ロンドンの風に吹かれて:佐野元春がくれた旅のメロディ|旅は続く、衛兵と鐘の音、そしてあのスタジオへ-2日目、ロンドンの心臓を歩く

ロンドンの風に吹かれて:佐野元春がくれた旅のメロディ|旅は続く、衛兵と鐘の音、そしてあのスタジオへ-2日目、ロンドンの心臓を歩く

2025年4月30日

時差ボケで大幅に睡眠不足

初日にスペイン料理を夕食に食べた後、HOTEL 65に戻り、この旅行記を書いていたが、初日の飛行機がヒースロー空港に着陸した15:35は日本時間だと23:35だった。普段ならば寝ている時間である。そこからずっと起きていたのであるが、流石に20:00を過ぎると意識が朦朧としてきた。そこで、シャワーを浴びて、薬を服用し、21:30にはベットに潜り込んだ。

しかし、体内時計はまだ日本のままである。夜中の0:30に目を覚まし、その後1:30ぐらいに目が覚めると、眠れなくなった。そのままベッドの中にいたが、鼻は詰まるし、口の中は細菌で気持ち悪いしで、目が覚めた状態が続いていた。

3:00に我慢できなくなり、トイレに行ってから歯磨きをして口の中をスッキリさせ、水を一杯飲んだ。その時間で起きてしまおうかとも思ったが、口の中がスッキリすると、まだ疲れが残っている感じなのでベットの中に再度潜り込んだ。

そこから1時間ぐらいはうとうととしていたようではある。4:00ぐらいに再び目を覚まし、ベッドの中でグズグスしていたが、5:00にはもう寝るのは無理と判断して、ベッドを離れて起床した。髭を剃ってから、iPad Airでネットを閲覧していた。

ホテルの朝食は美味しい

HOTEL 65の朝食時間は日本のホテルと違ってかなり遅い。8:00-9:30までの間である。僕が泊まっている73番の建物の地下に食堂があるという。iPad Airでネットを見ていたが、お腹が空いて仕方なかったので、7:50に行ってみた。

するとスタッフの人が「後10分待て」と言ってきた。やむなく、食堂の前で少し待っていると、「中に入れ」と言われて、食堂に入ることができた。そして、スタッフの人が「一人か?」と聞くので「そうだ」と答えると、「飲み物は紅茶かコーヒーのどちらにするか?」と聞いてきたので、「紅茶がいい」と答えた。さらに、「パンはトーストでいいか?」と聞いてきたので、「それでいいです」と答えると、席を指定された。

続けて、「料理はこことそこからのみ取っていい」と料理の置いてあるところを紹介されたので、その場所にあった野菜やベーコン、ソーセージ、チーズなどをビュッフェスタイルで取っていった。

まもなく、トーストが2枚と紅茶の入ったポッドが席に置かれたので、朝食を食べ始めた。お腹が空いていたこともあり、食事は美味しかった。簡素な食事だが、イギリス本場のチーズは食べ応えがあるし、ベーコンやソーセージも味が違う。紅茶も美味しく、2杯半飲んでしまった。

トーストを2枚食べ終わったら、スタッフの人が「トースト、まだ食べるか?」と聞いてきた。トースト1枚が日本のものより小さいこともあったので、「もう1枚、もらえますか」と注文した。程なく3枚目のトーストが来たので、追加でサラミとバターをビュッフェから持ってきて、3枚目も食べてしまった。

食堂はなんか大学の学食っぽい雰囲気だった。僕が食べていると、徐々に他の宿泊客が入ってきた。どの客も色々スタッフに注文つけられているみたいである。

バッキンガム宮殿で衛兵の交代式を見る

朝食が終わって、少ししてからホテルを出た。8:50ぐらいだった。今日の観光スケジュールの最初は、バッキンガム宮殿の衛兵の交代式を見ることだった。

バッキンガム宮殿は国王が住まわれているので、警備の衛兵がいる。その交代式が毎週月曜、水曜、金曜の11:00前から始まるのである。僕がロンドンに到着したのは火曜なので、水曜である2日目か、金曜である4日目に見に行くことになるが、水曜である2日目は午後に宮殿近くのRUBENS AT THE PALACEというホテルでのアフタヌーンティーがツアーの特典として入っていた。だから、同じ日に場所が近いバッキンガム宮殿とそこの衛兵の交代式を見て、あとはバッキンガム宮殿から歩いていける観光名所を散策するのがいいだろうと計画した。

