チャッピー(4K UHD/Netflix)/Apple TVで観た映画のレビュー

チャッピー(4K UHD/Netflix)

No Image 原題 CHAPPIE
レーベル SONY PICTURES HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2015年
上演時間 120分
監督 ニール・ブロムカンプ
出演 シャールト・コプリー、デヴ・パテル、ヒュー・ジャックマン
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL PLUS 5.1ch 英語
字幕 日本語

あらすじ

アフリカのヨハネスブルクでは犯罪が多発していた。そのため、警察はロボット警官であるチャッピーを採用し、チャッピーの活躍により犯罪は大幅に減っていた。ある日、犯罪に手を染めるニンジャたちは麻薬の取引中にチャッピーの襲撃を受け、命からがら逃げ出す。その時、チャッピーの一体が破損し、修復不能になる。チャッピーの生みの親であるディオンはその時開発していたA.I.をそのチャッピーにインストールし、人工知能を持ったチャッピーが誕生する。しかし、大金が必要なニンジャたちがディオンとチャッピーを襲撃し、チャッピーはニンジャたちのもとで知能を成長させていく。ディオンに手柄を取られたヴィンセントは、自身の開発したムースを稼働させるべく、悪事を企んでいた。

レビュー

「第9地区」などの映画で評価を受けているニール・ブロムカンプが監督を務め、人工知能を成長させていくロボット警官の行く末を描いたSFアクション映画が、この「チャッピー」です。残念ながら批評家、観客から低い評価しか得られず、興行収入的にも失敗をしている作品であります。

 映画はなんとなく「ロボコップ」を彷彿とさせる内容になっています。舞台がアメリカではなく、アフリカのヨハネスブルクとニール・ブロムカンプ監督のお得意の地区であるということと、主人公のチャッピーがサイボーグではなく、完全にロボットであるという点は違います。しかし、主人公であるチャッピーが人間性を学び、人工知能を発展させて次第に人間臭い行動をしていくところは似ているかと思います。

 さらにチャッピーを生み出したディオンとそのライバルであるヴィンセントが生み出したムースというロボットは、ロボコップでのED209を彷彿とさせる設定になっていて、妙に既視感を感じるところがあります。ただ、このチャッピーの人間臭い知能の成長ぶりは物語としてまどろっこしいところがあり、見ていて多少きつい部分があります。

 また、チャッピーが人間性を学んでいくのは生みの親であるディオンからではなく、犯罪者であるニンジャたちからであるという点も、物語的にどうなのかなと思います。本来正義の味方であるはずのチャッピーが犯罪に手を貸すというのは、あまり物語にのめり込めない部分があるかと思います。救いはニンジャたちの人間性も根っからの悪というわけでもなくて、チャッピーの成長が悪事みたいな部分だけでなく、正義の部分も持っているところにあると思います。

 物語のクライマックスはヴィンセントの暗躍によりヨハネスブルクが混乱に陥ってしまい、ムースがチャッピーを倒そうと動き出すところにありますが、ここでもチャッピーが自身のバッテリー切れを気にして意識を他のチャッピーに移そうと行動し、そのためにディオンや自身の意識を救うべく活動するところは、意外な展開かなと思います。人間の意識はコンピューターでは移動不能とは思うのですが、それを成し遂げたところは、予想外の展開かと思います。

 映像は4K UHDでの提供をしています。高精細な映像で、解像度は抜群にあります。また色乗りがとても素晴らしく、色彩に溢れかえっている感触を受けているので、映像的な不満はほとんどありません。あえて言えばシーンによっては若干ざらつくところがある点かと思います。音響は5.1chサラウンドですが、AVアンプのDOLBY SURROUNDモードで鑑賞すると、かなりイマーシヴな音響効果を発揮しています。全般的な音質はロスレスサウンドに比べれば薄い部分がありますが、サラウンド自体は効果的に使われていて、見ていて不満を感じない仕様になっています。

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