CHUNGKING EXPRESS(Blu-ray/CRITERION)

WORLD OF WONG KAR WAI Blu-rayジャケット 邦題 恋する惑星
レーベル CRITERION COLLECTION
制作年度 1994年
上演時間 102分
監督 ウォン・カーウァイ
出演 ブリジット・リン、トニー・レオン、フェイ・ウォン
画面 1.66:1/SDR
音声 dts-HD MA 5.1ch 広東語
字幕 英語

あらすじ

 警官223は、長年付き合っていたメイという恋人と別れてしまい、彼女と復縁することを祈念して5月1日期限のパイナップルの缶詰を、毎日買い続ける。5月1日は警官223の誕生日でもあり、その期限を過ぎてもメイと復縁できなければ、スッキリ忘れようと思っていた。その5月1日は来てしまい、警官223は買い貯めたパイナップルの缶詰を食べてしまい、バーで気分が悪くなって戻してしまう。そのバーで、警官223は金髪の女性が気になり、接近を図るが、金髪の女性はそっけなかった。金髪の女性は実はドラッグ・ディーラーだったのだが、ドラッグの運び屋に逃げられ、立場がなくなっていたのだった。そんな二人はゆきずりの一晩を過ごす。ほぼ同時期に警官663はファストフード屋で、フェイという若い女性と出会う。警官663にはスチュワーデスの彼女がいたのだが、彼女は警官663から離れていった。フェイは警官663に仕事で助けられ、警官663の家に忍び込み、様々なことをしてしまう。

レビュー

 1994年に公開されるや、香港映画の新しいムーブメントとして取り上げられ、日本やアメリカなど世界中で話題になった映画が、この「恋する惑星」です。香港フィルム・アワードでは最優秀作品賞、監督賞、主演男優賞、編集賞を獲得しています。Rotten Tomatoesの批評家評価では89%を獲得し、観客評価も93%を獲得しています。また、この映画を見たクエンティン・タランティーノが、自身の作ったレーベルの第一回作品としてこの映画をアメリカ国内で上映しています。

 物語は、二人の警官のラブ・ストーリーを全く交錯させることなく、唯一ファストフード店というところだけ接点を持ちながら、爽やかなストーリーを描いているところにあります。物語の前半は警官223が恋人に振られ、自身の誕生日である5月1日に賞味期限の切れるパイナップルの缶詰を毎日1缶ずつ買い続ける、という展開で、警官223の孤独感を表現しています。その警官223が、5月1日を迎え、その日は警官223の誕生日であったことから25歳になり、バーで知り合った女性とゆきずりの関係を持ってしまうというのが、リアルに感じるところであります。

 警官223の知り合った女性はサングラスをずっとしていて、黄色いレインコートを着ていますが、実はドラッグ・ディーラーであり、ドラッグをチョンキン・マンションにいるアフリカンに運ばせようと企んでいるのですが、そのアフリカンに逃げられ、立場がなくなってしまい、身の危険を感じているところが、物語の肝になっているところであります。その事実を警官223は知らずに彼女と関係を持ってしまうのですが、その後については何も描かれないのが、この映画の特徴かなと思います。

 もう一人の警官663の話は、スチュワーデスの彼女に振られた警官663の前にファストフード店で働くフェイという若い女性が現れ、フェイの仕事を手伝ったことから、心の交流が始まり、フェイは警官663の家に忍び込み、彼の部屋で植木に水をやったり、ベッドで女性の髪の毛を探したりと、ちょっとストーカー的行動を起こしているのがポイントです。

 しかし、フェイはカリフォルニアに行くと、警官663に話をして、彼と別れようとしますが、クライマックスで関係が深まり、二人の結びつきが深まるというところで、物語は終わりを迎えます。フェイは音楽好きで、「夢のカリフォルニア」やクランベリーズのカバー「夢中人」が頻繁に劇中で流れますが、それが物語の印象を強くしているように思います。

 映画のストーリーも独特ですが、映像、音響表現もウォン・カーウァイ独特なものになっていて、印象的なシーンが結構多いです。タイムラプス的映像とスローモーションの掛け合わせだとか、雨のシーンが結構あるとか、言語が広東語だけでなく、英語や日本語まで登場するとか、国際的に意識したかのような描写が多いのが、インパクトのあるところであります。1994年といえば、まだ香港はイギリスの植民地でありましたが、2021年の今ではあり得ないほど自由活発な香港が描かれています。

 2008年頃に一度CRITERION COLLECTIONとしてリリースされた「恋する惑星」は、今回、「WORLD OF WONG KAR WAI」というウォン・カーウァイの代表作7作をセットにしたBlu-ray Boxとして再発売されています。画質は高画質、高音質に定評のあるCRITERIONだけあって、Blu-rayながらもかなりの高解像度を誇り、その解像度感がフィルムグレインを際立たせるぐらいになっています。SDRなので光の輝きはそんなに強くはありませんが、香港の雰囲気はよく出ているといえます。音響はdts-HD MA 5.1chサラウンドで収録されていて、dts Neural:Xでサウンドを再生すると、頭上にも音が広がる広大なサウンドフィールドが楽しめます。

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