バッキンガム宮殿までは地下鉄のハマースミス駅まで歩いた後、地下鉄ピカデリー線に乗り、1本でグリーン・パーク駅まで行ってからバッキンガム宮殿に行くのがiPhoneアプリのCitymapperで提示された最短経路だったので、それに従った。

グリーン・パーク駅に着くと、観光客がすでに大勢いる。9:30の時点でこの人出は、と思い、嫌な予感がした。

グリーン・パーク駅から観光客がゾロゾロ歩くのに着いて行くと、バッキンガム宮殿に辿り着いた。9:35だったが、すでに大勢の観光客がいて、場所取りをしていた。

「地球の歩き方」では衛兵の交代式を見るのにベストなポジションというのがいくつか絵で示されていたが、1番いい場所はすでに先客がポジションを取っていて、9:35の時点でその人の後ろについてもいい絵は取れないなと思った。

グリーン・パーク駅からしたら1番奥の門のところはまだ空きがあった。「地球の歩き方」だとそこもベターなポジションだったので、そこに陣取ることにした。地下鉄のヴィクトリア駅からだと1番近いポジションになるはずである。

そこから1時間半。ただ晴天の中、衛兵の交代式が始まるのを待っていた。待っている間、佐野元春のロンドンレコーディングのアルバム「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」を聞いていたが、街の雰囲気にはあっているなとは思った。

待っている間は警察官の観光客への指導が面白くて、感心していた。僕の隣にいた白人の女の子が、柵の上に登って宮殿内を覗き込もうとした。それを見咎めた警察官は、「君には今度の銀行の休みである月曜日にここに来てもらい、塗装のはげた柵を塗る罰を与える」と真面目な顔をしていうのである。また、スーツケースを持って歩いていた観光客は、それを咎められ、どこかに連れて行かれた。スーツケースの中に危険物があったら問題だ、という見解なのだろう。そのほかにも、「リュックサックはスリが多いから、体の前で背負うように」という指導も結構していた。確かにリュックサックを背中に背負うと、スリに物を取られてもわからない。

11:00少し前に、僕が陣取った入口に向けて、衛兵隊の行進があった。それはiPhoneでビデオ撮影できたので良かったのだが、オールド・ガードの行進だったので、制服がお馴染みの赤い制服に黒い帽子ではなかった。それは少し残念だった。世間にお馴染みの赤い制服に黒い帽子を身につけたニュー・ガードの衛兵隊は、僕の前の入口は通らず、正門の方に行ったので、遠目に見るしかなかった。

さらに、正門内の交代式そのものは全く見られなかった。式中の音楽だけは聞こえてきて、「インディ・ジョーンズのテーマ」が流れているのだけは聞けた。

交代式は40分ぐらい続いた。それが終わると、観光客は徐々に解散していった。僕もバッキンガム宮殿を後にして、グリーン・パーク内の売店でコーラを買って飲んだ。快晴の中、何も飲まずに2時間以上交代式を待ち続け、見てきたから、喉がカラカラだった。

トラファルガー広場とピカデリー・サーカスを見て、佐野元春の「約束の橋」MVのロケ地を確認する

今回、ロンドン旅行を企画したのは、佐野元春が1989年に発表したアルバム「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」の足跡を辿ってみたいという欲望があったからである。

その中で、アルバムに収められていて、かつ後刻テレビドラマの主題歌として大ヒットを記録した「約束の橋」のミュージックビデオのロケ地をできるだけ実際に見てみたいと思っていた。

ミュージックビデオの中には、たぶんトラファルガー広場かピカデリー・サーカス辺りで佐野元春が歩いている映像が何回か出てくる。どちらかはミュージックビデオを見てネットで調べてもわからなかったが、1989年当時は今は亡き電機メーカーのSANYOが広告を出していて、そのビルボードが決め手かなと思っていた。

それで、まずはトラファルガー広場に行ってみた。バッキンガム宮殿から歩いて15分ぐらいである。Citymapperによるナビゲーションを頼りに、歩いていった。

トラファルガー広場にたどり着いたが、「ここではない」と一見して分かった。学問的すぎる観光名所で、ナショナル・ギャラリーもそばにあり、街中という感じではないのである。もちろん観光名所なので写真と動画は撮った。

