『ラスト・ワルツ』4K UHD Blu-ray(輸入盤)レビュー|ロック史に刻まれた伝説の夜。THE BAND最後の舞台をスコセッシが永遠に焼き付けた【Dolby Vision / dts-HD MA】
ロック史に残る“最後の舞台”を、マーティン・スコセッシが35mmフィルムで精緻に記録した音楽映画の金字塔『ラスト・ワルツ』。THE BANDの解散コンサートを中心に、ボブ・ディラン、エリック・クラプトン、ジョニ・ミッチェルら豪華ゲストが集結し、伝説的な夜の熱気をそのまま封じ込めた。
CRITERIONによる4KスキャンとDolby Visionで蘇った本作は、「ライブ映画とは何か」を定義づける決定版とも言える仕上がり。音響はロビー・ロバートソン監修の5.1chが圧巻で、ステージの空気を鮮やかに再現する。
『ラスト・ワルツ』4K UHD Blu-ray 基本仕様
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邦題 | ラスト・ワルツ |
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| 原題 | The Last Waltz | |
| レーベル | CRITERION COLLECTION | |
| 制作年度 | 1978年(劇場公開版) | |
| 上映時間 | 117分(劇場公開版) | |
| 監督 | マーティン・スコセッシ | |
| 出演 | THE BAND、ボブ・ディラン、エリック・クラプトン、ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェル | |
| 画面 | 1.85:1 / Dolby Vision | |
| 音声 | dts-HD MA 5.1ch 英語/dts-HD MA 2.0ch 英語/PCM 2.0ch 英語 | |
| 字幕 | 英語 | |
| リージョン | UHD=リージョンフリー, Blu-ray=リージョンA | |
| パッケージ | UHD 1枚(本編) + BD 1枚(本編 + 特典) |
あらすじ(短縮版)
1976年、感謝祭の夜。THE BANDはサンフランシスコの名門ウィンターランドで“最後のコンサート”を開催する。盟友ボブ・ディランをはじめ豪華ゲストと共に行われたこの夜を、スコセッシが映画として永遠に刻み込んだ。
あらすじ(詳細)
1960〜70年代、アメリカン・ロックの最重要バンドとして活動したTHE BAND。オリジナル楽曲はもちろん、ボブ・ディランのツアーを支えたバックバンドとしても絶大な信頼を得てきた。
1976年、彼らは感謝祭の日に“解散”を決断。サンフランシスコのウィンターランドで大規模なラストコンサートが開催される。ステージにはクラプトン、ジョニ・ミッチェル、ニール・ヤングなど超一流アーティストが次々と登場し、THE BANDと共演。
スコセッシは複数の35mmカメラでステージの熱気、照明、表情を緻密にフィルムへ焼き付け、合間にメンバーの短いインタビューを挿入。音楽映画でありながらドラマ的な流れを持つ独自の構成となっている。
見どころとテーマ
- 豪華すぎるゲスト陣:ボブ・ディラン、クラプトン、ジョニ・ミッチェル、ニール・ヤングらが次々登場。
- スコセッシの映画的演出:マルチカメラ撮影と独自構図で“ライブを映画化”したパイオニア的作品。
- THE BANDの多彩なボーカル:曲ごとに入れ替わるボーカルが音楽的幅広さを証明。
- 祝祭感に満ちた“最後の夜”:湿っぽさを排した“明るい解散ライブ”。
- 日本の音楽映像にも影響:佐野元春『Film No Damage』など、日本のライブ映像文化にも影響。
4K UHD 映像レビュー【Dolby Vision】
35mmフィルムを新規4Kスキャンしたネイティヴ4K。ライブ映画としては異例の精細感で、ステージの空気や温度まで伝わる映像に仕上がっている。
- グレインは控えめで自然なフィルムルック
- 肌色と照明のニュアンス再現が優秀
- Dolby Visionによる暗部階調が非常に豊か
- クローズアップの精細感が圧倒的
派手な色彩こそないものの、ライブ照明下の“質感再現”は極めて上質。
映像スコア:88点 —— ライブ映画として最高峰のフィルム・レンダリング。
音響レビュー【dts-HD MA 5.1ch】
ロビー・ロバートソン監修のミックスは見事。楽器の分離、定位、空間の広がりが非常に良く、音楽映画として理想的な5.1chに仕上がっている。
- 楽器の分離が良く、立体感が豊か
- 観客の歓声が自然で包み込むように広がる
- インタビューは定位を遊ぶようなミックスで面白い
- ステージ上の“空気の震え”まで感じ取れる
音響スコア:90点 —— ステージの熱量をそのまま再現する極上サラウンド。
総評
“音楽映画の最高峰”と呼ばれる名作にふさわしい4K UHD化。THE BANDの最後の夜を、映画としてもライブとしても歴史としても完璧に記録した一本。
Dolby Vision と5.1chの恩恵は非常に大きく、単なる懐古映像ではなく“今こそ観るべき作品”として鮮烈に蘇った。
総合スコア:90点 —— 音楽映画の到達点。CRITERIONの仕事が光る決定版。

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