DEEPWATER HORIZON(Blu-ray)|バーニング・オーシャン|輸入盤DVDで観た映画のレビュー
邦題 | バーニング・オーシャン | |
レーベル | Summit Entertainment | |
制作年度 | 2016年 | |
上映時間 | 107分 | |
監督 | ピーター・バーグ | |
出演 | マーク・ウォールバーグ、カート・ラッセル、ジョン・マルコヴィッチ | |
画面 | 2.40:1/SDR | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語/DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語 | |
字幕 | 英語、スペイン語 |
あらすじ
妻と娘を家族に持つマイクは、石油採掘会社の責任者だった。娘のために今度行くディープウォーター・ホライズンで恐竜の化石を手に入れようとマイクは考える。
マイクはジミーやアンドレアとともに、ディープウォーター・ホライズンという石油採掘基地にやってくる。海上にあるディープウォーター・ホライズンでは通常の石油採掘作業をしていたが、ジミーは新たな採掘場所で石油を採掘するために、海底で負荷試験をかけることを強硬に主張する。
最初は反対していたディープウォーター・ホライズンの作業員たちも根負けして、海底の負荷試験をかけることに同意する。そして、海底に負荷試験をかけ始めたのだが、圧力が上がっているのだが、それに応対する反発力がなく、試験がうまくいかなかった。そのために、パイパスを作って圧力を下げるように取り掛かる。
圧力が下がった結果、海底の泥が採掘基地の泥の排出口から排出され始めて、成功かと思われたのだが、泥は排出口からだけでなく、リグの隙間からも吹き出してしまった。そのため作業員たちは泥まみれになり、必死の思いで泥の噴出を止める。
しかし、トラブルはそれで終わりではなかった。海底から噴き出したガスがパイプを伝わりリグに吹き出し、採掘基地全体が炎に包まれてしまったのである。そのため作業員たちは大なり小なり負傷をしてしまい、ジミーは大怪我を負う。
アンドレアは陸地にいる海難救助隊に緊急連絡を行い、ディープウォーター・ホライズンの危機を伝える。また、妻とSkypeで連絡をとっていたマイクは、事態の急変を知り、危機に陥っている作業員たちの救助に走り回る。
レビュー
2010年に実際に、アメリカのルイジアナの沖合に設置されていた石油採掘基地、ディープウォーター・ホライズンで発生した事故を映像化したのが、この「バーニング・オーシャン」です。実話の映画化ということですが、映画の内容的にはパニック・スリラー的内容になっています。興行収入は全世界でかろうじて制作費をわずかながら上回るという収支トントンな映画になっています。しかし、映画としての評価は意外に高く、Rotten Tomatoesでは批評家評価も観客評価も82%と高水準の評価になっています。
実話に基づく映画ですので、映画の最後に字幕で表示されるように、アメリカの石油採掘事業の中で最悪の事故と言われている事件をSFXを駆使して映像化していますが、物語中盤からのディープウォーター・ホライズンにおける火災事故の描写は凄まじいものがあります。映画だから派手に映像化したのかというと、映画の最後で実際のニュース映像も挿入されるのですが、実際の事故自体がひどい状況でしたので、あながち映画が派手に演出しているわけでもありません。意外と言えば意外ですが。
登場人物は色々登場しますが、家族持ちのマイクと、強硬派のジミー、電源管理のアンドレアの3人を追いかけていれば話の筋は分かりますので、主役の3人としてこの登場人物の行動に注目していれば良いことになります。マイクが家族想いであり、娘のために恐竜の爪の化石をディープウォーター・ホライズンで手に入れるところなどは、心温まる話です。
一方で、事故の原因となった負荷試験は、ジミーが強硬に実施を主張していたことでもあり、事故の原因を作った人物として、印象は良くないです。事故自体は想定外の部分もありますから、ジミーにそれが予見できたわけではありませんが、結果論としてジミーの主張を通したが故の事故であることは否めません。
映画の最後に実在のマイクやジミー、アンドレアたちの映像や写真、その後の彼らの人生を字幕で表示させていますが、石油採掘事業から離れた者たちが多いのには、うなづける話です。
映像は2K/SDRで収録されています。2016年製作の映画ということで、映画のマスター自体が2Kですので、2K収録のBlu-rayの解像度に不満はありません。色彩表現だけは4K UHD Blu-rayと違ってSDRという制約の中で表現されますが、かなりナチュラルな描写をしていて、臨場感を感じさせます。もし、これがHDRだったとすれば、燃え盛る炎とか、海底のダークな映像表現に磨きがかかるとは推測できますが、Blu-rayの映像表現ではこれが限界ですし、不満は感じさせない描写になっています。
音響はDOLBY ATMOSで収録されています。物語全体が三次元にサウンドが広がる効果的な演出を施していますが、物語中盤からクライマックスまで続くディープウォーター・ホライズンの火災事故の演出は、まさに視聴者が事故の現場にいるかのように音響表現をしていて、没入感があります。オブジェクトの移動感も明瞭ですし、サブウーハーの唸りも十分で迫力がありますので、DOLBY ATMOSのデモンストレーションディスクとして使えます。
おまけではありますが、映画が始まる前、DOLBY ATMOSのトレイラーが流れます。そのトレイラーがDOLBY ATMOS最初期のトレイラーであり、僕がこのトレイラーをDOLBY ATMOS環境で見るのは初めてでしたので、ちょっと感動しました。映画本編とは関係ない話ですが。
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