普天間飛行場と浦添城址-沖縄旅行2022年秋初日

普天間飛行場と浦添城址-沖縄旅行2022年秋初日

2022年10月8日

自宅から那覇空港まで

今朝、起きたのはまだ早朝の4時だった。搭乗する全日空の福岡-那覇便は8:00出発なので、5時半に起きて支度をすれば間に合うと思って、iPhoneのアラームもセットしていた。しかし、アラームが鳴るよりもはるかに早く寝覚めてしまった。二度寝が出来なかったので、そこで起きたが、それが正解だった。実は夜間充電中のiPhoneがなぜか強制再起動をしていて、設定したアラームが消えていたのである。アラームを信じて寝ていたならば、間違いなく飛行機の時間に間に合わなかった。

早く起きてしまったので、地下鉄も30分早い便に乗った。6:00発の地下鉄である。土曜なので空いていると考えていたが、意外と人が乗っている。天神に地下鉄が着くと、一斉に乗客が増えて、ちょっとした混雑状態になった。皆、福岡空港に向かっていた。3連休初日だし、新型コロナウイルスの感染が収まりつつあるので、それで旅行に行く人が多いのだなと実感した。

空港は混雑していたが、早く来たのでゴールドクレジットカードの特典でもあるラウンジの無料利用をする。早起きして眠いので、コーラを飲みつつ、まったりとする。空港自体は混んでいるが、ラウンジは混雑とは無縁。ほとんど人もおらず、閑散としていた。

気になることが一つあって、ラウンジに入る前に手荷物検査場の待ち時間を見たら、「15分以上」と書かれていたのである。それで、ラウンジを7:15に出て、手荷物検査場に向かった。するとそこは長蛇の列で、かなり順番を待たされた。結局手荷物検査を終了するまで、20分以上かかっていたのではないかと思う。

福岡空港の手荷物検査場は、長蛇の列。通り抜けるまで20分以上かかった。

手荷物検査場で時間がかかっていたため、搭乗口につくと、間も無く搭乗の運びとなった。全日空の福岡-那覇便は中型機であったが、満席になっており、それどころか席が足りずに2名ほど、後の便に変更できないかという打診まであったぐらいである。もちろん、変更すれば、2万円ほどのキャッシュバックもついていた。僕は変更はしなかったが。

飛行機の出発は10分程度遅れ、到着も25分ほど遅れていた。全日空だからと思っていたが、那覇の空港ではボーディング・ブリッジではなく、駐機場に到着し、バスでターミナルに運ぶというまるでLCCのような状態だった。搭乗した航空機は、最新鋭の座席ディスプレイを装備し、外の様子を映像で見られたりするのはよかったが、機内誌が置かれていないのは、少々気になった。機体は機内Wi-Fiも使えるはずだったが、そのアナウンスもなし。多分使えなかったのだと思う。この辺もLCCっぽい感じはした。機内サービスのドリンクが提供されたのはよかったが。結局空港ターミナルを出たのは10:15であった。

全日空の機内の座席前シートには、最新鋭のモニターが設置。画面は、外の進行方向の画像。空がはっきり見えている。

普天間の三角食堂は休業

今回の沖縄旅行で楽しみにしていたのは、普天間にある三角食堂で沖縄そばを食べることだった。ここは旅行作家の下川裕治の「週末沖縄でちょっとゆるり」という本にによれば、「昔ながらの沖縄そばを食べられる」ところと書いてあったからである。三角食堂に行くのは初めてではない。2017年に沖縄に来た時にも食べに行っている。只、その時は「おかず」を食べていた。「おかず」とは、沖縄大衆食堂独特のメニューであり、要は定食ではあるが、おかずの内容が店によって違うのである。三角食堂では、豆腐入り野菜炒め、薄焼き卵載せというメニューだった。那覇空港からゆいレールで牧志駅まで行き、歩いて2分の安里[那覇市]のバス停からバス90番知花線に乗って約1時間、普天間市場入口で下車して、店に行ったのだが、なんと今日は臨時休業だった。今日だけなのか、他の日もそうなのかはわからないが、期待していただけに、がっかりしてしまった。

