エイリアン(4K UHD/iTunes Movies)

No Image 原題 ALIEN
レーベル 20th CENTURY FOX HOME ENTERTAINMENT
制作年度 1979年/2003年
上演時間 116分(ディレクターズ・カット)
監督 リドリー・スコット
出演 シガニー・ウィーバー、トム・スケリット、ベロニカ・カートライト
画面 2.40:1/HDR10
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語
字幕 日本語

あらすじ

 宇宙貨物船ノストロモ号は、鉱石を積んで地球に向けて航行していた。そのノストロモ号は未知の生命体からの信号を受信し、進路を変更して生命体の信号の発信源に向かって行った。それと同時に、冷凍冬眠に入っていた乗組員たちを眠りから醒めさせ、未知の生命体の探索を要求される。ノストロモ号の業務プロセスには、未知の生命体との接触があった時には、それを優先するようプロトコルが定められていたのである。信号の発信源に着いたノストロモ号は、輸送船を惑星に降ろし、乗組員たちは未知の生命体を探し出す。彼らは人間より巨大な生命体の化石を見つけ、化石の内部から破裂したような痕を見つける。その後も調査を続ける乗組員たちだったが、ケインがエイリアンの卵を発見し、その調査中にエイリアンに張り付かれる。気が動転したダラス船長たちはプロトコルを無視してノストロモ号にエイリアンと共に帰還し、エイリアンをケインから剥がす手術をするが、エイリアンの体液は強酸性で剥がせなかった。しかし、いつの間にかエイリアンはケインから剥がれて、死んでいたのだが、ケインの体内に生み付けられたエイリアンはケインを食い破り、ノストロモ号内部に逃げ込む。エイリアンを始末しようとダラス船長たちは行動するが、ロボットのアッシュの行動により、エイリアンが生かされ、クルーたちは次々にエイリアンの餌食になっていく。そして、リプリーだけが生き残ることになり、エイリアンの脅威と対峙する。

レビュー

 1977年公開の「スター・ウォーズ」から始まったSF映画ブームの中で、新しい試みにチャレンジし、成功を収めたSFホラー映画が、この「エイリアン」です。この「エイリアン」の成功の後、様々なエイリアン物の映画が制作されることになり、一つのジャンルを作り出した傑作であるといえます。また、「エイリアン」自体も続編がいくつも製作され、挙句に「プレデター」との共演物まで制作される人気シリーズになっています。興行収入は製作費を大幅に上回る大ヒットを記録し、Rotten Tomatoesの批評家評価、観客評価も極めて高い数値を示しています。

 SFホラー映画のジャンルの特徴として、エイリアンが主人公たちに闇の中から襲いかかってくる、というのがありますが、まさにこの「エイリアン」はその展開を地で行っている演出になっています。1979年のSFXの限界として、エイリアンがリアルに感じられるためには、姿をあまり見せない方が恐怖感を煽るようになっていて、この「エイリアン」は、そのまま闇の中からエイリアンが姿をぬっと表す、という演出で恐怖感を感じさせる展開になっています。登場するエイリアンはたった1匹なのですが、それでもその恐怖感は相当なものと思います。

 また、エイリアンの造形を担当したH.R.ギーガーの生み出したエイリアンの姿が、また独特の姿をしていて、インパクトを感じさせます。体液が強酸性で、どのような環境下でも生きられるという設定は、主人公たちの想像の上をいく設定であり、それが物語に恐怖感を植え付けるのに成功していると思います。リアルさを出すためか、絶えず液体を滴らせている姿は、怖い印象を与えるのに貢献しています。

 のちの「エイリアン」シリーズで主役になったシガニー・ウィーバーは、まだこの「エイリアン」では主役ではなく、基本はノストロモ号の乗組員の一人としてしか描かれず、他の乗組員と同様に誰がエイリアンの魔の手から生き延びるのかがわからないようになっているところも、この映画を面白くさせている要素であるといえます。特に役者的にはダラス船長役のトム・スケリットやパーカー役のヤフェット・コットー、アッシュ役のイアン・ホルムの方が有名で、その有名俳優たちが次々にエイリアンの餌食になっていく様は、意外性を持って描かれています。

 iTunes Moviesで配信されている「エイリアン」は、劇場公開版と2003年のディレクターズ・カット版の両方が鑑賞できるようになっていて、今回は2003年のディレクターズ・カット版で鑑賞しています。1979年の劇場公開版ではカットしてしまったダラス船長がエイリアンの繭に取り込まれているシーンが復活したりしているのが特徴です。ただ、劇場公開版と上映時間がほとんど違いがないことから、そんなに大きな差はないものと思っています。

 映像は4K UHDでHDR10での収録になっています。マスターは35mmフィルムのため、ネイティヴ4Kでの収録になっていて、高精細な映像を堪能できます。とはいってもストリーミング配信の限界ゆえか、主人公たちがエイリアンのいる惑星に着いたときの暴風のシーンは、解像度が破綻しかかっている感じを受けます。光と闇の使い分けが上手いリドリー・スコットの監督作なので、闇の描き方はとても素晴らしいものがあります。微かな光の中からエイリアンが姿を表すシーンなどで、その作家性の特徴を最大限発揮しているといえます。明るいシーンはあまりないのですが、それでも高コントラストの映像で、光の美しさを存分に見せつけています。音響はDOLBY DIGITAL 5.1chのサラウンドで、オリジナルのDOLBY STEREO 4.0chから5.1chにリミックスしている関係か、意外とサラウンドチャンネルに音が回り込む印象が強いです。

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