佐野元春 & THE COYOTE BAND「ZEPP TOUR 2021」Zepp Nagoya

2021年11月22日

 デビュー40周年の記念イベントの大半が新型コロナウイルスの感染拡大により、悉く中止に追い込まれた佐野元春。それでも2021年の春に日本武道館と大阪城ホールで記念ライブを行い、新型コロナウイルスの感染者を出さなかったことで、評価を得ていた。その佐野元春が東名阪+横浜のライブハウスZeppでライブツアーを開催すると知ったのは、確か9月だったと思う。日程を見ると全て平日なので、今回は無理かなと思っていたが、名古屋公演の日程をよく見ると、連休の谷間の平日であり、会社も年休取得推奨日になっていた。それで、これなら行けそうだと思い、チケットのファンクラブ先行に申し込んだ。平日で且つチケットの予約日にはまだ新型コロナウイルスの緊急事態宣言が出ていたのだが、チケットはなんとか確保できた。その後、緊急事態宣言は解除され、ホテルと新幹線のチケットも予約して、当日に臨んだ。

 当日は、全国的に雨。佐野元春のライブの時には雨になるというジンクスは今回も当たってしまった。名古屋は仕事で行ったことは何回もあるが、純粋な観光という意味では初めてである。新幹線はJR西日本管内では比較的空いていた。しかし、新大阪を過ぎると結構混雑していた。13時に名古屋に着き、友人おすすめの味噌カツの名店、「矢場とん」で味噌カツを食べた。その後、雨の中名古屋城を見学して、早めにホテルにチェックインして休憩していた。

 Zepp名古屋は、JR名古屋駅から歩いて15分ほど。17:30に会場に着き、グッズ売り場を覗いて開場時間を待った。18:00に開場。Zepp Nagoyaはライブハウスなので、ドリンク代がいるが、アルコール類の販売はしていなかった。チケットは当日券も含め、完売していた。客席700人と言ったところだろうか。場内アナウンスが2度あり、19:05にライブは始まった。

本編

  1. コンプリケーション・シェイクダウン
  2. ストレンジ・デイズ
  3. 禅ビート
  4. ポーラスタア
  5. 世界は慈悲を待っている
  6. バイ・ザ・シー
  7. 街空ハ高ク晴レテ
  8. 合言葉 - SAVE IT FOR A SUNNY DAY
  9. 境界線
  10. 銀の月
  11. 斜陽(新曲)
  12. 東京スカイライン
  13. Us
  14. La Vita é Bella
  15. 純恋(すみれ)
  16. エンタテイメント!
  17. 誰かの神
  18. 空港待合室
  19. 優しい闇
  20. インディビジュアリスト

 Twitterで「一曲目が予想外」という書き込みが多く見られたが、まさに意外の「コンプリケーション・シェイクダウン」。ベースとドラムの歯切れの良いアレンジで、最初からフルスロットルになる。曲が終わると、「平日なのに集まってくれてありがとう」とMCが入り、二曲目の「ストレンジ・デイズ」へとなだれ込む。これも意外な選曲で、ご機嫌な気分になる

 三曲目からはCOYOTE BANDとのコラボ曲が続く。まずは「禅ビート」。イントロのギターのディストーションが印象的である。続けて間髪入れず、「ポーラスタア」、「世界は慈悲を待っている」と続く。MCが入り、「11月ということで焦ってしまいますが、次の曲であげていきたいと思います」と話しして演奏されたのは、「バイ・ザ・シー」。個人的に歌詞が心に刺さった曲である。

 MCで「今年はライブがあまり出来なかったのですが、その代わりにレコーディングをやってました。その中から新曲を何曲か聴いてもらいたいと思います」と話ししてかかったのは、ライブでは初演奏の「街空ハ高ク晴レテ」。佐野元春らしい言葉の詰め込みによるリズム感がいい。「新しい曲に拍手してもらうと嬉しいです。次もパンデミックの中で書いた曲です。詩を知っている人がいたら、一緒に歌ってください。心の中で」と話しした後、「合言葉 - SAVE IT FOR A SUNNY DAY」を歌い始めた。この曲も心に残る曲であるので、嬉しいところである。

 一瞬の間を置いて、「境界線」。この曲の突き抜ける感覚が好きな曲である。この曲の後、「COYOTE BAND、今、アルバム作っています。5枚目のアルバムになります。来年の春頃リリースを目指しています。その中から新曲を聴いてもらいたいと思います。先日リリースした曲でライブでは初めてです。」とMCがあり、新曲「銀の月」を歌った。

 「来年出すアルバムですが、曲数多くなってしまったので、2枚同時に出すかもしれません。その中に入る予定の曲です。"斜陽"」と言って、新曲の「斜陽」が披露された。ミディアムテンポのメッセージソングである。当然、今まで披露されたことはない。「斜陽」が演奏し終わると、「東京スカイライン」に切り替わる。

 続けて、「Us」。最初何の曲かわからなかった。THE COYOTE BANDでは最古の曲である。そして、「La Vita é Bella」とライブ後半に差し掛かる。しばらくの拍手の後、「純恋(すみれ)」を歌い出した。サビで観客の拍手が大きくなる。「マスクしていると制限しているけれど、いい感じ? 少しずつエンタメ業界も復活しつつあります。次の曲もそんな歌です。詩を知っている人がいたら、一緒に歌ってください。心の中で」と言い、「エンタテイメント!」を歌い始めた。この曲の歌詞のようなエンタテイメントが、僕には必要だったと思うところである。

 「誰かの神」が続けて演奏される。これも問題作である。今の時代を風刺しているかのような曲である。続けて「空港待合室」になだれ込む。ラストのドラムが御機嫌である。そして、「優しい闇」が演奏された。ライブ本編最後の曲は、また予想外の「インディビジュアリスト」。盛り上げ曲としてこれほどの曲はないだろう。曲の途中で、元春の声にエコーがかかるのも新鮮である。

アンコール

  1. 愛が分母
  2. 彼女はデリケート
  3. 悲しきRadio
  4. レインガール

 アンコールの一曲目は、予想外の「愛が分母」だった。これ、普通ならばライブ本編で演奏されるべき曲である。ブラスセクションの部分を渡辺シュンスケが担当していた。「久し振りの名古屋公演、開催できたのはとても嬉しいです。デビュー40周年のライブ、東京と大阪でしか出来なかったので、名古屋に来れて嬉しいです。ここからちょっと80年代に戻ります」と言って、「彼女はデリケート」を歌い出した。これはノレる曲である。続けて、「悲しきRadio」が演奏される。残念ながらコール&レスポンスはなかったが、またボルテージが上がる。そして、アンコール最後の曲は、「名古屋に来たら雨が降っていたので、このコンセプトに沿ってこの曲を歌います」と言って、「レインガール」が歌われた。

 アンコール終了後、THE COYOTE BANDのメンバー紹介が行われる。ギターが深沼元昭と、藤田顕、キーボードが渡辺シュンスケ、ベースの高桑圭、パーカッションはスパム、ドラムが小松シゲルという布陣だった。「それぞれのメンバーは、ソロで活動していて、THE COYOTE BANDの時は一緒に演奏します。そして、深沼君の新バンドができるそうです。KUMIさんと一緒に"Uniolla"というバンドを始めます。アルバムも出ます。」と言って、深沼元昭の宣伝をしていた。終演時間は21:07で、約2時間のライブだった。様々な理由でトラブルを抱え、ストレスが溜まっていた身としては、鬱分を晴らす絶好のライブになったと思う。ライブ後は心地よい気分になっていた。

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