『オープン・ユア・アイズ エリーの不思議な冒険』DVD(輸入盤)レビュー|IMAXが教えるミクロとマクロの世界の不思議【SDR / Dolby Digital】
IMAXフィルム黎明期に制作された教育的ファンタジー・ドキュメンタリー。祖父の残した謎を通じて少女エリーが「世界の隠れた次元」を学ぶ物語は、SDR収録のDVDながらIMAX独自の臨場感を家庭で体験できる貴重なソフトだ。
『オープン・ユア・アイズ エリーの不思議な冒険』DVD 基本仕様
![]() |
邦題 | オープン・ユア・アイズ エリーの不思議な冒険 |
---|---|---|
原題 | The Hidden Dimension | |
レーベル | Warner Home Video | |
制作年度 | 1996年(劇場公開版) | |
上映時間 | 39分(劇場公開版) | |
監督 | ポール・コックス | |
出演 | シャーロット・サリヴァン、C.デヴィッド・ジョンソン、ゴーシャ・ドゥブロフスカ | |
画面 | 1.43:1 / SDR | |
音声 | Dolby Digital 5.1ch 英語・フランス語 | |
字幕 | 英語・スペイン語・フランス語 | |
リージョン | DVD=リージョン1 | |
パッケージ | DVD 1枚(本編 + 特典映像) |
あらすじ(短縮版)
少女エリーは祖父の残した謎を追ううちに、自然界のマクロとミクロを行き来する“隠された次元”に触れていく。
あらすじ(詳細)
エリーと両親は自然の中にある祖父の家を訪れる。祖父はエリーに手紙を残し、宇宙の大きさと生命のミクロな営みを対比させる謎を仕掛けていた。エリーは祖父の遺した手がかりを解きながら、葉脈の細部や昆虫の構造など小さな世界に目を開き、やがて自然の大きな循環を学ぶ。やがて多忙だった両親も心を解き放ち、家族は自然の営みの中に調和を見出していく。
見どころとテーマ
- IMAX教育映画の系譜: デジタルIMAX普及前の「知識と映像体験を融合」させるドキュメンタリーの好例。
- 少女の成長物語: エリーが謎を解きながら自然観を獲得していく姿は寓話的な普遍性を持つ。
- マクロとミクロの対比: 壮大な自然と微細な構造を交互に見せることで、生命の全体像を感覚的に提示。
- 家族再生の側面: 忙しさに囚われた両親が自然と再び結びつく物語でもある。
- IMAX独自のアスペクト比: 1.43:1の映像は家庭用テレビでは異質ながら、当時のIMAX上映の感覚を残す。
DVD 映像レビュー【SDR】
マスターは70mm IMAXフィルム。DVD化でSDRかつ480pに制約されるが、フィルム由来の精細感は随所に感じられる。色彩はナチュラルで、緑や水の表現にフィルムらしい粒状感が生きている。1.43:1のアスペクト比も保持され、上映フォーマットの特異性を体験できる。3D上映作品であったが、本DVDは2D収録。
映像スコア:70点
音響レビュー【Dolby Digital】
Dolby Digital 5.1ch収録。ミックスは厚みこそ薄いが、環境音やナレーションは明瞭。サラウンドチャンネルは積極的に活用され、森のざわめきや水滴の反響などで没入感を演出。低音は抑制気味だが、Dolby Surroundモードを通せば空間は豊かに広がる。
音響スコア:65点
ソフト仕様メモ
- 左右黒帯仕様(1.43:1アスペクト比を忠実に再現)
- Dolby Surroundは対応AVアンプ環境で自動有効化
- IMAX上映版では3D、本DVDは2D収録
総評
教育的IMAXフィルムをDVDで残した点に価値がある。高画質メディア未収録のため、本作は“DVD時代の遺産”として貴重。自然と科学の関係を寓話的に描き出す映像体験は今なお色褪せない。家庭視聴用としては制約があるが、IMAX黎明期を知る資料性と作品性の両面で注目に値する。
総合スコア:72点
コメント