Us(4K UHD Blu-ray)/アス/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

Us(4K UHD Blu-ray)

Us 4K UHD Blu-rayジャケット

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邦題 アス
レーベル UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2019年
上映時間 116分
監督 ジョーダン・ピール
出演 ルピタ・ニョンゴ、ウィンストン・デューク、エリザベス・モス
画面 2.39:1/DOLBY VISION
音声 DOLBY ATMOS 英語/DOLBY DIGITAL PLUS 7.1ch スペイン語、フランス語
字幕 英語、スペイン語、フランス語

あらすじ

 1986年のサンタクルーズ。海岸には遊園地があり、少女だったアディは、その遊園地に両親と来ていた。両親から離れたアディは、鏡の部屋のアトラクションに入り込み、鏡に映った自分ではなく、もうひとりの自分と対面する。それから時は流れて現在、アディはゲイブという男性と結婚をして、ゾーラという娘とジェイソンという息子をもうけ、幸せに暮らしていた。彼らは夏のバケーションにサンタクルーズにやってきたのだったが、アディは過去の遊園地でのもうひとりの自分と出会ったトラウマが蘇ってきていた。ある晩、アディたちが住む家の前に赤い服を着た4人の家族が立っていた。不審に思ったアディたちは彼らを追い払おうとするのだが、その4人の家族はもうひとりのアディたちだった。影の4人のアディたちは、光の世界のアディたちを抹殺し、自分達が光の世界に躍り出ようとしていた。影のアディたちは光のアディたちに襲いかかり、光のアディたちは命からがら影のアディたちと対決することになる。そして、それは世界の崩壊の始まりに過ぎなかった。

レビュー

 監督デビュー作である「ゲット・アウト」で一躍注目の人になったジョーダン・ピールの監督第二作目にあたるのが、この「アス」です。製作費20百万ドルに対して興行収入は北米だけで175百万ドルを稼ぎ出し、大ヒットを記録しています。批評は微妙で、Rotten Tomatoesの批評家評価は93%と高水準ですが、観客評価は60%と思ったほど評価を得られていない状況です。

 「ゲット・アウト」と同じく、黒人を主人公に置いたホラー映画である「アス」は、主人公であるアディ一家に対して、影の存在であるもうひとりの自分達が登場し、影の存在のもうひとりの自分が本人たちを抹殺して、自分達が光の世界に進出しようとする恐怖を描いた展開になっています。影の存在であるもうひとりの自分は、感情が存在せず、一種のゾンビ的存在であります。アディたちがもうひとりの自分に攻撃しても、なかなか倒れない影の存在の自分は、かなり怖いです。

 もうひとりの自分は感情がないため、何を考えているかがわからず、不気味な存在として描かれています。そもそもなぜ、影の存在がいるのかすら物語前半では明らかにされませんが、中盤から影の存在であるもうひとりの自分がいる理由が明かされることで、その恐怖は世界的規模への拡大に広がっていき、スケールが大きくなっていきます。物語前半では低予算ホラー映画かなと思わせておいて、途中からその雰囲気を払拭してしまうところは、面白い展開だと思います。

 それでも、物語の中心はアディ一家であり、その他のキャラはあまり登場しないことから、フォーカスがアディ一家に当たっていることには変わりなく、物語がぶれることなく彼女たちの行く末を描き切っているかと思います。そして、物語途中で何回か描かれるアディの鏡の部屋のアトラクションで起きた出来事が、物語のラストで意外などんでん返しに繋がっており、それは怖いラストになっていて、驚かされるところは、魅力的かなと思います。

 影の存在であるもうひとりの自分達が途中から世界規模で出現し、手を繋いで世界を支配しようとする様は、かなり不気味な映像で、インパクトがあります。光の世界の人間は影の世界のもうひとりの自分達に抹殺されてしまったようであることが、シーン描写で描かれていて、また、警察にも連絡が取れないシーンを描写することで、それが世界規模に広がっていることが示唆されますが、個の展開と、世界の展開が連動しているところは、予想外であり、この映画の表現の凄さを感じるところであります。

 映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。デジタル撮影されたこの「アス」は、2Kのマスターで保管されていますので、アップスケール4Kになりますが、解像度は結構精彩感があります。また、DOLBY VISIONによるHDR効果は抜群で、夜のシーンの黒の階調性の描き分けや、光の輝き、昼のシーンでのカラフルな色彩などで魅力的な映像を提供しています。音響はDOLBY ATMOSで提供されていて、ホラー映画らしい音楽による観客への恐怖感を煽るシーンでの没入感のあるサラウンドや、環境音の広がり感、影の自分の攻撃音などでオブジェクトが移動する効果などで威力を発揮しています。

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