ANT-MAN AND THE WASP(4K UHD Blu-ray)/アントマン&ワスプ/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

ANT-MAN AND THE WASP(4K UHD Blu-ray)

ANT-MAN AND THE WASP 4K UHD Blu-rayジャケット 邦題 アントマン&ワスプ
レーベル BUENA VISTA HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2018年
上演時間 118分
監督 ペイトン・リード
出演 ポール・ラッド、エヴァンジェリン・リリー、マイケル・ペーニャ
画面 2.39:1/HDR10
音声 DOLBY ATMOS 英語 / DOLBY DIGITAL PLUS 7.1ch フランス語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語
字幕 英語、ドイツ語、イタリア語、ノルウェイ語、スペイン語、スウェーデン語、フランス語、韓国語、オランダ語、北京語、タイ語

あらすじ

 アントマンことスコット・ラングは、ソコヴィア協定に違反し、キャプテン・アメリカの手助けをしたためにFBIの監視下に入り、自宅軟禁を余儀なくされていた。娘のキャシーと自宅で遊ぶスコットだったが、居場所を追跡するデバイスが家の外に出たためにFBIのウー捜査官のチェックを受ける。その最中、スコットは夢でピム博士の妻であるジャネットが量子領域で生きていることを知る。かつて、ピム博士とジャネットはミサイルを阻止するためにアントマンとワスプになって、作業していたが、ジャネットがミサイルを止めるために縮小を繰り返し、量子領域に迷い込んでしまったのだった。スコットの夢を知ったピム博士と娘のホープは、量子領域に入るためのデバイスを作成しようとするが、そのためには部品が必要だった。その部品をブローカーのソニーから買おうとしていたホープは、ソニーの裏切りにあい、危うく購入資金と部品の両方とも奪われそうになる。ワスプになったホープは、両方を取り戻すが、エヴァという量子と現実を行き来する女性の攻撃を受けてしまう。スコットがアントマンになってピンチを切り抜けるが、量子領域に入り込むためのデバイスをめぐって、エヴァやソニーの追撃を受けるハメになる。

レビュー

 マーベル・シネマティック・ユニバースの第20作目に当たり、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の重い展開のラストの後に、お気軽ヒーロー物として制作、公開されたのが、この「アントマン&ワスプ」です。マーベル・スタジオ創立10周年を記念しているので、オープニングの「MARVEL STUDIOS」のロゴに「10」という文字が配置されています。お気軽映画とは書きましたが、製作費は1億6千万ドル以上かかっています。それでも興行収入は北米だけで2億ドル以上を稼ぎ出しています。映画評論家の評価は比較的高いのですが、観客の評価は水準並みの評価に留まっています。

 今回のアントマンの相手は、エヴァという若い女性と、量子領域に行くために必要なデバイスを持つブローカーのソニーになりますが、それでも「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のスケールの大きな話に比べると、前作と同じく意外と狭い世界での展開になっています。しかもその相手が敵というにはあまりに敵らしくないので、アントマンが活躍はするものの、ヒーロー物になっていない感じすらします。

 「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」でソコヴィア協定に違反してキャプテン・アメリカに加勢したために、FBIの監視下に置かれ、自宅軟禁されているのが、物語冒頭のスコットの立ち位置になります。「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」でも、ホークアイと共にサノスとの戦いに参戦しない理由として、この事柄はセリフで語られています。FBIの監視官はウー捜査官であり、ウー捜査官はフェイズ4の「ワンダヴィジョン」でも再登場するキャラです。彼がスコットの行動に振り回される様は、結構笑えます。

 物語は、冒頭で若い頃のピム博士と妻で同じく研究者であるジャネットが、ミサイル危機を止めるためにアントマンとワスプになって活躍をするものの、ミサイルを止めるためにジャネットは縮小を繰り返して、量子領域に入り込んでしまい、行方不明になっている、というのが設定であり、そのジャネットからのメッセージを受け取ったスコットが、ピム博士やホープとともに量子領域に行くための装置を開発して、ジャネットを救出するというのが、物語の骨子になります。

 その量子領域に行くための装置を狙って、ブローカーのソニーが暗躍し、また、子供の頃に量子領域に行くための装置で影響を受けて、量子と現実を行き来するエヴァという女性が自分の命を救うために、装置を狙うというのが、一応の敵扱いの話になっています。ただ、悪事を働くわけでもなく、それぞれが必要としているものを手に入れるためにピム博士の研究所を狙うという展開は、あまり敵らしくない設定であり、世界を滅ぼすとかそういう壮大な話にはなっていません。

 本作では、ホープがワスプとなって、スコットと共同戦線を張ってピム博士の研究所を守ろうと奮戦します。スコットがお笑い担当だとすると、ホープはワスプでキレのあるアクションを演じていて、魅力を感じるところがあります。そのホープとスコットは互いに意識し合っていて、二人が親密な状態になることが、スコットの娘キャシーに認められるのは、微笑ましいところがあります。

 物語が軽いため、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」の重さを一瞬忘れるぐらいの話なのですが、エンドクレジット中のおまけ映像で、スコットが量子領域に行くテストをしている最中にサノスが生命体を半数に減らす行為を行ったため、ピム博士、ジャネット、ホープの三人はチリと化してしまい、スコットだけが量子領域に取り残されるという、意外な展開かつ物語が合流した瞬間を描いているのが特徴です。

 映像は4K/HDR10での収録になります。マスターデータは4Kですのでネイティヴ4Kでの収録になります。解像度は十分に感じられ、細かい描写も生々と描かれています。昼間のシーンが多いのですが、光が十分に当たっている状態で、輝いて見えます。IMAXで上映されたため、劇場では1.90:1のアスペクト比も存在していますが、4K UHD Blu-rayでは2.39:1のスコープサイズでのみ収録されています。音響はDOLBY ATMOSです。特に量子領域でのサラウンド感は、効果的な演出がなされています。それ以外でも意外と聞きどころのある三次元サラウンドであり、物語を盛り上げるのに貢献しています。

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