ただ、「約束の橋」に出てきた場所ではなかったので、あっさりと次にピカデリー・サーカスに向かった。トラファルガー広場から歩いて5分である。途中、いくつものレストランやカフェが並んでいた。それで、「ピカデリー・サーカスを見たら、この辺で昼食を取ろう」と考えていた。

ピカデリー・サーカスに着いて、「ここだ!」とわかってしまった。佐野元春が「約束の橋」で歌っていた場所に違いないと思った。街並みが似ているし、ビルボードは映像スクリーンに変わっていたが、その独特のフォルムから間違いないだろうと思った。こちらも観光客はいたが、トラファルガー広場ほどではない。ピカデリー・サーカスにはエロスの像が立っているのだが、その像の前には劇場があり、舞台劇を上演していた。「タイタニック」を上演していると書いてあった。当然、喜んでiPhoneで写真と動画を撮った。

FALLOWというバーみたいな店で昼食

ピカデリー・サーカスの周囲を見て回ったので、昼食をどうするか店を探した。トラファルガー広場からピカデリー・サーカスに行く際に見た店をいくつか当たってみた。その中で、FALLOWという店が美味しそうかなと思ったので、入ってみた。

ここはバーみたいである。昼からアルコールを飲むような店である。しかし、僕は昼にはアルコールは飲まない。なので、ノンアルコールドリンクと、値段の安い「ポークパイ」を頼んでみた。

出てきた「ポークパイ」はすごい小さかった。お菓子のパイほどの量しかない。もちろんお菓子じゃないから、パイの中にミンチにした豚肉が詰め込まれていて美味しかったのだが、これだけでは足りなかった。

それで追加で牛のスペアリブも頼んでみた。これも美味しかったし、ポークパイと合わせると量的には十分かなという気がした。牛のスペアリブは肉がとても柔らかく、ナイフがスッと入っていく。

ただ、バーなので、値段は高かった。昼食代で8000円を超していた。日本で昼飯に1000円を越した価格が話題になる中、日本の常識を遥かに超えていた。

国会議事堂とビッグ・ベンを見学して、ビッグ・ベンの鐘を聞く

FALLOWで昼食をとり、休憩もできたので、昼からはまた歩いて国会議事堂とビッグ・ベンを見に行った。どちらも中には入れなかった。国会議事堂は議会開催中なので入れないし、ビッグ・ベンの内部見学ツアーも僕が調べた時には入場チケットが売り切れだった。

だからどちらも外観を見るだけだったのだが、ここも観光客の人気が高く、大勢の観光客がいた。皆、スマートフォンで写真を撮っている。自撮りも多い。僕も珍しく自撮りしてみた。

国会議事堂の前には、新興宗教の勧誘や、何を言っているのかわからないが政府に対する反対デモも繰り広げられていた。結構騒々しかった。

ビッグ・ベンといえば時報の鐘の音である。僕が高校生だった頃、BBCが短波放送で日本に向けてラジオ番組を放送していて、ビッグ・ベンの鐘の音はラジオを通じて聞いていた。今回、実物のビッグ・ベンを見に来て、時報の鐘の音を聞くことができ、感無量であった。ただ、タイミングは合わず、iPhoneでのビデオ撮影はできなかった。

ホテル RUBENS AT THE PALACE でアフタヌーンティー

ビッグ・ベンの14:00の時報の鐘の音を聞いた後、バッキンガム宮殿の方に戻り、ヴィクトリア駅とバッキンガム宮殿に程近い、RUBENS AT THE PALACEというホテルに向かった。H.I.S.のツアー中の唯一特典として、ここでのアフタヌーンティーが予定されていたのである。

ただ、国会議事堂からRUBENS AT THE PALACEまではそこそこ歩く。途中セント・ジェームズ・パークを抜けていったが、疲れたので公園内の売店でレモンティーを買い、少し休憩してからホテルに向かった。

RUBENS AT THE PALACEには、14:30に着いてしまった。予約時間は15:00だったので30分も早い到着だったのだが、アフタヌーンティーの会場に入り、日本から印刷してきたバウチャーを係の人に渡すと、すぐに席に案内してくれた。14:30から90分の時間制限付きではあるが、アフタヌーンティーが楽しめた。

紅茶だけがメニューから選択でき、お茶菓子は最初から決まっていた。紅茶は何を飲もうと考えたが、リラックス効果が高いハーブティーにしようと、レモングラスとジンジャーのハーブティーを頼んだ。

