TENET(4K UHD Blu-ray)

TENET 4K UHD Blu-rayジャケット 邦題 TENET テネット
レーベル WARNER BROS. HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2020年
上演時間 151分
監督 クリストファー・ノーラン
出演 ジョン・デヴィッド・ワシントン、ロバート・パティンソン、エリザベス・デビッキ
画面 2.2:1&1.78:1(IMAXシーケンス)/HDR10
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語 / DOLBY DIGITAL 5.1ch 日本語
字幕 日本語、英語

あらすじ

 キエフのオペラハウスで演奏会が開かれる寸前、テロリストが会場を支配する。テロリスト排除に向かった警察に混じって、名もなき男は独自の動きを始めるが、捕まってしまい自決を選ぶ。しかし自決に使った毒薬は偽物で、名もなき男は命を取り留める。そして、彼は第三次世界大戦を食い止める使命を受けることになる。第三次世界大戦は核兵器を使った人類の戦いではなく、未来で開発された時間を逆行する装置を使って、未来人が現在の人類を攻撃するというものだった。名もなき男は、相棒になったニールと共に第三次世界大戦を引き起こす黒幕を探し始める。その結果、アンドレイ・セイターという男が仲介役になって未来から過去に人を送り込んでいることがわかる。セイターに接近すべく、名もなき男はセイターの妻であるキャサリンに接近し、次第に第三次世界大戦の真相に迫り始める。そのキーワードは「TENET」だった。

感想

 2020年の話題作として期待されながら、新型コロナウイルスの影響で劇場公開が何回か延期され、監督であるクリストファー・ノーランの強い要望により、8月下旬からヨーロッパで、9月4日からはアメリカで、9月18日からは日本でと順次劇場公開されたのが、この「TENET テネット」です。アメリカではニューヨークやロサンゼルスといった大都市で劇場を閉鎖させたままだったので上映館も限られ、興行収入はわずか$58ミリオンしか稼げず、全世界でも$363ミリオンの興行収入と黒字になるには程遠い結果に終わっています。日本の池袋にあるグランドシネマサンシャインでは、全世界のIMAXシアターでの初日4日間の売り上げが世界一になったということで、ニュースにもなっています。

 映画はかなり複雑なストーリーになっています。テーマは「時間」であり、クリストファー・ノーラン監督がよく取り上げる内容です。しかしながら、この「TENET テネット」の時間は一回見ただけではまず理解するのが不可能に近い、といってもいいぐらいの複雑さを示しています。というのも、逆行する時間が物語の中心になっていて、順行する時間と逆行する時間の戦いがメインになるというまずもって理解し難い内容になっているからです。これを劇場で一回見ただけで理解するのは無理があると言え、どうしても2回、3回と見返さないとわかりづらい内容になっています。そのせいか、批評家、観客の評価も決して高くなく、ノーラン監督の映画にしては低評価に終わっています。

 しかしながら、逆行する時間の映像表現はなかなか面白いものがあると言えます。単純にフィルムを逆に回して編集しているようでいて、そこに順行する時間を生きる主人公たちの行動を重ね合わせるので、演技する側がその逆行する時間を理解した上で、順行する時間を演じなければならないという難しさがあり、その俳優たちの演技力の高さに脱帽する次第であります。また、フィルムを逆に回すとはいっても普通のフィルムではなく、そんなことを一度もしたことのないIMAXフィルムでそれをやり遂げなければならないということで、技術的挑戦も含まれていて、その凄さは映像を見ているだけでよく理解できるところがあります。

 物語は主人公が逆行する時間から攻めてくる未来人たちの第三次世界大戦を阻止するという設定になっていますが、主人公の名前が「名もなき男」と全く名前を与えられていないところに、この映画の特徴が表れていると思います。「名もなき男」が第三次世界大戦を阻止するために奮闘するというストーリーは、ヒーローはいらないといっているようなものであり、ありふれた男の戦いであるところに焦点を絞っていると言えます。

 その一方で未来からの侵略を望むアンドレイ・セイターとその妻キャサリンとの愛憎関係や、キャサリンと名もなき男との関係性も、物語の進行に重要な局面を果たしていると言えます。アンドレイを嫌っているキャサリンが名もなき男に遭遇し、次第に名もなき男との交流を深めるにつれ、アンドレイがキャサリンを始末しようと動くところなどは、彼らの関係を暗示していると言えます。そして、キャサリンがとった行動が時間の戦いにどのような役割を果たすのかも、興味深い内容になっています。

 映像は4K UHDでHDR10での収録になっています。映像はIMAXフィルムと65mmフィルムで撮影、編集、上映されているため、特にIMAXシーケンスでの映像は大変高精細の映像で、魅力的に見えます。HDR10によるHDRも効果的で、映像がかなりカラフルかつ明暗のはっきりした映像になっています。映像はネイティブ収録されているので、ホームシアターでこの映画を見るには4K/HDR10のシステムで見るのが最適かと思います。IMAXのシーンはかなり多く収録されているので、映像の迫力と綺麗さが同居する理想的映像になっています。音響はdts-HD MA 5.1chでの収録ですが、音量がかなり大きく、またサラウンド感もかなりあるため、ボリュームを絞らないと近所迷惑になるぐらいに理想的な音響効果が入っています。

 この4K UHD Blu-rayは、プレイヤーの言語設定を日本語にしておくと、自動的にメニュー画面が日本語になり、日本語字幕と日本語吹き替えが選択できるようになります。ジャケットには記載ないですが、4K UHD Blu-rayは全世界共通ディスクであると言えるでしょう。ただ、Blu-rayは日本語は入っていません。

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