは、領域の中心である灯台に行くことを強固に主張しますが、他のメンバーは次第に領域からの脱出を主張し、メンバーの結束がバラバラになるところが物語上重要になります。

 映画ではこの未知の領域とそれを作った生命体が一体何の目的か、あまりはっきり描かれませんが、灯台に到着したリィナが目にする現実に対して、ラストで一定の決着をつけているところから、映画としての余韻がそれなりに面白いものになっています。物語は一人帰還したリィナと、それを尋問する軍・科学者たちのパートと、リィナたちが未知の領域を探索するパートに分かれており、交互に描かれることで、テンポをリズミカルにしていると言えます。

 映像は、高精細感があり、また、色彩は未知の領域の彩度がかなり高いので、映像の美しさに見とれる場面が多々あります。未知の領域のシーンでは、しばしば虹色の光が差し込んでいて、アクセントを示しています。音響はDOLBY ATMOSサウンドトラックで、まさに包み込まれるようなサラウンド空間を形成しています。また、音圧ボリュームが高いので、後半に行くほど未知の領域の唸りが激しく、音響効果が抜群になっています。

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