嘉数高台公園そばの3丁目の島そば屋で昼食

三角食堂での沖縄そばが食べられなくなったので、代わりの店を探す必要に迫られた。そこで思い出したのが、「沖縄 オトナの社会見学 R18」という本に書かれていた、今回の旅行の目的地である嘉数高台公園のそばに沖縄そばを食べさせてくれる店があるということだった。それで90番知花線のバスを再び引き返し、広栄で下車し、嘉数高台公園まで徒歩で移動した。沖縄そばの店は確かに嘉数高台公園のそばにあった。3丁目の島そば屋という。ここは、沖縄本島中北部で1番の人気店なのだという。13:00に店に着いたのだが、店の前や駐車場の車の中で順番を待っている人が数多くいた。他に昼食を食べる場所もなかったので順番を待つことにした。待つこと30分、ようやく順番が来て、店内に入れた。食券を買う形式の店で、790円の島そばを選んだ。三枚肉が2枚とソーキが1枚、かまぼこが2枚乗っていて、ジューシーもサービスでついてくる。そばの硬さも選べて、標準では硬めのそばだが、柔らかめのそばも選べるという。沖縄そばなので、席に座ってからは出てくるのが早かった。出てきて、三枚肉を箸で掴んでびっくり。肉厚があるのである。これは食べ応えがある。そばやスープも美味しく、人気なのも納得できる店である。あっという間にスープまで飲み干して、満足して店を出た。

嘉数高台公園前の「3丁目の島そば屋」。沖縄本島中北部で1番の人気店。
「3丁目の島そば屋」で頼んで食べたのが、「島そば」。ジューシーもサービスでついてくる。

嘉数高台公園で普天間飛行場を見学し、沖縄の現実を垣間見る

昼食も取ったので、お目当ての観光地であった嘉数高台公園を見学することにした。ここは、太平洋戦争末期の沖縄戦で、激戦が繰り広げられ、数多くの犠牲者を出したところでもある。ただ、今は問題になっているアメリカ軍普天間飛行場を間近に見られる場所として、知る人は知っている公園になっている。

公園のあちらこちらに弾痕の塀、陣地壕、トーチカなどが現存しており、歴史を感じさせる。それらを見て、沖縄戦の激戦に思いを馳せていた。市民の憩いの場ではあるが、沖縄戦戦跡の一端を担っているような感じはした。

嘉数高台公園に現存する沖縄戦で使用された陣地壕。危険なので、今は入れない。
同じく沖縄戦で使用されたトーチカ。ここから米軍を攻撃した。

そして、高台にある展望台の頂上からは、アメリカ軍普天間飛行場がはっきり見えた。土曜日ということもあってか、それとも14:00という時間のせいか、基地は静かに見えた。しかし、その風景は異様である。沖縄の市民が暮らす街の中にそこだけ異様な空間が出現しているのだから。沖縄の人が、「アメリカ軍基地の県外移設を」と言うのが分かるような気がした。おりしも、元2ちゃんねる掲示板管理人の西村博之が沖縄の辺野古に行って、沖縄の人の「辺野古基地反対」と言っているのを揶揄する発言をして物議を醸し出しているが、2ちゃんねるで様々な名誉毀損発言を掲載していて、それによる裁判で負けているにもかかわらず、一切賠償金を支払わなかった人物の言うことなど、元々信用できるものではない。それが、今回の嘉数高台公園から見るアメリカ軍普天間飛行場の状態を観察するだけでも分かるというものである。展望台には、中年男性が一人いて、一眼レフに望遠レンズを三脚に設置し、椅子まで用意して、椅子に座ってどうもタブレット端末をいじっていたみたいだが、この男性、普天間飛行場の爆撃機やオスプレイを撮影するために待っているだろうか、と気になった。

普天間の市民が暮らす場所のすぐそばには広大な普天間飛行場が存在。ものすごく危険な地域。
「嘉数高台公園」と「普天間飛行場」を動画で撮影しました。3分弱の動画です。

浦添城跡まで徒歩で移動

嘉数高台公園を見物した後、沖縄そばのスープまで飲み干したためか、喉が渇いたので、自動販売機でルートビアのペットボトルを100円で買い、公園のベンチで飲みながら、この文章を書いていた。ある程度休憩も終わり、「さて、次どうしよう?」と考えた。まだ15:00なので、ホテルに向かうには早い。国際通りのA&Wで休憩というのも勿体無い。それで、嘉数高台公園から浦添城跡まで歩いてみることにした。iPhoneのマップだと1.9km、27分で歩けるとあったからである。それで歩き出したが、小雨が降り出してしまった。折り畳み傘は持ってはいたが、差すほどでもない。マップでナビゲーションを行うと、iPhoneのバッテリー消費が早いので、ナビはさせずに、勘と分からない時だけマップで位置情報を確かめ、なんとか浦添城跡まで到着した。やはり30分程度かかった。途中、「当山の石畳道」と言う古道を通った時には、雰囲気満点だった。このような古道までiPhoneのマップは表示しているのである。

