DUNKIRK(Blu-ray)/ダンケルク/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

DUNKIRK(Blu-ray)

DUNKIRK Blu-rayジャケット 邦題 ダンケルク
レーベル WARNER BROS. HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2017年
上演時間 106分
監督 クリストファー・ノーラン
出演 フィオン・ホワイトヘッド、トム・グリン=カーニー、ジャック・ロウデン
画面 2.40:1/1.78:1(IMAXシーケンス)
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語
DOLBY DIGITAL 5.1ch フランス語、スペイン語、ポルトガル語
字幕 英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、ドイツ語

あらすじ

 第二次世界大戦でイギリス・フランス連合国はドイツ軍に押され、フランスのダンケルクまで撤退を迫られていた。ダンケルクに残された連合国軍の人数は40万人。イギリス軍は、ダンケルクに取り残された兵士たちを救出するために、航空機を派遣し、民間の船を動員してまで、作戦を遂行していた。ダンケルクに取り残された兵士の1週間、兵士を救助に向かう民間船の1日、空から援護する航空機の1時間が複雑に入り混じって、ダンケルク救出作戦が敢行される。

レビュー

 デジタル全盛期の2017年に、フィルムにこだわってIMAXシーンを多数含む70mmフィルムで撮影された、戦争映画の傑作とも言えるクリストファー・ノーラン監督作が、この「ダンケルク」です。全世界でのIMAX上映をはじめ、70mmフィルムで上映されたことでも知られるこの「ダンケルク」は、興行収入的にも成功を収め、観客の評価も高い作品になっています。

 まずこの映画の特徴は何かと言われれば、IMAXで収録されたシーンが相当数ある、ということになるかと思います。過去、「ダークナイト」シリーズや「インターステラー」等でIMAXを使用したシーンを収録し、映画ファンにその圧倒的映像感を見せつけたクリストファー・ノーランですが、この「ダンケルク」に至ってはほとんどのシーンがIMAXという徹底ぶりで、70mmフィルムを横に送ることで70mmの三倍の面積を誇るIMAXの映像没入感が、この映画を印象付けていると言えます。

 そのIMAXシーンが多数あることで、映画の独特の間というものが生まれています。戦争映画ですが、その悲惨さを描くものではなく、淡々とドキュメンタリー的に描かれているのが、特徴かと言えます。それは、ストーリーにも影響していて、ダンケルクで救助を待つ兵士たちの1週間、ダンケルクに救出に行く民間船の1日、それを援護する航空機の1時間、という複雑な時系列を、混乱することなく、感情を極力排した描き方で表しています。

 また、映像がランドスケープ的な描き方になっているのも特徴で、それが映画の冷たさのようなものを生み出している結果になっていると思います。焦点距離の関係で、IMAXシーンはどうしてもランドスケープ的撮影シーンが多くなってしまい、それがこの映画の魅力の一つになっているかと思います。ストーリーも無名の若者を配役したことで、あまり色付けされていない芝居がされていて、それもこの映画を印象付ける一つになっています。

 映像はIMAXシーンはフィルムの1.44:1の画角から、1.78:1のワイドテレビサイズに変更になっています。本来のフィルムからは上下がカットされた状態ではありますが、IMAXデジタルシアターの1.90:1に比べると、若干上下が広い画面になっています。色合いは、フィルムの赤っぽい白が基調の映像になっていて、なかなか魅力的に描かれています。解像度も申し分ないものになっています。音響はdts-HD MA 5.1chサラウンドですが、終始音が周囲を取り囲むようなサウンドデザインになっていて、サラウンドとしての魅力に溢れたものになっています。重低音も出番とばかりにフルで唸り、効果的であります。

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