YESTERDAY(Blu-ray)

YESTERDAY Blu-rayジャケット 邦題 イエスタデイ
レーベル UNIVERSAL PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2019年
上演時間 117分
監督 ダニー・ボイル
出演 ヒメーシュ・パテル、リリー・ジェームズ、エド・シーラン
画面 2.39:1/アナモルフィック
音声 DOLBY ATMOS 英語 / Dolby Digital Plus 7.1ch スペイン語、フランス語
字幕 英語、スペイン語、フランス語

あらすじ

 ミュージシャンを目指すジャックは、恋人のエリーをマネージャーにして、いくつかのフェスティバルに出演していたが、観客の伸びは良くなかった。ある日、自転車に乗って移動していたジャックは、世界中で発生した12秒間の停電の際に路線バスと衝突し、大怪我を負ってしまう。ジャックはエリーの介護もあり体が元通りになっていくが、普段歌っていたザ・ビートルズの曲を演奏すると、彼以外の人にとっては初めての歌と取られ、感動されてしまう。ネットで検索したジャックは、ザ・ビートルズもオアシスもコカ・コーラもない世界になっていることに気づき、ザ・ビートルズの歌を歌うことで、世間の人に認められるようになる。そして、人気ミュージシャンのエド・シーランの目に留まり、彼の前座としてステージに上がったジャックは、人気ミュージシャンになる。しかし、彼の人気が高まるほど、エリーとの関係は疎遠になっていき、ジャックはザ・ビートルズの歌を自分の作詞作曲した曲として世に出すことに躊躇いを感じ始める。

感想

 世界中で発生した12秒間の停電により、ザ・ビートルズの存在がかき消された世界で、ザ・ビートルズの曲を歌うことでスターダムにのし上がっている一人の若者の成功と苦悩を、コメディタッチで描いた作品が、この「イエスタデイ」です。制作費があまりかかっていないことと、作品のテーマがザ・ビートルズという世界中に熱狂を巻き起こしたバンドの曲をモチーフにしている関係で、北米だけでもスマッシュヒットを放っている作品であります。

 主人公であるジャックは、ミュージシャンを目指す若者で、ザ・ビートルズのコピーをして演奏するという設定になっていますが、それが物語に本格的に食い込んでいくところが面白いと言えます。12秒間の世界中の停電の結果、世界は大きく変容し、ザ・ビートルズやオアシス、コカ・コーラ、タバコといったバンドや嗜好品がこの世から消えているという設定が、映画に大きく関与していて、なかなか面白い設定だと言えます。その世界でザ・ビートルズの曲をただ一人覚えているジャックが、彼らの曲を歌い演奏することで、世界に反響を巻き起こしていく様が、明るいタッチで描かれているのが、この映画の特徴かなと思います。

 また、ザ・ビートルズの存在しない世界で、彼らの曲を歌うジャックを見出すのが、実在のミュージシャン、エド・シーランだというのが、ユニークな設定になっていると思います。エド・シーランを演じるのが、なんと本人というのも、洒落が効いていて、なかなか面白い展開になっているかと思います。そのエド・シーランが自分のバンドの演奏前の前座でジャックを起用し、ジャックがザ・ビートルズの曲を歌うことで、エド・シーランを凌ぐ人気を得てしまうのも、ギャグが効いていると言えます。

 その一方で軽い展開ですが、ジャックとマネージャーとして働く恋人のエリーとの関係がジャックの人気が高まるにつれ、終局に向かってしまうのは、ラブ・ストーリーとしてもそこそこ興味深い話になっているかと思います。ジャックがザ・ビートルズの曲を歌って成功していくのか、恋人エリーを取るのか、2極の選択を迫られるという話は、映画のストーリーとしてハラハラさせられるところであります。それで、クライマックスのジャックの取った行動が、納得いく展開かなと思います。

物語後半で、ジャックはある人物に面会に行きます。現実の世界ではもうこの世にいない人ではありますが、ザ・ビートルズが存在しない世界ではまだその人は健在で、ジャックがその人にアドバイスを求めるシーンは、感動を生むところであります。そして、ザ・ビートルズのいない世界は、元に戻らないという映画の展開には、「それでいいのか?」という疑問すら与えてしまいます。それでも、ジャックがクライマックスで取った行動により、ラストが落ち着くところに落ち着いたのは、軽い安心感を与えるところであります。

 映像は高解像度であり、また色調はカラフルで、色乗りも十分であります。ライブシーンなどで、魅力的な色彩をしていて、ライブを見ているかのような映像を提供しています。音響はDOLBY ATMOSで、この手のコメディ映画としてはどうなのかなと思いましたが、ライブシーン等でジャックの歌う声の反響音や、観客の声援等が、自分の頭上を通り抜ける感覚があり、効果は抜群であると言えます。ライブシーンの多い映画ですが、音響効果が優れているので、ライブを楽しんで見るという楽しみが味わえます。

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