出てきたレモングラスとジンジャーのハーブティーは、生姜の味が効いていて、美味しかった。特に、ハーブティーにミルクを入れ、砂糖も入れるとなかなかリラックスできる。あまりに美味しかったのと、観光し通しで疲れが出てきたので、ポッドのハーブティーはほぼ飲み干してしまった。

お茶菓子は最下段のサンドウィッチと、中段のスコーンの1個は食べたが、もうそこで満腹だった。出された全部は食べきれないので勿体無いとは思ったが、そこで抑えた。

佐野元春の「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」をミックスした旧Olympic Studiosに行ってみる

アフタヌーンティーは15:30には終わってしまった。旅行前にChatGPTで組み立てたスケジュール表では今日の観光は全て終わったのだが、ホテルに帰るにはまだ早かった。国会議事堂に行った時に目にした観覧車、ロンドン・アイに乗ってみようとも思ったが、RUBENS AT THE PALACEから国会議事堂に戻るのも疲れるなと思った。

そこで、5月2日の午前中に行こうと予定していた、旧Olympic Studiosを訪問することに変更した。HOTEL 65に戻る方向に近いので、見学には好都合だった。

旧Olympic Studiosは、佐野元春が1989年にリリースしたアルバム「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」のミックスを行ったところである。ただ、アルバムには写真等は一切掲載されていない。単にライナーノーツのクレジットにスタジオ名が書かれているだけ。それでも、聖地巡礼ではないが、一度は行ってみたかったところである。

RUBENS AT THE PALACEからは最寄りの地下鉄ヴィクトリア線でVauxhall駅まで行き、そこからSouth Western Railwayで、Barnes駅まで移動、そこから、バスに乗車するのがCitymapperで出された最短経路である。

到着した、旧Olympic Studiosは、今はレコーディングスタジオは存在しない。建物は昔のままだが、今は映画館と、カフェが入っている。ただ、名称は今でもOlympic Studiosのままである。映画館では通向けの映画が上映されていた。ミニシアターっぽい。こじんまりとした映画館とカフェで、割とくつろげそうである。

夕食は、パブでビールと、フィッシュ&チップスを楽しむ

旧Olympic Studiosを写真に撮ってから、HOTEL 65まで一旦戻った。トイレに行きたかったのもあるし、休憩したかった。

旧Olympic Studiosからはバスに乗り、ハマースミス駅の方に向かった。しかし、バスはハマースミス駅までは行かない。途中、テムズ川を渡るのだが、橋が歩行者と自転車しか通れないのである。テムズ川の手前でバスを降りて、橋を歩いて渡って、ハマースミス駅を通過して、HOTEL 65までひたすら歩いた。20分ぐらい歩いたと思う。

夕食は、今晩こそパブでビールとフィッシュ&チップスを食べようと思っていた。フィッシュ&チップスはタラのフライとフライドポテトの組み合わせの料理である。イギリスを代表する不味い料理として知られている。僕が大学生だった頃、1ヶ月、カナダのヴァンクーバーにショートステイしていたことがある。その時、ブリティッシュコロンビア大学の学食で食べたのがこのフィッシュ&チップスで、ものすごい不味かったのが今でも記憶に残っている。その後、本場はイギリスで不味い料理の代表格と聞いて、ぜひ一度は本場のフィッシュ&チップスを食べてみたいと思っていた。

パブをハマースミス駅近くでGoogle検索したら、DUKE OF HAMMERSMITHという店が見つかった。駅から近いし、HOTRL 65からも徒歩で10分以内である。それでそこに行くことにした。

18:00ごろに入店したが、客はまばらだった。席は自由に選べるが、パブなのでビールも料理も都度カウンターに行って注文し、代金も都度支払いである。せっかくロンドンに来たので、スタウトビールを飲みたかったが、どうもビールサーバーが壊れていたらしく、飲めなかった。代わりに普通のラガービールを頼んで、当然フィッシュ&チップスも頼んで、夕食を楽しんだ。

ビールは美味しかったが、フィッシュ&チップスも予想外に美味しかった。1時間ぐらい店内に滞在し、ビールは2杯飲んで、フィッシュ&チップスを堪能した。2杯目のビールを注文にカウンターに行った時に、店の人から勧められたのが何故かバドワイザーのビールだった。それを受け入れて飲んだのだが、アメリカの薄い味のバドワイザーとは銘柄が同じでも違うタイプのようだった。念願のフィッシュ&チップスを食べられたので、目的の一つは達成できた。

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