オリエント急行殺人事件(4K UHD/iTunes Movies)/Apple TVで観た映画のレビュー

オリエント急行殺人事件(4K UHD/iTunes Movies)

No Image 原題 MURDER ON THE ORIENT EXPRESS
レーベル 20th CENTURY FOX HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2017年
上演時間 115分
監督 ケネス・ブラナー
出演 トム・ベイトマン、ケネス・ブラナー、ペネロペ・クルス
画面 2.40:1/HDR10
音声 DOLBY ATMOS 英語
字幕 日本語

あらすじ

 1934年、ある盗難事件を解決した探偵のエルキュール・ポアロは、イギリスでの事件解決のために、イスタンブールからロンドンに向かうオリエント急行に乗車することになる。オリエント急行の乗客の中にラチェットという男がいた。彼は商人をしていたが、物の売買をめぐって他人から恨まれており、ポアロに自分の身の警護を要請する。しかし、ポアロはそれを断った。オリエント急行はイスタンブールを出発し、順調に走行していたが、途中の山岳で雪崩にあい、機関車が脱線して立ち往生をする。その時にラチェットが何者かによって殺される。それを知ったポアロは事件の捜査を開始するが、容疑者はオリエント急行に搭乗していた乗客や車掌全員であり、乗客や車掌全員にアリバイがあった。難事件に遭遇しているポアロは、容疑者を絞り込むために様々な推理をするのだが、事件はラチェットの過去に関係があることがわかり、意外な展開を見せる。

レビュー

 世界中に小説や映画で名探偵と呼ばれるキャラクターは数々いますが、小説家アガサ・クリスティーが生み出した名探偵エルキュール・ポアロを主人公にして、豪華列車オリエント急行内部で起きた殺人事件の謎をポアロが解き明かしていく推理ミステリーが、この「オリエント急行殺人事件」です。映画興行としては、制作費を興行収入が上回り、大ヒットを記録していますが、批評家、観客とも映画の評価は並みの水準に落ち着いたものになっています。

 映画はまさにミステリーの王道をいくかの展開を見せています。豪華列車に乗り込んだポアロが、商人のラチェットから身辺警護を要請され、それを断ったものの、道中でラチェットが何者かに殺されたために、その事件解決のために捜査をするようになるという物であります。ポアロが名探偵である証拠として、物語冒頭で別の事件を推理して解決するという展開を見せていて、ポアロが事件解決を図れる人物であるという印象を植え付けるのに成功しています。

 そのポアロがオリエント急行内で発生した殺人事件解決のために、乗客や車掌の事情聴取や事件の遺物を捜査し、推理を働かせていきますが、乗客全員と車掌にはアリバイが成立しており、ポアロの推理が行き詰まっていくという展開に、ポアロがどう事件を解決するのか緊迫した展開を進めていくことが、この映画の魅力になっていると言えます。

 その事件を捜査する中で、殺害されたラチェットの過去の事件が明らかになり、それが今回の殺人事件と関わってくるというところから、話は進展していきます。ラチェットが過去起こした事件というのが容疑者に関係あることになっており、それがポアロの推理を進めることになります。しかし、その最終的なポアロの推理の結末は、意外感を感じるところであり、予想外の展開で驚きに隠しきれませんでした。

 映画そのものがオリエント急行内部での事件ということと、そのオリエント急行が雪崩のために足止めを喰らい、犯人がオリエント急行内にしかいないという設定は、オリエント急行自体が物語を語る上で欠かせない舞台であると言えるでしょう。豪華旅客列車であるオリエント急行ですが、乗客は様々で、その乗客をもてなす設備が舞台として魅力を感じるところであります。

 映像は4K UHDでHDR10での収録になっています。マスターフォーマットが65mmフィルムで撮影されているためにネイティブ4Kで収録されており、かなりの高精細感のある解像度を示しています。細かいディテールまできめ細かく描写されており、映像を見るだけで満足感を得ます。HDR10での明暗や色乗りも鮮やかで、素晴らしい映像美を堪能させてくれます。音響はDOLBY ATMOSサウンドトラックで収録されており、オリエント急行の走行音や雪崩の音、風の音などでイネーブルドなサウンド感を発揮しており、音に包まれる感覚が強く出ています。

コメント

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