INCEPTION(4K UHD Blu-ray)

INCEPTION 4K UHD Blu-rayジャケット 邦題 インセプション
レーベル WARNER BROS. HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2010年
上演時間 148分
監督 クリストファー・ノーラン
出演 レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、ジョセフ・ゴードン=レヴィット
画面 2.40:1/HDR10
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語
字幕 日本語、英語

あらすじ

 コブという男は仲間と一緒に人の夢の中に入って、その人の潜在意識下にある秘密を盗み出し、それを他人に売却することで生計を立てていた。もちろん、それは犯罪行為であり、コブはあちらこちらの国で指名手配を受けていた。そのコブにサイトーという男が接触してくる。サイトーはライバル企業の社長が死にかけていることを知っており、その後継に社長の息子であるロバートが就くことに危機感を抱いていた。ライバル企業を倒すべく、サイトーはコブに驚くべき提案を投げかける。それはロバートの夢の中に入り、情報を盗み出すのではなく、逆に偽の情報を受け付け、それによって自滅することを目論んでいたのである。コブはその仕事を引き受けるが、ロバートの夢の中に入るだけでなく、偽の情報を植え付けるためには、夢の中でまた夢の中に入るという三重構成の夢の中まで入らないと成功しないとわかった。コブとその仲間たちはロバートの夢の中に入るが、ロバートは夢の侵入者に対して防御機能を働かせていて、サイトーが負傷してしまう。また、コブはしばしば死亡してしまった妻のモルの姿を見てしまい、動揺を隠せなかった。

感想

 今やハリウッドで屈指の映画監督として知られるクリストファー・ノーラン監督が2010年に、レオナルド・ディカプリオと組んで、人の夢に偽の情報を植え付ける「インセプション」というテクニックを使い、受けた仕事であるインセプションを成し遂げるためにチームを組んで夢の中で活躍する映画が、この「インセプション」であります。興行収入的には成功を収め、また、批評家、観客からも高い評価を得ている作品であります。

 映画は人の夢の中にある潜在意識から情報を抜き取りさり、それを他人に売却することで生計を立てているコブという男が、サイトーという男から逆に情報を植え付けるという依頼を受けて、それを成し遂げるために仲間と行動を起こすという展開になっています。人の夢の中での話の展開のため、話がややこしくなりがちですが、その辺は見事に整理されていて、ターゲットとしているライバル企業の社長の息子であるロバートの夢が三段構成になっているところなど、一見すると混乱しそうな展開を綺麗に切り分けていているところが素晴らしいと言えます。

 しかも、クリストファー・ノーラン監督のトレードマークとも言える時間の概念もこの映画には取り入れられており、現実の世界の時間経過と夢の中の時間経過、そして夢の中の夢の中の時間経過と、どんどん長くなっていくところは、非常に興味深いところです。なので、物語後半はロバートの夢の中とさらにその夢の中、加えて夢の中と三重構造の夢が同時進行するので、時間経過がそれぞれで大きく異なっており、物語のテンションが異様になっています。

 そして、夢の中でコブは死に別れた妻のモルの姿をしばしば見ますが、モルがなぜ死んだのかも夢の中での出来事として説明がなされ、コブの贖罪の意識がモルを夢の中に登場させる要因になっているところは、ラブロマンスとしても秀逸であります。モルの死亡原因は、夢と現実の区別がつかなくなったために精神が混乱して死を選んだということになっていますが、その辺の扱いも秀逸であると言えます。

 夢の世界では、現実には起こるはずのない出来事がしばしば起きますが、ロバートの防衛システムが強固で、道路を鉄道が走るなどあり得ないシーンが多数存在します。それでもそれは夢の世界での話だと思えば、納得してしまうのが現実で、予想外の展開に驚く仕掛けが満載であります。そのロバートの夢の中で、コブたちがどう情報を植え付けるのかが、物語の肝になります。そして、コブとモルとの関係もロバートの夢の中で結論がつくところであり、ユニークな作品であると言えるでしょう。ラストは、現実の世界なのか、夢の世界なのか観客の判断に任されるところでありますが、謎多き終わり方であるといえます。

 映像は4K UHDでHDR10での収録になります。クリストファー・ノーラン監督といえば、IMAXフィルムを活用した撮影で有名ですが、この「インセプション」は通常の35mmフィルム(一部65mmフィルム)での撮影になっています。そのため、画面が拡大するという仕掛けはありませんが、2.40:1の画面は一貫して映像のテクニックを披露していて、見ていて飽きないところがあります。フィルムで撮影しているため、4Kの解像度はネイティブであり、高精細な映像が堪能できます。また、色乗りも豊かで、現実感に富んでいるといえます。音響はノーラン監督はイマーシヴ・オーディオを好まないのか、dts-HD MA 5.1chでの収録になっていますが、その音響効果は素晴らしく、圧倒的な音圧のパワーと、観客を取り囲むサラウンド感は映画を堪能するのに好都合であるといえます。

 なお、この4K UHD Blu-rayはプレイヤーの言語設定を日本語にしておくと、自動的に日本語字幕、日本語吹き替えで鑑賞できるよう設定がされています。今回、その恩恵に預かり、日本語字幕、英語音声で鑑賞しましたが、夢の中の話という複雑な展開においては、日本語字幕があることは結構理解を上げるのに助けになります。Blu-rayには日本語字幕、日本語吹き替え音声はありませんので注意が必要です。

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