2046(Blu-ray/CRITERION)

WORLD OF WONG KAR WAI Blu-rayジャケット 邦題 2046
レーベル CRITERION COLLECTION
制作年度 2004年
上演時間 128分
監督 ウォン・カーウァイ
出演 トニー・レオン、コン・リー、フェイ・ウォン
画面 2.35:1/SDR
音声 dts-HD MA 5.1ch 広東語、北京語、日本語
字幕 英語

あらすじ

 シンガポールに仕事で赴任していたチョウは、香港に帰ってきた。香港でかつて書いていた長編小説の「2046」を書こうとしていたチョウは、ホテルの2046号室に入居することを強く願っていた。しかし、ホテルのオーナーの話では2046号はリノベーションが必要で入居できないと告げ、隣の2047号をチョウに薦める。2047号に入居したチョウは小説を書き続けるが、いつの間にか、2046号には別の人間が入居していた。大家には二人の娘がいて、そのうちの一人は日本人の若者と交際していて、ホテルのオーナーはそれを苦々しく思っていた。チョウは2046号に入居した女性と親しくなり、交際を始めるが、その交際も終わりを告げる。その後も様々な女性と交際を重ね、小説を執筆するチョウだったが、それは過去に交際したものの別れた女性、スーとの思い出を思い返すばかりだった。小説「2046」は、「2046」という世界から脱出した一人の若者の話だった。

レビュー

 2004年に公開され、「花様年華」の直接の続編として描かれたSFドラマと恋愛ドラマを融合させた意欲作が、この「2046」です。主人公は香港出身の俳優たちが活躍しますが、そのほかにも日本からは木村拓哉が出演し、チャン・ツィイーやコン・リーといった女優たちも出演する豪華な顔ぶれの話になっています。全米批評家協会賞や、NY批評家協会賞、LA批評家協会賞など数々の賞を受賞し、Rotten Tomatoesの批評家評価では86%、観客評価で85%という高評価を得ている作品でもあります。

 物語が実は最初からチョウの書いている小説「2046」の世界を描写するシーンで始まり、木村拓哉のモノローグで日本語からスタートするので、驚きます。それも木村拓哉の日本語は当然ですがイントネーションが極めて自然な日本語で、「2046」という小説の世界観を一気に説明するので、話がどう転ぶのか、わからなくなり、物語に好奇心を掻き立てられます。

 しかし、1960年代の香港にカメラが戻り、「花様年華」で主役を演じたチョウがシンガポールから戻ってきて、ホテルの「2046号」室に泊まろうと、ホテルのオーナーとやりとりをするところから、「花様年華」との繋がりを強く意識させるものがあります。「花様年華」でも、「2046号」室は登場していて、チョウはそこに泊まっていたので、その辺りの絡みがストーリーの繋がりを感じさせます。

 チョウはホテルのオーナーと会話している中で、オーナーには二人の娘がいて、そのうちの一人、ウァンはタクという日本人の若者と交際しているので、オーナーはそれを苦々しく思っているところが、印象的です。その辺りからチョウは「2046」という小説を現実の世界とリンケージさせるようになり、タクは現実の世界と小説の世界、ウァンも現実の世界と小説の世界を行き来するようになります。

チョウが「花様年華」のラストでカンボジアの遺跡で何か囁いていたシーンの意味は、この「2046」の映画の中の「2046」という小説の中でタクが意味合いを説明しています。木に小さな穴を開け、そこに個人の秘密を囁き、土で穴を埋めると秘密は永久に秘密になる、というもので、それは「花様年華」でのチョウの囁きを容易に想像させるものになっていると言えます。

 チョウは何人かの女性と交流をもちますが、結局は長く続かず、次第にかつて交際していたスーのことを思い出すようになっています。シンガポールで知り合った女性の名前が同名のスーだったため、その思い出がより一層強く浮かび上がらせているように思います。チョウはオーナーの娘に「2046」を見せますが、「ラストをハッピーエンドにした方がいい」と言われ、書き直そうとしますが、ハッピーエンドの展開を思い浮かぶことができず、時間だけ経過しているところも、印象的です。この「2046」でも時間経過を強く打ち出すセンスや、タバコや雨と行った小道具を多用するスタイルで、いつものウォン・カーウァイ節が炸裂している作品になっていると思います。

今回試聴した「2046」は、CRITERION COLLECTIONの「WORLD OF WONG KAR WAI」というBlu-ray BOXセットでリリースされています。4KマスターからBlu-rayの2Kマスターを作っていますので、解像度は十分にあります。特に小説「2046」のシーンでは、近未来的映像センスが爆発していて、1960年代の香港の映像と明らかに違っているイメージを持っています。その効果は優れた印象を受けています。音響はdts-HD MA 5.1chで、広東語を中心に北京語や日本語が入り乱れる多国籍映画としての魅力に溢れた音響になっています。サラウンドは小説「2046」の世界で効果的に演出されています。

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