TWISTERS(4K UHD Blu-ray)|ツイスターズ|輸入盤DVDで観た映画のレビュー
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邦題 | ツイスターズ |
レーベル | UNIVERSAL STUDIOS HOME ENTERTAINMENT | |
制作年度 | 2024年 | |
上映時間 | 123分 | |
監督 | リー・アイザック・チョン | |
出演 | デイジー・エドガー=ジョーンズ、グレン・パウエル、アンソニー・ラモス | |
画面 | 2.39:1/HDR10/DOLBY VISION | |
音声 | DOLBY ATMOS 英語/DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語/DOLBY DIGITAL PLUS 7.1ch フランス語 | |
字幕 | 英語、スペイン語、フランス語 |
あらすじ
学生だったケイトは、仲間と共に竜巻研究をしていた。観測器であるドロシーや粉末を竜巻の中に放り込んで、気象状況を計測するつもりだった。しかし、竜巻の研究をしている途中、竜巻の威力が強すぎて研究が失敗に終わり、また、研究仲間が次々に竜巻に飲まれて行方不明になってしまった。仲間を失ったケイトは心に大きな傷を負う。
5年後、ケイトは気象会社に就職していた。学生時代の仲間で唯一生き残っていたハヴィがケイトの元を訪れる。ハヴィは軍隊に入隊していて、そこでレーダーの開発をしていて、そのレーダーが竜巻の気象観測に使えると判断し、ケイトを再び竜巻観測に巻き込もうとしていた。ケイトは躊躇いを見せるのだが、結局ハヴィと一緒に竜巻のメッカ、オクラホマに飛ぶことになる。
オクラホマには、竜巻チェイサーのタイラーとその仲間たちがいて、竜巻を追いかけながらインターネットにライブ配信をしていた。タイラーのチームと、ハヴィとケイトのチームは共に竜巻を追いかけながら、それぞれの目的を達成させようとするが、簡単にはいかなかった。
オクラホマではしばしば竜巻が発生し、その竜巻のために人的被害が拡大していた。そのことに気づいたケイトは実家に戻り、学生時代に研究していた竜巻の資料を見返すことになる。
そこにタイラーも加わり、ケイトの心の傷を感じ取ったタイラーは、彼女に寄り添い、竜巻による人的被害を食い止めるための行動を共にする。タイラーと行動を共にすることになったケイトを見て、ハヴィは不満を募らせるが、ケイトは自身の行動に自信を持ち始めていた。
レビュー
1996年に公開され、大ヒットを記録したディザスター・ムービー「ツイスター」の28年ぶりの続編に当たるのが、この「ツイスターズ」です。続編となっていますが、1996年の「ツイスター」と物語やキャラクターに関連性は全くありませんので、「ツイスターズ」は、「ツイスター」のパワーアップ・リメイク版という雰囲気の話になっています。北米地域では大ヒットを記録したのですが、全世界的には思ったほど興行収入は伸ばせなかった作品であります。評価は高く、Rotten Tomatoesの批評家評価は75%、観客評価は90%と高評価を得ています。
物語は1996年の「ツイスター」のように、竜巻という人の力が及ばない天災を前にした人々の対応を描いたものになっていますので、ケイトやタイラー、ハヴィといったキャラクターたちの奮戦ぶりも、どこか観客に感情移入をさせないような行動にはなっているところはあります。それでも、1996年の「ツイスター」と比較すると、ケイトが学生時代に仲間を竜巻で失ったことと、現代のオクラホマにおける竜巻の人的被害を最小限に食い止めるという、ある種天災に対する戦いを繰り広げることで、アトラクション映画でありながら、ケイトに感情移入させるような展開にはなっています。「ツイスター」に比べれば、キャラクターに対する感情移入はしやすくなっています。
竜巻の描写については、1996年の「ツイスター」と同じく、CGによる描き方が素晴らしいのですが、28年ぶりの続編にも関わらず、時間の経過に伴う発展性が今ひとつ感じられませんので、盛り上がりにかけるきらいはあります。音響もグレードアップしていますが、28年前の「ツイスター」を越えられなかった部分はあり、勿体無いです。
1996年の「ツイスター」と関連するのは、学生時代のケイトが竜巻研究をしている時の観測機の名称が「ドロシー」のままだった、ということぐらいですので、その他に1996年の「ツイスター」と関連するキャラクターもデバイスもないことから、作品としては全くの別物と言えるでしょう。
1996年の「ツイスター」と今回の「ツイスターズ」は共にワーナー・ブラザーズとユニバーサル・ピクチャーズの共同制作ですが、「ツイスター」の時はアメリカ国内はワーナー・ブラザーズの配給だったのに、「ツイスターズ」は、ユニバーサル・ピクチャーズの配給に変わっているのが面白いところです。「ツイスター」にしろ「ツイスターズ」にしろ、制作にはスティーヴン・スピルバーグが運営するアンブリン・エンターテインメントが関わっているのも興味深いです。「ツイスター」は元々はハリウッド版「ゴジラ」の脚本を竜巻の話に改訂した話ですが、「ツイスターズ」にそのような話はありません。
映像は、4K/DOLBY VISIONで提供されています。マスターデータは4Kですのでネイティヴ4Kでの提供になります。撮影自体は一部35mmフィルムも使っているようですので、4Kならではの高精細な映像が提供されています。映像は実物を見ているかのような描写になっています。DOLBY VISIONによる色彩表現もリアルな描写ですので、臨場感を高める効果を生み出しています。
音響はDOLBY ATMOSで提供されています。ナチュラルな音場ではありますが、視聴者の周囲360度を包囲するかのようなサラウンドはなかなか魅力的です。竜巻の引き起こす風雨が視聴者を包み込みますので、迫力を感じます。ただ、1996年の「ツイスター」の4K UHD Blu-rayのDOLBY ATMOS MIXに比べれば、ナチュラルすぎる嫌いはあります。
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