MAXIMUM OVERDRIVE(Blu-ray)

MAXIMUM OVERDRIVE Blu-rayジャケット 邦題 地獄のデビル・トラック
レーベル VESTRON VIDEO
制作年度 1986年
上演時間 98分
監督 スティーヴン・キング
出演 エミリオ・エステヴェス、パット・ヒングル、ローラ・ハリントン
画面 2.35:1/アナモルフィック
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語 / dts-HD MA 2.0ch 英語
字幕 英語、スペイン語

あらすじ

 ある時、地球を彗星の尾が被さる現象が起きていた。その現象は長く続いていた。そして、その現象と共に、地球上にある機械類が、人類の意思に反して勝手に動き出し、人類に対して危害を加える事態が発生していた。ダイナーで勤めるビリーたちも、ダイナーで給油をしていたトラックたちの攻撃に出会い、何人かの死者を出してしまう。ダイナーに居なかった人もダイナーに逃げ込んできて、人々は生き延びる手段を必死で探し始める。トラックたちは人類にモールス信号でメッセージを送り、トラックに給油するよう指示を出す。ビリーたちも仕方なくトラックに給油するが、その一方でダイナーから脱出し、生き延びる手段を模索していた。そして、ダイナーを包囲するトラックたちからの逃避行を敢行する。

感想

 モダンホラーの帝王、スティーヴン・キングが自身の短編小説を自ら監督、脚本した映画が、この「地獄のデビル・トラック」です。ホラー小説の帝王が監督、脚本を担当するということで、1980年代にできの悪いキング原作の映画とは一味違う作品に仕上がると期待されましたが、実際にできた映画は他の映画よりも出来が悪く、ファンからは酷評を受け、興行収入も惨敗するという低い評価を受けている作品であります。

 この「地獄のデビル・トラック」が出来が悪いのは、ホラー映画を期待して観に行った観客が目にしたのは、単なるB級映画であって、ホラー映画になっていないという点にあるかと思います。もともとスティーヴン・キング自身はB級映画が大好きで、自身が監督、脚本を務めるときにもそのB級映画の雰囲気を当てはめてしまったところに失敗の要因があると言えます。また、音楽を担当したのは、キングお気に入りのAC/DCで、彼らの作ったBGMがホラー映画からは外れて、B級映画の雰囲気を漂わせているところにも、敗因があると言えます。

 とはいうものの、登場人物が機械に襲われ死んでいく様は、結構えげつない描き方をしていて、そこはそれなりに面白いと言えます。それがホラー映画の様式に則っていないところにこの映画のテンポの悪さをさらけ出していると言えます。登場人物が死んでも、キャラクターに感情移入できないため、ただ死んだ、という認識しかできないところにこの映画の欠点があると言えます。そういう意味では、登場人物に対する感情移入が難しい作品でもあり、キング自身がそれを求めていないところがこの映画の特徴であると言えます。

 原作の短編小説では、「なぜ機械が人々を襲うのか」という設定が謎のままだったので、そこはかとない怖さが伝わってきますが、この映画では彗星の尻尾が地球上を覆い、その影響で機械が意志を持つという身もふたもない設定になっていますので、ホラー的怖さが少なくなっていると言えます。しかもラストで登場人物の逃避行の末に彗星の尻尾の秘密が字幕で明らかにされ、事態が勝手に解決するという展開には驚きを隠しきれません。

 B級映画として観ると、この映画はそこそこ面白い作品に仕上がっているかと思います。主人公ビリーを若きエミリオ・エステヴェスが演じていて、彼の演技はなかなかユニークであると言えます。また、その他登場人物も騒ぎ立てるので、感情移入はできないものの、キャラの役割みたいなものはそれぞれこなしている感覚を持ちます。そして、意志を持ったトラックたちの性格づけが面白いと言えます。Blu-rayのジャケットでもお馴染みの顔をフロントにつけたトラックなどは、顔の表情でトラックの怖さを描いていると言えます。このトラックとの戦いが、物語のクライマックスにつながっています。

 映像は1986年のフィルム撮影のためか、解像度は甘めで、時折グレインノイズも見られます。色乗りもフィルムの色調に合わせたのか、赤みの強い色乗りをしていて、少なくともカラフルな映像というわけではありません。音響はオリジナルは2chステレオですが、今回はBlu-ray収録のdts-HD MA 5.1chリミックスの音響で鑑賞しました。オリジナルの2chステレオにあわせたのか、5.1chのサラウンド効果は低く、基本2chステレオっぽいサウンドフィールドになっています。時々、BGMが5.1ch効果を発揮しているぐらいです。

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