SUPERMAN THE MOVIE Expanded Edition/スーパーマン/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

SUPERMAN THE MOVIE Expanded Edition

SUPERMAN THE MOVIE DVDジャケット 邦題 スーパーマン
レーベル WARNER HOME VIDEO
制作年度 1978/2000年
上演時間 151分
監督 リチャード・ドナー
出演 マーロン・ブランド、ジーン・ハックマン、クリストファー・リーヴ
画面 2.35:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語
字幕 英語、フランス語、スペイン語

あらすじ

  遠い銀河の果てのクリプトン星では太陽のフレアの影響により、惑星が滅亡の危機を迎えていた。評議会の一人ジョー・エルはその危機を訴えるが他の評議員は聞き入れない。一人ジョーは赤ん坊のカル・エルを地球に向けて送り出す。そして地球にたどり着いたカル・エルは子供のいないケント夫妻に引き取られ、クラーク・ケントとして成長する。大人になったクラークは、自分の使命を父の記録装置から知り、メトロポリスのデイリー・プラネットという新聞社に勤め始め、その傍ら市民の危機に対してスーパーマンとして対処するようになる。しかし犯罪王レックス・ルーサーがスーパーマンの活躍を知り、自分の犯罪を達成しようと彼を危機に陥れる。

レビュー

 現在結構アメコミのヒーローが映画化されていますが、その先駆けとなったといってもいいのではないかと思わせるのがこの「スーパーマン」です。世界的に有名なアメコミのヒーロー物を1978年という特殊効果の限定された中で作り出しているのには感心するものがあります。

 この作品は、スーパーマンの誕生秘話から描いています。ですので物語冒頭から1時間以上、スーパーマンが活躍するシーンがないという珍しい展開になっています。しかしながら、その前半1時間以上を使って、スーパーマンの故郷であるクリプトン星の崩壊とスーパーマンの地球に向けての脱出、地球に着いてからのケント夫妻との交流、自分の使命を悟って北に旅をする過程、そして再び平凡なクラーク・ケントに戻って社会生活に溶け込む姿が丹念に描かれ、初めてスーパーマンを見る人にも親切に状況説明をしています。

 それだけ使ってからのスーパーマンの登場ですから、そのカタルシスたるや、かなりのインパクトがあります。後にスーパーマンに恋をする新聞記者ロイス・レーンをヘリの事故から救うシーンは、見所の一つであろうと思います。余談ですが、かつてスーパーマンがコミックや昔のTVシリーズでコスチュームに着替えるシーンは電話ボックスの中だったのですが、1978年当時の公衆電話はボックス形式ではないので変身できないというちょっとしたギャグも含まれています。

 そしてスーパーマンの最大の敵となるレックス・ルーサー。彼は軍の核兵器を操り、カリフォルニアの地殻変動を起こしてまで自分の儲けをだそうとする大悪党です。そのルーサーが立場を危うくしそうな相手としてスーパーマンを認め、スーパーマンを抹殺しようとする姿はジーン・ハックマンの飄々とした演技と相まって、魅力的に映ります。彼の手下であるオーティスとともにコミカルな演技で親しみやすい悪党を嬉々として演じています。

 もう一つの見所は、スーパーマンとロイス・レーンの恋愛模様だと思います。ロイスは自分を救ってくれたスーパーマンに恋をし、スーパーマンも彼女に恋をするわけですが、一方でスーパーマンはクラーク・ケントとしての立場もあり、クラークもロイスに恋をするという二重の恋愛模様を描いています。クラークはただスーパーマンにメガネをかけただけですから、よく見れば気付きそうなものですが、気が付かないというのがお約束みたいなもので、この2人の恋の駆け引きみたいなものが、作品を面白くさせている一つだと思います。

 物語クライマックスはルーサーの仕掛けた核ミサイルによるカリフォルニアの地殻変動と、それに伴う大きな市民への犠牲をスーパーマンがどう回避するかという展開でハラハラさせられるわけですが、最後の人間の歴史に干渉してしまう展開はちょっと反則だろうと思います。しかしながらロイスに対するスーパーマンの想いが込められた行為として、意外と許せてしまう展開だと思います。

 今回鑑賞したのは、2000年に監督であるリチャード・ドナー自らが監修した拡張バージョンです。劇場公開版に比べると説明が増えているような気がします。そのせいで物語の展開が若干スローになり、その分分り易いものに変わっていると思います。上映時間も劇場公開版に比べ、約8分増えています。

 画質は前半があまりよくなく、後半に行くに従って明瞭になっていくというフィルムの管理状態を現したかのような映像になっています。前半は画面がざらつき、黒浮きめいた感じもありますが、後半にいくに連れてその辺が解消されていくといった印象です。ただ、合成シーンはどうしてもフィルムの劣化が見られるせいか、粒子が荒れます。音響は元々DOLBY STEREO 4.0chの素材を5.1chにリマスターされた音響です。ワイドレンジではないのですが、サラウンドをかなり意図的に振っているので、効果的には不満が少ないというところがあります。レンジの狭さも後半にいくに連れて慣れてくるせいか、不満を感じなくなっていきます。

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