CONTAGION(Blu-ray)/コンテイジョン/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

CONTAGION(Blu-ray)

CONTAGION Blu-rayジャケット 邦題 コンテイジョン
レーベル WARNER HOME VIDEO
制作年度 2011年
上演時間 106分
監督 スティーヴン・ソダーバーグ
出演 マリオン・コティヤール、マット・デイモン、ローレンス・フィッシュバーン
画面 1.85:1/アナモルフィック
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語
字幕 英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

 香港・マカオを旅行していたエリザベスは、香港で発生した新型ウイルスに感染した状態でアメリカに帰国してしまう。アメリカで発病したエリザベスは病院に搬送されるが、新型ウイルスにより死亡してしまう。それとほぼ同じ時を経過して、新型ウイルスは世界で感染拡大を始める。WHOもその事実を認め、緊急対策を検討する。アメリカのCDCも新型ウイルスの研究を始め、新型ウイルスの感染源とその治療法をめぐって活動を続けるが、アメリカ国内だけでも感染者は増え続け、なすすべくもなく事態は深刻化していく。エリザベスの夫であるミッチは、娘とともに感染を防ぐために注意を払い、生き延びる策を検討するが、次第に近所が荒廃していく。CDCの研究者も感染し、死亡していく中、人類は危機的状況を迎える。

レビュー

 アカデミー賞の常連であるスティーヴン・ソダーバーグが監督を務め、香港で発生した新型ウイルスに感染し、世界中に拡大していく様と、それを阻止しようと研究を続けるCDCやWHOの活動を描いたリアルなパニック映画が、この「コンテイジョン」です。そのリアルさから批評家、観客から一定の評価を受け、興行収入的にも成功の部類に入る成績を残しています。

 物語はパニック映画ですがリアルに描いていて、真実味があります。香港で発生した新型ウイルスが世界に拡大していく様と、それを無効化しようとするCDCやWHOの活躍を淡々と描いている様が、なかなか怖い世界であると言えます。豪華キャストが出演しているのですが、そのキャストが容赦なく病気にかかり、死亡していく様は意外性をもって描かれ、より真実味があると言えます。

 物語はCDCのエリスと一般市民で妻であるエリザベスが死んでしまった後の喪失感を持った男であるミッチ、そしてフリージャーナリストであるアランの立ち位置を描くことで、物語を進行させていくことになります。エリスはCDCの使命として新型ウイルスを無効化するワクチンの生成にあたるのですが、それがなかなか成功せず、死者が拡大していく中での苦悩が描かれます。そして、妻が死んだ後のミッチは娘と自分がウイルスに感染しないよう、注意深く生き延びていく様を描いており、新型ウイルスの恐怖感を描き出していると言えます。

 そして、フリージャーナリストであるアランは、独自の調査でCDCの活動に批判的意見を持って情報発信をしていくのですが、それがマスメディアの怖さを表現していると思います。物語自体は淡々と進んでいくため、派手な展開にはなっていないのですが、エリス、ミッチ、アランの行動がそれぞれの立場で新型ウイルスに対して活動をするということで、ストーリーを描いていると言えます。

物語は所々で「DAY 2」など新型ウイルス感染からの日数が描かれていますが、これが収束するのが数ヶ月かかることや、「DAY 1」がラストで描かれ、それが新型ウイルスの感染源であることを描き出すなど、ラストの恐怖の余韻がなかなか優れていると思います。これが香港という土地のウイルスに対する知識のなさを描き出しており、中国圏でのリスク管理のなさを描写しているところなど、現実の世界と同期しているところがあり、今の危機感を表現していると思います。

 映像は1.85:1のビスタサイズでの収録で、解像度は魅力的な映像を描き出しており、色彩も豊富でリアリティを醸し出しております。途中でマカオのカジノの監視カメラの映像を差し込んでリアリティ感を出していますが、その映像も解像度を下げたり色乗りが若干落ちるなど、効果的な映像を表現しています。音響はdts-HD MA 5.1chサラウンドですが、空間的サラウンドが効果を発揮して、恐怖感を煽るようなサラウンドになっています。dts Neural:Xで再生すると、イマーシヴなサラウンドが堪能でき、効果を発揮しています。

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