エターナルズ(4K UHD/IMAX ENHANCED/Disney+)/Apple TVで観た映画のレビュー

エターナルズ(4K UHD/IMAX ENHANCED/Disney+)

No Image 原題 ETERNALS
レーベル MARVEL STUDIOS
制作年度 2021年
上演時間 157分
監督 クロエ・ジャオ
出演 ジェンマ・チャン、リチャード・マッデン、アンジェリーナ・ジョリー
画面 2.39:1&1.78:1(IMAXシーケンス)/DOLBY VISION,HDR10
音声 DOLBY ATMOS 英語
字幕 日本語

あらすじ

 宇宙の想像主であるセレスティアルズが、生命の発達を願って、捕捉種を狩るためにディヴィアンツという生命体を生み出し、捕捉種の狩りに使っていた。しかし、ディヴィアンツは生命の頂点である人類をも狩りに襲い出した。それを阻止するために、セレスティアルズはエターナルズを生み出し、ディヴィアンツを始末する作業を割り当ている。地球で紀元前5000年からエターナルズはディヴィアンツとの戦いに明け暮れ、人類の守護者として君臨していた。そして、何世紀か前にディヴィアンツを滅亡され、エターナルズの仕事は終わった。しかし、セレスティアルズのアリシェルはエターナルズのリーダー、エイジャックに対して指示をしなかったため、エターナルズは解散し、それぞれのメンバーが自身で地球に溶け込んで生活していた。時を経て現代のイギリスで生活していたセルシは、恋人もいたが、ある時ディヴィアンツの攻撃を受け、同じエターナルズでかつての恋人だったイカリスとともにディヴィアンツを撃退する。それを受けて、エターナルズの集結を図るため、セルシたちはエイジャックの元を訪れるが、エイジャックはディヴィアンツによって殺されていた。エイジャックの死体からセルシにアリシェルと交信するための球体を受け取り、セルシがリーダーとなってエターナルズ集結を目指す。しかし、そこにはアリシェルの巨大な計画が潜んでいた。

レビュー

 マーベル・シネマティック・ユニバースのフェイズ4の映画としては3作目に当たる作品が、この「エターナルズ」です。マーベル・シネマティック・ユニバースの世界観で描かれていますが、他のシリーズとの関連性がかなり薄いためか、興行収入及び評価はあまり高くなく、Rotten Tomatoesの批評家評価は47%、観客評価は78%と低迷しています。

 映画は「ノマドランド」でアカデミー賞を受賞したクロエ・ジャオが監督しています。そのせいか、他のマーベル映画とは雰囲気がかなり異なっています。「シャン・チー」に続いて新ヒーロー登場物で、「アベンジャーズ」に続くヒーロー集合物になっていますが、アベンジャーズと違ってエターナルズは捕捉種であるディヴィアンツの殲滅のみに表に出ることを許されているため、アベンジャーズ等で描かれた地球の危機に関して、一切関与していないところが、この映画の独自性を持っていると言えます。

 映画は現代の世界に昔に殲滅したはずのディヴィアンツが再度出現したことで、エターナルズが再集結を図り、ディヴィアンツ殲滅を図るという展開ですが、その裏にはディヴィアンツやエターナルズを生み出したセレスティアルズのアリシェルの大いなる計画が含まれていて、その計画が実行された場合、サノスの指パッチンを上回る惨劇が地球を襲いかかることがエターナルズにも分かってきて、アリシェルの計画を止めるべくエターナルズが活動する、という転換が含まれています。

 エターナルズも一枚岩ではなく、アリシェルの計画を推進しようとする者と阻止しようとする者に別れ、2つの勢力が激突するという展開に変わっていきますが、主人公であるセルシはアリシェルの計画を阻止する側に立ち、かつての恋人だったイカリスがアリシェルの計画を推進しようとするのと対立することになります。かつての恋人同士が相対する結果になり、二人の行く末が物語を推進する要素になります。

 人類の危機を助けるために活動するのがエターナルズでありますが、人間キャラとの関わりが希薄なため、どうも神話の世界のストーリーとして見てしまうところがあり、他のマーベル映画の雰囲気と違うため、評価が難しいところはあるかと思います。少なくとも、派手なアクションシーンはありますが、それがヒロインであるセルシを際立たせてはいないところがあり、他のエターナルズとともに存在感が薄いような気がします。登場キャラにはアンジェリーナ・ジョリーやサルマ・ハエックも出演していますが、主人公ではないため、今ひとつインパクトに欠けるきらいがあります。

 映画のポストクレジットでは、あるキャラの弟が登場し、マーベル映画としての関連性を表していますが、そのインパクトもとってつけたような感じはしていて、ちょっと違和感を感じさせるものがあります。そして、エンドクレジット後のおまけ映像も意味が不明なところがあり、そのおまけの意味はなんだろうと考えてしまうところがあります。

 映像は4K/DOLBY VISION,HDR10で収録されています。マスターフォーマットは4Kですので、ネイティブ4Kになります。解像度としては素晴らしく精細で、映像に没入できる感覚があります。HDR10による色彩管理も素晴らしく、これを見ているだけでも映画の楽しさは伝わってきています。IMAX ENHANCEDで収録された映画としては、アクションシーン中心に1.78:1の縦長映像に拡張し、映像の広がりを感じ取ることができます。音響はDOLBY ATMOS仕様で収録されていて、音が充満する様子が明らかにされています。音は四方八方から聞こえ、上下関係も良好で映像を補足する音響効果を出しています。

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