嘉数高台公園から浦添城跡に行く途中で歩いた「当山の石畳道」。歴史を感じさせる道だった。

浦添城跡はハクソー・リッジだった

浦添城跡は、他のグスクに比べると、ほとんど人もいないし、手入れも行き届いているとは言えない感じはした。その分、歴史を感じさせる雰囲気は強かった。高低差は結構あり、小高い山を登って行くのは、普段運動不足の僕にとっては、しんどかった。それでも、小道を歩いたり、浦添ようどれを見学したりと、城跡の雰囲気は満点である。

浦添城跡の暗しん御門。元々はトンネルだったのだが、戦争で破壊されて、開けた道になっている。
沖縄のお墓である浦添ようどれ。

他のグスクでも同じだが、浦添城跡も建物は存在しない。建物があったであろうと思われる遺跡が残っているぐらいである。でも、頂上付近まで到着したところ、ここが映画「ハクソー・リッジ」で「前田高地」と呼ばれ、多くの犠牲者を出した場所であるという説明書きがあり、「ハクソー・リッジ」を見ている僕としては、「映画のあのシーンの元ネタはここか!」と膝を打ったものであった。もちろん、映画のロケは沖縄ではなく、オーストラリアだったのだが。「ハクソー・リッジ」と言う戦争映画は、デズモンド・ドスという若者が戦いを拒止し、戦場で負傷した兵士を日米関わらず救助に明け暮れていた物語で、メル・ギブソンが監督した映画である。映画としてのできはいいので、関心ある人は見てみるといいと思う。

浦添城跡頂上、要は前田高地より市街を望む。太平洋戦争の沖縄戦では、日米の軍隊がここで激戦を繰り広げられた。
浦添城跡と浦添大公園を動画でまとめてみました。3分弱の動画です。

ホテルにチェックイン

浦添城跡も見物し終わったので、ホテルに一旦チェックインすることにした。ペットボトルを買ってチェックインし、ホテルの涼しい部屋で休憩してから夕食を取りに出かけようという計画である。

浦添城跡からは、ゆいレールの浦添前田駅が最寄駅だったので、そこまで歩いて行った。流石に寝不足とまだまだ暑い沖縄の秋、重い荷物を背負っての徒歩移動で、体はバテていた。ゆいレールの浦添前田駅に到着し、ゆいレールが来て乗車すると、涼しい室温にホッとした。ちなみに、沖縄本島の公共交通機関で、ゆいレールだけはSuicaが使える。Suicaが使えるということは、日本本土のIC乗車券はそのまま利用可能である。路線バスはSuicaは使えないので、要注意である。県庁前駅まで移動し、宿泊するホテルである「HOTEL ROCORE NAHA」に到着。チェックインをして、室内で休憩をとった。

夕食は花笠食堂でヘチマの味噌煮

17:30にホテルを出た。夕食を取りに行くためである。どこで食べるかは決めていなかったが、いくつか心当たりのある店を探してみようと思った。国際通りを歩いて、かつて牧志の公設市場のあった通りを歩いてみた。牧志の公設市場は、現在建て替え中で、市場自体は別の場所で営業している。ただ、市場が一時的にとはいえ移転しているためか、周囲の店舗に元気がなかった。せんべろだけは元気そうだが、新型コロナウイルスの対策すら取っていなさそうな雰囲気では入る気もなかった。せんべろは食事する場でもないし。

で、2018年の時にも行った花笠食堂を思い出し、そこに行ってみた。以前行った時は中国観光客が多くて、混んでいたが、今はまだインバウンドの観光客が少ないので、店はガラガラだった。一応感染対策も取ってある。

食事は、ヘチマの味噌煮を頼んでみた。前回の時には「シーズン・オフだから、ヘチマがない」と言われ、食べられなかったのである。今回は食べられた。それと、オリオンビール。店がガラガラだから、ビールを頼む気にもなった。ヘチマは食べた感じ、ナスの揚げ浸しのような食感だった。意外といける。島豆腐もいくつか入っていて、食べ応え十分である。ご飯は玄米、汁物にソーメン汁と、結構沖縄大衆食堂の王道を行っている。それでいて、価格は安い。ビール代が結構高いとは思うぐらいである。すっかり満足してしまった。

牧志にある沖縄大衆食堂の「花笠食堂」。中国人がいないので、店はガラガラ。
夕食に「ヘチマの味噌煮」を食べた。沖縄の方言では「ナーベラーのンブシー」と言う。食感はナスの揚げ浸しみたい。

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