THE SHAPE OF WATER(Blu-ray)/シェイプ・オブ・ウォーター/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

THE SHAPE OF WATER(Blu-ray)

THE SHAPE OF WATER Blu-rayジャケット 邦題 シェイプ・オブ・ウォーター
レーベル 20th CENTURY FOX HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2017年
上演時間 123分
監督 ギレルモ・デル・トロ
出演 サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス
画面 1.85:1/アナモルフィック
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語
DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語、フランス語
字幕 英語、スペイン語、フランス語

あらすじ

 1962年のアメリカ。会話のできないイライザは、政府の研究所で清掃係として働いていた。イライザは孤独で、わずかに同じ清掃者である黒人女性のゼルダと、彼女の面倒を見るジャイルズが彼女と関係を保っていた。ある日、研究所のチーフであるストリックランドが指を失う事故が起きて、その清掃にイライザとゼルダが駆り出される。その過程で、イライザは研究所で研究している不思議な半魚人の存在を知る。半魚人は研究のために痛めつけられて、怪我を負っていた。イライザはその半魚人と次第に意思を交わし始めることになり、その半魚人を助け出す決意をする。ゼルダやジャイルズの助けを経て、イライザは自宅に半魚人を匿うことに成功する。しかし、その半魚人の存在を快く思わないソビエトの諜報員と、その諜報員に繋がっているホフステトラー博士は、半魚人を抹殺しようとする。また、半魚人が消えてしまったことに対し、軍から圧力のかかったストリックランドは、半魚人の行方を必死に追いかけることになる。イライザは半魚人を海に逃がそうとするが、ストリックランドがそれを阻止すべく追いかけてくる。

レビュー

 2017年のアカデミー賞で、作品賞、監督賞、美術賞、作曲賞の4冠を受賞したギレルモ・デル・トロ監督の不思議なラブ・ファンタジー映画がこの「シェイプ・オブ・ウォーター」です。映画の興行収入としても成功を収めていて、作品の出来もなかなか優れているものになっています。

 映画としてはラブストーリーではありますが、ファンタジー要素がかなり強い映画になっています。主人公が耳は聞こえるが話ができないという設定や、主人公と愛を交わす相手が半魚人という異形のものであるという設定は、マイノリティを主役に置いた設定であると言え、物語の特異性を表していると言えます。

 主人公の半魚人に対するピュアな愛情や、それに応える半魚人の立ち位置など、見所はたくさんありますが、イライザのヌードシーンや、結構バイオレンス色の強い映像は、観客を選ぶところがあると言えます。アメリカ公開時には18歳未満は保護者同伴が条件であるR指定を受けていて、それがこの映画の印象を強くしていると言えます。

 半魚人を研究しているストリックランドや、半魚人をソビエトに売ろうとしているホフステトラー博士の存在など、半魚人に対して敵対行為を取るキャラクターも登場しますが、ストリックランドの半魚人に対する憎しみみたいなものは、生半可なものではないといえます。そのため、クライマックスのストリックランドの行動は、物語を盛り上げる要素になっています。

 映像的には水が重要な要素になっているので、雨やバスタブ、水槽などが印象的な描かれ方をしています。イライザと半魚人の愛を交わすシーンなどは、水中での行為になっているので、単なるラブシーンというより、より強調された愛の描き方をされていると言えます。また、クライマックスのシーンは雨が強調されていて、半魚人の生命力を感じさせるものになっています。

 映像は最近の映画としては珍しく1.85:1のビスタサイズで収録されています。色乗りや解像度は十分で、なかなか魅力的な映像を提供しています。1962年の舞台設定ということもあり、多少ノスタルジックな感じを受けるところもあります。音響はdts-HD MA 5.1chですが、要所要所でサラウンドが活躍をしています。サウンドトラックは空間を漂い、効果音は周囲を取り巻く感覚を与えるものになっています。音は高域まで伸びていて、魅力的な音響を提供しています。

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