コトリンゴ すずさんとハナウタライブ HABIT

コトリンゴ すずさんとハナウタライブ HABIT

2017年2月12日

 コトリンゴというアーティストを知ったのは、彼女がサウンドトラックを担当したアニメーション映画「この世界の片隅に」を、劇場で見てからである。「この世界の片隅に」に深く感動した僕としては、サウンドトラックの素晴らしさにも感慨し、CDショップでオリジナルサウンドトラックCDを買ったぐらいである。そのコトリンゴが、「この世界の片隅に」のオリジナルサウンドトラック発売記念ライブ、「すずさんとハナウタライブ」を開催するということをたまたま、Yahoo!ニュースで知った。場所を調べてみると、福岡ではHABITというところで開催するということ、開催日が2017年2月12日の日曜日ということもわかった。で、予約受付サイトであるLONG SIX BRIDGEというところで予約開始日である2016年12月23日に投稿フォームで予約をしたところ、無事予約確保された。

 当日は、数日荒れた天気から、ようやく安定した天気になってきた。午後も遅く家を出、HABITのある大名まで向かった。地下鉄の天神駅からは、歩いて5分ほどのところにある。WEB予約では、17時半からチケットの販売をするとのことだったが、実際に17時20分に会場に着くと、チケットは18時15分ぐらいの開場時間と同時に受け付けるとなっていて、チケット待ちのために列に並ぶことになった。

 実際の開場時間は18時5分と早まった。会場は、イベントスペースといったところで、木のベンチが置かれていた。当然狭いので、コトリンゴの演奏場所との距離も近い。席は自由席だったが、早くから並んだので、かなり前方を確保できた。チケット代は、ドリンク込みで4000円である。開演時間まで、ビールを飲んで気分を盛り上げる。

 会場は100人も入れば満杯のスペースで、チケットは完売だった。映画「この世界の片隅に」の効果があるのか、常連ファンから初めての人、年配から子供連れまで、バラエティ豊かだった。19時5分をまわった頃、コトリンゴが出てきて、演奏が始まった。

本編

  • 神の御子は今宵しも
  • 引き潮の海を歩く子供たち
  • 隣組
  • すずさんと晴美さん
  • 広島の街
  • ありこさん
  • ごはんの支度
  • 悲しくてやりきれない
  • 飛び去る正義
  • すずさん
  • みぎてのうた
  • こんにちは またあした
  • classroom
  • A girl
  • 恋とマシンガン
  • 白い鳥

 セットリストは、記憶にある限りにしか書けないので、順不同だが、覚えているのは上記の曲たちである。「この世界の片隅に」からの曲はだいたい網羅し、曲順もあっていると思うが、その他のアルバムからの曲はあまり記憶にないので、覚えているものだけを書いている。ライブは「この世界の片隅に」の曲とその他の曲がシャッフルされているので、上記の順番ではないことに注意されたい。

 1-2曲目は、上記の通りだが、3曲目で、コトリンゴはセットリストの用紙を持ってくるのを忘れていることに気づくというハプニングがあって、会場から笑いが起こる。4曲目はたしか「A girl」で、それは覚えていたので、なんとか乗り切り、スタッフに用紙を持ってきてもらう。

 「隣組」の演奏前には、なんかTwitter等で監視されている状況を思い出されるという話を始め、最初、男性のボーカルがいいかなと思ったら、片渕監督に女性のしかも現代のポップな感じでお願いと言われ、自身が歌うことになったと話をした。

 「広島の街」の後、実はアルバムの曲名と曲が結びついていないことを告白していた。「この世界の片隅に」で曲を製作していた時、ストーリーにそって曲名を仮に「M-1」、「M-2」というようにつけていたため、そちらが馴染んでいるというで、納得してしまった。多分聴き込んでいるファンの方が曲名には詳しいような気がする。

 「ありこさん」は、片手でキーボード、もう片手で木琴を叩くという凄技でアルバムの雰囲気を再現する。この曲に限らず、キーボード1本で、アルバムを再現する技は、見ていてすごい、プロは違う、という感じを受けていた。それもミスタッチは全く起こさないレベルなので、気持ちよく音楽に浸れた。

 デビュー前、ピアノの先生のアルバイトをしていて、朝は都会から郊外へ、帰りが郊外から都会へという普通の人と逆の生活を送っていたという話をし、その時、電車がガラガラだったので、半分席に寝そべって、窓を見ていると、空を飛んでいる感じに陥った、という話をしていた。その時に書いた曲が、「to Stanford」で、坂本龍一がカバーしているとのことである。。

 「みぎてのうた」は、「この世界の片隅に」の原作者、こうの史代の原作の最終回に元からあったト書きを詩にしているが、原作のままだと長すぎるので、片渕監督が編集をして、こうの史代に了解を取り、最終版が完成したとのこと。

 去年の11月でデビュー10周年を迎えたが、なんとなくそのままにしていたら、ファンから「10周年ですよね」と言われ始め、それから「この世界の片隅に」の公開が始まり、予想外のヒットでこうしてライブを行えることになった。

 「この世界の片隅に」から「すずさん」を演奏していると、映画を思い出したのか、すすり泣く人続出。いい雰囲気になっていた。その後、後半は自身の曲で観客を乗せ、手拍子が起こったり、一緒にコーラスをさせたりもする。この辺は、盛り上がるところだった。

アンコール

  • たんぽぽ
  • こどものせかい

 アンコールの時に、このライブのために作ったグッズの紹介をする。「この世界の片隅に」の絵が描かれた手拭いを紹介し、「ピンクがいいと思う」と言って客を笑わせた。その他にもマスキングテープもあり、こちらもユニークな模様が描かれていた。

 ライブが終わったのは21時ちょっと前。約2時間の本格的ライブだった。ライブ終了後は、グッズの販売とサイン会が開催された。グッズは買わなかったが、CDは1枚買ってみようと思い、「birdcore!」というアルバムを購入。CDにサインをしてもらい、握手もしてもらった。全般的にいいライブだったと思う。キーボード1つでもここまでライブができるのだな、ということを実感した夜であった。

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