『アトミック・ブロンド』Blu-ray(輸入盤)レビュー|冷戦ベルリンを駆け抜ける孤高のエージェント【SDR / dts:X】

『アトミック・ブロンド』Blu-ray(輸入盤)レビュー|冷戦ベルリンを駆け抜ける孤高のエージェント【SDR / dts:X】

MI6の女スパイ、ローレン(シャーリーズ・セロン)が冷戦末期のベルリンで極秘リストと二重スパイ「サッチェル」の正体を追う。スタイリッシュなアクションと退廃的なベルリンの空気を融合させた、ネオ・ノワールの佳作。Blu-rayはSDR映像とdts:X音響収録で、硬質な映像と包囲感のあるサウンドを楽しめる。

『アトミック・ブロンド』Blu-ray 基本仕様

Atomic Blonde Blu-rayジャケット 邦題 アトミック・ブロンド
原題 Atomic Blonde
レーベル Universal Pictures Home Entertainment
制作年度 2017年(劇場公開版)
上映時間 114分(劇場公開版)
監督 デヴィッド・リーチ
出演 シャーリーズ・セロン、ジェームズ・マカヴォイ、ジョン・グッドマン
画面 2.40:1 / SDR
音声 dts:X 英語 / dts 5.1ch スペイン語, フランス語
字幕 英語, スペイン語, フランス語
リージョン Blu-ray=リージョンフリー
パッケージ BD 1枚(本編 + 特典映像)

あらすじ(短縮版)

1989年、崩壊前夜のベルリン。MI6のローレンは、奪われた機密マイクロフィルムと二重スパイ「サッチェル」の正体を追うため、東西のスパイ網に飛び込む。誰が味方で誰が敵か判別できない極限の情報戦を、冷酷に切り抜けていく。

あらすじ(詳細)

冷戦下のベルリンで、MI6のガスコインが極秘リストを保持していたが暗殺され、マイクロフィルムを奪われる。MI6はエージェントのローレンを派遣し、現地でパーシヴァルと接触するが、行動は常に漏洩し、敵味方の境界は曖昧だった。

KGBや東ドイツの妨害を掻い潜り、ローレンは追跡と戦闘を繰り返す。ベルリンの崩壊が迫る中、二重スパイ「サッチェル」の正体を暴くことが彼女の最終任務となる。

見どころとテーマ

  • グラフィック・ノベル原作: アントニー・ジョンソン&サム・ハートの『The Coldest City』を映画化。
  • 冷戦末期のベルリン: 東西スパイの暗躍と、壁の崩壊前夜の緊張感を背景に展開。
  • 女性アクション・ヒーロー: シャーリーズ・セロンが体当たりで挑む肉弾戦とガンアクション。
  • 二重スパイの謎: サッチェルの正体をめぐる二転三転が、観客を翻弄する。
  • 映像トーン: 青白く冷たい色調と退廃的なベルリンの街並みが、物語を強調する。

おすすめシーン(チャプター目安)

  • 階段アクション長回し: ワンカット風の撮影で観客を肉弾戦の渦に引き込む白眉。
  • 終盤の対峙: 真相に近づくローレンの冷徹な表情と緊張の応酬。

Blu-ray 映像レビュー【SDR】

2K DIマスターを用いたBlu-ray。映画自体はDolby Vision対応だが、本盤はSDR収録。解像感は十分で、ベルリンの街の質感や陰影が明確。SDRの色表現は寒色寄りに調整され、冷戦の冷たい空気を効果的に反映。暗部の黒つぶれや明部の白飛びは少なく、コントラストの安定性も高い。

映像スコア:85点

音響レビュー【dts:X】

dts:Xはオブジェクト配置で没入感を構築。高さ方向は限定的だが、観客を取り囲む配置で戦闘や追跡の臨場感を補完。雨や環境音の広がり、BGMの空間展開が秀逸で、銃撃や肉体の衝突音には鋭い迫力。低音域も強力で、アクション映画として満足度は高い。

音響スコア:87点

ソフト仕様メモ

  • Blu-rayはSDR仕様(Dolby Visionは未収録)。
  • dts:Xは対応AVアンプ環境で自動有効化。
  • 暗室視聴推奨。寒色系トーンがより鮮明に映える。

総評

スパイ・サスペンスにネオ・ノワールの質感を融合させた異色のアクション映画。シャーリーズ・セロンの冷徹な存在感と肉体的なアクションは突出しており、物語の二重スパイの正体探しも最後まで観客を惹きつける。80年代サウンドトラックが映像のスタイルと呼応し、退廃的なベルリンに鮮烈なリズムを刻む。Blu-rayはSDRとdts:Xにより、映像と音響の両面で安定したパフォーマンスを発揮。冷戦映画でありながらポップカルチャー的なスタイリッシュさも兼ね備えた、再見に値する一本。

総合スコア:86点

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