BRUCE LEE:A WARRIOR’S JOURNEY/ブルース・リー:A WARRIOR’S JOURNEY/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

BRUCE LEE:A WARRIOR’S JOURNEY

BRUCE LEE:A WARRIOR'S JOURNEY DVDジャケット 邦題 ブルース・リー:A WARRIOR’S JOURNEY
レーベル WARNER HOME VIDEO
制作年度 2000年
上演時間 100分
監督 ジョン・リトル
出演 ブルース・リー、カリーム・アブドゥール・ジャバール、ダン・イノサント
画面 1.33:1 & 2.35:1/スタンダード & レターボックス
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語
字幕 英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語

あらすじ

 1978年に公開された、ブルース・リーの遺作「死亡遊戯」。ブルース・リーが「燃えよドラゴン」の前にクライマックスのフッテージだけを撮影し、「燃えよドラゴン」の撮影終了後に製作再開という段階で、ブルース・リーの突然の死去により、そのまま製作が止まってしまったいわくつきの作品である。1978年版の「死亡遊戯」は、そのクライマックスのフッテージを流用し、ブルース・リーの意図していない形で劇場公開されたが、ブルース・リーの意図していた「死亡遊戯」を探る研究はその後も引き続き行われ、2000年を機に未発表フッテージを使用したドキュメンタリーが製作されることになる。

レビュー

 ブルース・リーの最後の作品となってしまった「死亡遊戯」は、当初ブルース・リーが考えていたストーリーとは大幅に異なり、ブルース・リー扮する映画スターがシンジゲートに逆らったために殺されそうになり、奇跡的に生き延びたブルース・リーがシンジゲートに逆襲するという展開になっていました。その中で、シンジゲートのボスの番人として、レッド・ペッパー・タワーの3人の格闘家と主人公が戦うという展開の中で、ブルース・リーが生前撮影していたフッテージを利用したわけですが、事前情報で1時間とも1時間半とも言われるクライマックスのフッテージのうち、実際に利用されたのはわずか10分程度ということで、ファンを落胆させた作品になってしまいました。しかし、1995年からの数年間で状況は変わり、ブルース・リーが生前撮りためていたフッテージをファンに公開するという動きが出てきます。その中で日本では「BRUCE LEE in G.O.D.死亡的遊戯」というセミドキュメンタリーで公開されるわけですが、アメリカでは、ブルース・リー研究家のジョン・リトルが、未使用フッテージをふんだんに使ったドキュメンタリーを製作します。それがこの「BRUCE LEE:A WARRIOR’S JOURNEY」という形になります。

 アメリカでは、このドキュメンタリーが最初は単品DVDでリリースされ、その後、「ENTER THE DRAGON:SPECIAL EDITION」のDVDに再録という形で収録されることになります。ただ、その後著作権等の権利関係が切れたために、「ENTER THE DRAGON」の特典映像からは取り除かれ、現在、このドキュメンタリーは見られない状況になっています。

 ドキュメンタリーは、前半はブルース・リーのジークンドーに対する哲学や、生前の考え方を解説していきます。「GAME OF DEATH/死亡遊戯」の当初のブルース・リーの構想では、自身の考えたジークンドーを映画で表現する、という意図が込められていて、そこに至るまでのブルース・リーの軌跡を解き明かしていきます。インタビューでは、ブルース・リーの妻であるリンダや、「GAME OF DEATH/死亡遊戯」の最後の敵を演じたカリーム・アブドゥール・ジャバール、韓国合気道のマスターであるチィ・ハイツァイなどの証言なども交え、ブルースの意図したものを語っていきます。

 ドキュメンタリーの後半は、このドキュメンタリーの最大の売りである「死亡遊戯」のこれまで公開されることのなかったフッテージをほぼ完全な形で収録していて、ブルース・リーが何を意図していたかがわかるようになっています。当初の構想では、妹と子供を誘拐されたマーシャル・アーツの達人、ブルース・リーがライバルたちと、協力したり、反目したりしながら五重の塔にいる敵と戦う、展開になっています。

 「死亡遊戯」の未使用フッテージの公開は、ファンにとってはかなり嬉しいものになりますが、ドキュメンタリーの収録形態の関係上、本来のシネスコサイズがワイドテレビの中央に小さく表示されるレターボックス仕様になっているので、少々見づらいものになっています。しかし、内容的には貴重なものであり、とりあえず見られるだけでも嬉しいところであります。

 画質はドキュメンタリー部分は、そこそこの画質ではありますが、未使用フッテージのシーンは、オリジナルのフィルムの状態が良くないせいか、クオリティがかなり落ちます。ノイズも多いし、フォーカスがボケるシーンも多々あります。不思議なことに日本で公開された「BRUCE LEE in G.O.D.死亡的遊戯」では、フィルムをクリーンナップしたせいか、かなり鮮明な画質になっていて、その違いが大きくあります。音響もDOLBY DIGITAL 5.1chで収録されていますが、特にサラウンドが効果を発揮するわけではなく、単なるステレオ効果しかないように思います。

 この単品DVDの特徴といえば、「ENTER THE DRAGON/燃えよドラゴン」の特典映像として収録された際に、省略されてしまった英語字幕がきちんと入っている点です。ドキュメンタリーですので、字幕がある方が、内容の理解により良い助けになります。特典映像は予告編だけですが、パッケージにはミュージック・ビデオが収録されているなどと、間違いも散見されます。

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