BATMAN:THE KILLING JOKE(Blu-ray)/バットマン:キリングジョーク/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

BATMAN:THE KILLING JOKE(Blu-ray)

BATMAN:THE KILLING JOKE Blu-rayジャケット 邦題 バットマン:キリングジョーク
レーベル WARNER HOME VIDEO
制作年度 2016年
上演時間 77分
監督 サム・リウ
出演 ケヴィン・コンロイ、マーク・ハミル、タラ・ストロング
画面 1.78:1/アナモルフィック
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語
字幕 日本語、英語

あらすじ

バットガールとバットマンは、強盗を犯した男、パリスを追いかけていた。パリスという男はバットガールに執着しつつも、彼の叔父であり、街の犯罪の元締めである男を抹殺し、彼の財産を手に入れることに成功していた。バットガールもパリスが心に残り、正義の執行に陰りを残すようになる。パリスは、バットマンとバットガールの協力のもと、なんとか逮捕できたが、その事件から気になっていたジョーカーを訪ねにアーカム精神病院に行ったバットマンは、ジョーカーが脱走したことを知る。ジョーカーはバットガールこと警視総監ゴードンの娘、バーバラを銃で撃ち、半身不随にさせ、ゴードンを拉致して精神を崩壊させようとする。バットマンはジョーカーの行方を追い、彼がいる古ぼけた遊園地でジョーカーと対峙する。

レビュー

アメコミの出版社として有名なDCコミックスが、自身の漫画を題材にオリジナルのアニメーション映画としてリリースしているのが、この「バットマン:キリングジョーク」です。アメリカでは限定で劇場公開されていますが、子供には見せるのにはきつい残酷描写や、セクシャリティ描写が多々見受けられます。

物語は前半と後半で全くストーリーが違っていて、少々違和感を感じます。前半はバットガールと、精神異常者であるパリスとの対決を主軸にしていて、後半は、それをなぞらえるようにバットマンとジョーカーの対峙を主軸にしています。とはいうものの、前半と後半で物語が関係あるかというと、あまりなく、ストーリーが分裂している感触を受けます。

とはいうものの、ジョーカーが出てくると、物語はその異常性について、詳細に語っていくことになります。ジョーカーの異常性が、過去、どのように作られていったのかが明らかにされ、その展開にティム・バートン監督作の「バットマン」の影響を感じるところであります。ジョーカーがゴードン警視総監を拉致し、彼の精神を破壊しようと目論む姿は、なかなかおぞましいところがあります。

バットマンもジョーカーとの親和性について感じるところがあり、最終的にはジョーカーを救済しようとするところは、これまでのバットマンシリーズと違った魅力を感じるところはあります。ただ、エンディングは唐突感があり、なんかスッキリした終わり方をしていないので、もやもやしたものが残るようになっています。

バットガールが前半の主役ではありますが、中盤以降ある事情から出てこなくなり、最後だけまた、登場するのは、なんかストーリー的に構図が壊れているところがあります。特に最初のナレーションがバットガールから始まっているので、フォーカスがバットガールなのか、バットマンなのかわかりづらい面があります。

映像はクリアなアニメで、解像度も十分にあります。劇場限定公開ですが、ビデオ販促のための上映なのか、アスペクト比はワイドテレビに準拠した1.78:1になっています。音響はdts-HD MA 5.1chですが、妙な静けさと臨場感のあるサウンドが聞くことができ、アニメ映画としてはまずまずの出来であると言えるでしょう。

なお、この輸入盤Blu-rayは全世界対応ディスクであり、日本のプレイヤーで再生すると、日本語字幕が選択できるようになります。日本では劇場未公開ですので、Blu-rayのビデオスルーの形で販売されています。

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