FLAGS OF OUR FATHERS/父親たちの星条旗/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

FLAGS OF OUR FATHERS

FLAGS OF OUR FATHERS DVDジャケット 邦題 父親たちの星条旗
レーベル DREAMWORKS HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2006年
上演時間 132分
監督 クリント・イーストウッド
出演 ライアン・フィリップ、ジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチ
画面 2.35:1/アナモルフィック
音声 DOLBY DIGITAL 5.1ch 英語、フランス語
DOLBY DIGITAL 2.0 英語
字幕 英語、スペイン語

あらすじ

 第二次世界大戦中の硫黄島。ここにアメリカ軍が侵攻していった。防戦を重ねる日本軍だったが、アメリカ軍に陥没し、島の頂上にアメリカ国旗が掲げられる。これを報道したマスコミの手によって、兵隊達にスポットライトが当たり、戦時国債を発行するために、三人の兵隊、ドク、レネ、アイラが担ぎ出される。三人はヒーロー扱いされることに戸惑いを隠しきれないのだったが、彼らの思惑とは別に各地でキャンペーンを繰り広げられるのだった。

レビュー

 クリント・イーストウッドが「硫黄島」 2 部作として制作された映画のアメリカ側の視点から描いた作品がこの「父親たちの星条旗」です。日本側から描いた作品は「硫黄島からの手紙」として公開されています。

 「硫黄島」 2 部作として硫黄島の戦闘シーンを主題にした映画ではありますが、実際のところは、その戦闘にかかわった人たちの英雄視される風潮に異議を申し立てる内容になっていまして、思いのほか、静かな描き方をしているところが、その他の戦争映画とは違う点ではあります。

 物語は、現代と、硫黄島の戦闘シーン、旗を立てたことで英雄視される三人の戦時国債キャンペーンのツアーの模様を描いた 3 視点から構成されています。その中でも物語の中核をなすのが、キャンペーンのツアーを描いたストーリー展開であります。

 実際のところ、アメリカ軍が硫黄島に旗を立てたのは、2 回あり、その 2 度目の旗立てが写真に掲載されてしまうところから写真に写った三人の運命が狂わされていくのですが、これは皮肉としか言いようがありません。

 その中でもインディアンのアイラの立場が一番危ういものとして描かれていきます。彼はインディアンということで差別を受け、ツアーの中でも次第に自分を見失っていきます。途中で彼はツアーの参加から部隊に復帰をすることで、その苦悩から逃れようとしますが、戦後になっても彼の苦悩は残ったままです。

 残りの二人もレネはガールフレンドと結婚することで、苦悩から逃れようとしますし、ドクも混乱をしていきます。旗を立てた仲間が次々と戦死をしていく中で、ドクは、自分の立場を理解し始めます。

 戦闘シーンは、意外と少ないのですが、その描写は容赦ないものになっています。人が死んでいくシーンは、ドキュメンタリータッチで、迫真の描写をしています。そんな中、生き残った兵士たちは、仲間の死を悼んでいきます。

 現代のシーンで、年を取った兵士が息子に語りを続けていますが、これも心の平穏を保とうとする行為なのではないかと思います。現代のシーンは一番描写が少ないですが、戦争を伝えるという点においては、一番重要なのではないかと思います。

 画質は、なかなか面白い構成をしていまして、戦闘シーンでは、銀残しのようなモノクロ調の演出をしていまして、その他のシーンでは、カラーの色乗りがまずまずの構成となっています。これは、戦闘シーンにおいて、客観的に物語を進行させるように意図したものではないかと思います。音響は、DOLBY DIGITAL 5.1ch を 2ch ステレオで観ましたが、戦闘シーンを中心に迫力のあるサウンドフィールドを形成しています。自分が戦場に叩き込まれたかのような演出をしていると思います。

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