ゴースト・ドッグ(HD/Netflix)/Apple TVで観た映画のレビュー

ゴースト・ドッグ(HD/Netflix)

原題GHOST DOG:THE WAY OF THE SAMURAI
レーベルJANUS FILMS
制作年度1999年
上映時間116分
監督ジム・ジャームッシュ
出演フォレスト・ウィテカー、ジョン・トーメイ、クリフ・ゴーマン
画面1.85:1/SDR
音声DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語
字幕日本語

あらすじ

 日本の武士道に憧れ、「葉隠」を愛読書に武士道の精神で依頼を受けた暗殺を行うゴースト・ドッグ。彼はかつて暴行を受けていたときに救ってくれたマフィアのルーイを主人として、彼の依頼を受けることにしていた。そのルーイの新しい依頼が来る。それはマフィアのメンバーの一員、フランクを抹殺することだった。ゴースト・ドッグはフランクを抹殺するが、その現場を若い女性に見られてしまう。その若い女性はマフィアのボスの娘だった。そのために、マフィアはゴースト・ドッグを抹殺しようと、組織を上げて動き出す。その頃、ゴースト・ドッグは親しいアイスクリーム屋の近くで、少女と出会う。彼女に暗殺現場で若い女性が持っていた「羅生門」を取り上げたゴースト・ドッグは、少女に渡し、感想を求める。そして、ゴースト・ドッグは自身の身の危険を察知して、マフィアの壊滅に乗り出す。

レビュー

 独特の映画を制作するジム・ジャームッシュが監督を務め、フォレスト・ウィテカーを主役に配したドラマが、この「ゴースト・ドッグ」です。小品なので、興行収入はそんなに大きくはありませんが、Rotten Tomatoesによる批評家評価は83%、観客評価は86%と、結構高水準の評価を得ています。

 この映画の特徴は何かと言われると、暗殺者ゴースト・ドッグが日本の武士道に傾倒していて、日本の「葉隠」を愛読し、日本の武士道の生き方をトレースするかのような行動をしていくところではないかと思われます。物語の途中で「葉隠」の一節が画面に字幕として現れ、ゴースト・ドッグがそれをナレーションしていく様は、日本の武士道を印象付けるものになっています。

 また、この映画で描かれる日本は「葉隠」だけでなく、「羅生門」も重要な小説として登場します。「羅生門」は、ゴースト・ドッグが親分であるルーイから暗殺を依頼されたときに、暗殺の場に居合わせた若い女性から取り上げたものですが、その本をアイスクリーム屋で知り合った少女に渡して、彼女の感想を聞くところが、日本的かなと思います。

 物語は、かつて暴漢に乱暴を受けていたところを救ってくれたマフィア、ルーイを主人として彼に支える存在のゴースト・ドッグがマフィアのメンバーを殺したところ、それが仇になってマフィアがゴースト・ドッグを抹殺しようと動き出す、という展開です。でも、物語は派手なアクションかと言われると、違うと思います。あくまで日本の武士道を描いた作品になっていて、それがゴースト・ドッグの行動の基準になっています。なので、アクションシーンはかなり少ないです。

 音楽をヒップホップのRZAが担当しているせいか、結構日本の武士道と異なる奇妙に感じさせる音楽を提供しています。ゴースト・ドッグが聞く音楽もヒップホップですし、全編日本の武士道と相反する雰囲気を漂わせた音楽提供をしています。

 映像はHD/SDRでの提供になっています。オープニングのクレジットでJANUS FILMSが登場していることから、マスターはCRITERION COLLECTIONと同一のマスターを使っている可能性はあります。CRITERION COLLECTIONと違うマスターだとしても、HDの解像度とSDRの色彩は、結構鮮明で魅力に溢れています。流石に暗いシーンだとブロックノイズが散見されますが、明るいシーンだと、鮮明な映像が提供されています。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chでの提供になりますが、ヒップホップの音楽が低音が響き、空間サラウンドも素晴らしい構築をしていて、魅力に溢れる音響効果を提供しています。

コメント