ソー:ラブ&サンダー(4K UHD/IMAX ENHANCED/Disney+)/Apple TVで観た映画のレビュー

ソー:ラブ&サンダー(4K UHD/IMAX ENHANCED/Disney+)

原題THOR:LOVE AND THUNDER
レーベルMARVEL STUDIOS
制作年度2022年
上映時間118分
監督タイカ・ワイティティ
出演クリス・ヘムズワース、ナタリー・ポートマン、クリスチャン・ベイル
画面2.39:1&1.90:1(IMAXシーケンス)/DOLBY VISION
音声DOLBY ATMOS 英語
字幕日本語

あらすじ

ある辺境の過酷な惑星。娘を連れたゴアは飢えに苦しんでいた。娘は灼熱の環境に耐えられずに死んでしまう。娘を失ったゴアは自分が信奉する神の元に辿り着くが、神はゴアに対して冷酷だった。そのためゴアの怒りが頂点に達し、神を殺せる剣ネクロソードを持って自分の信奉していた神を殺したばかりか、この世にいるすべての神を殺すことを誓う。その頃、ソーはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々と宇宙を股にかけて活躍していたが、新アスガルドに危機が迫っていることを知り、ストームブレイカーが作り出すビフレストを通じて新アスガルドに向かう。その新アスガルドでは、ゴアが子供たちを誘拐し、混乱に陥れていた。ソーは新アスガルドでゴアの生み出したクリーチャーたちを退治するのであるが、そのソーや新アスガルドの王ヴァルキリーを手助けしたのは、マイティ・ソーの力を壊れたムジョルニアから得たソーのかつての恋人、ジェーン・フォスターだった。ジェーンはステージ4の癌に犯されていて、その癌を克服したいと北欧神話を調べていて、ムジョルニアの力が癌を治癒すると知ったため、新アスガルドを訪れていたのだった。誘拐されたヘイムダルの息子であるアクセルと連絡を取ったソーは、ゴアの野望を打ち砕くためには神々の王ゼウスの力が必要と考え、永久の門をストームブレイカーの力を使って通過しゼウスに接触する。しかし、ゼウスはつれない態度を取ったので、ソーやジェーン、ヴァルキリー、コーグはゼウスの武器サンダーボルトを奪取し、ゴアの目論みを打ち砕こうとする。

レビュー

 マーベル・シネマティック・ユニバースのフェイズ4の作品の中で、初期アベンジャーズメンバーでシリーズ物になっているスーパーヒーローのうち、唯一生き残っているソーを主人公にしたシリーズ第4作目が、この「ソー:ラブ&サンダー」です。興行収入としては、製作費250百万ドルに対して全世界で758百万ドルを叩き出し、大ヒットを記録していますが、作品としての評価は思ったほど芳しくなく、Rotten Tomatoesの批評家評価は64%、観客評価は77%と、マーベル・シネマティック・ユニバースの作品の中でも低い評価しか得られずにいます。

 「アベンジャーズ:エンドゲーム」の後の世界でのソーの新たなる活躍は、ゴッド・ブッチャーであるゴアとの死闘を描いた作品になっていますが、監督が前作「マイティ・ソー バトルロイヤル」に引き続きタイカ・ワイティティが担当しているために、映画の展開そのものが結構ユーモラスに満ちた内容になっています。特に物語前半にそのユーモアさが顕著であると言えます。その分、クライマックスは結構緊迫感を持った展開になっていて、緩急がつけられた作品になっていると思います。

 また、この「ソー:ラブ&サンダー」の特徴は何かというと、「マイティ・ソー」、「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」に登場したソーの恋人ジェーン・フォスターが再登場することにあるかと思います。それも単にソーの恋人としてではなく、ソーの武器だったムジョルニアを自在に操るマイティ・ソーとしての登場なのですから、意外性があると思います。ムジョルニアを扱えるのは心が清らかな人であるという設定が過去作であり、今までマーベル・シネマティック・ユニバースの作品中でソー以外にムジョルニアを操れたのはキャプテン・アメリカだけだったので、ジェーンがムジョルニアを自在に操れると設定には驚きを隠しきれません。

 そのジェーン自身は実はステージ4の癌に犯されていて、その癌の治癒を探していたところ、ムジョルニアが一時的に癌を治癒すると言う展開になっているのですが、ジェーンが活躍する度に次第に衰弱していく展開には、ソーとの関係も含めて物語の根幹を成しているかと思います。

 この作品のテーマは何かというと、愛なのだろうと思います。ゴアがゴッド・ブッチャーであったのも最愛の娘を失ったのにも関わらず神が彼を助けなかったことにありますし、ソーとジェーンの関係も恋愛感情の再燃が見られ、二人の恋が燃え上がる展開には、お互いを尊重し合う関係が見られると思います。ソーと行動を共にするコーグも子供の作り方について話す場面がありますし、ヴァルキリーの独り身であるが故の悲しみも描かれているところから、愛がメインになっていると言ってもいいかと思います。

 映画は冒頭でソーがガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々と宇宙で活躍する場面が挿入されています。他のシリーズとクロスオーバーできるのがマーベル・シネマティック・ユニバースの有意な点ですが、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々が再登場するのは、やはりファンとしては嬉しいサービスであると言えます。

 もう一つのサービスといえば、意外な俳優がゲスト出演しているところにあると思います。ソーとロキの物語を演じる舞台劇の俳優役でマット・デイモンが出演していますし、神々の王ゼウスを演じているのがラッセル・クロウであるところにも妙なおかしさを感じ取ることができます。ちなみにコーグの声を演じているのは、監督であるタイカ・ワイティティです。

 映像は4K/DOLBY VISIONで収録されています。マスターデータは4Kで保管されていますので、ネイティヴ4Kでの収録になります。この作品の4K映像による精細感は素晴らしいものがあり、細かい描写が隅々まで見通せます。また、DOLBY VISIONによるHDR効果は驚くべきものがあり、高コントラストの映像にカラフルな色彩が溢れんばかりに画面に映し出され、映像の立体感に貢献しているところがあります。ストーリーの途中で映像がモノクロになるシーンもあるのですが、そのシーンのHDR効果も抜群であります。IMAX ENHANCEDで収録された本作は、ストーリーの一部シーンでIMAXのアスペクト比である1.90:1に画面領域が拡大し、映像の迫力が段違いに違います。

 音響はDOLBY ATMOSで収録されていて、イマーシヴなサラウンドが堪能できます。ジェーンがムジョルニアを操るシーンではムジョルニアが観客の周囲360度を周回する移動感が味わえますし、映像に没入できる三次元サラウンドの効果もよく出ています。

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