FORD v FERRARI(4K UHD Blu-ray)/フォードvsフェラーリ/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

FORD v FERRARI(4K UHD Blu-ray)

FORD v FERRARI 4K UHD Blu-rayジャケット 邦題 フォードvsフェラーリ
レーベル 20th CENTURY FOX HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2019年
上演時間 152分
監督 ジェームズ・マンゴールド
出演 マット・デイモン、クリスチャン・ベイル、ジョン・バーンサル
画面 2.39:1/HDR10
音声 DOLBY ATMOS 英語 / dts 5.1ch 日本語
字幕 日本語、英語

あらすじ

 アメリカの大手自動車メーカー、フォードは倒産の危機に見舞われる。それから立ち直るべく、フォードはル・マン24時間耐久レースの勝者であるフェラーリを買収しようとするが、フェラーリはフィアットに買収されてしまう。フェラーリの裏切りにあったフォードは、ル・マン24時間耐久レースに参戦し、フェラーリを倒すべくプロジェクトを開始する。フォードはかつてル・マン24時間耐久レースに参戦したシェルビーを雇い、レースに耐えうる自動車の開発を指示する。シェルビーは、レースのドライバーとして全米のレースに参戦していたマイルズを雇い入れ、彼とのコンビで自動車を開発していった。しかし、フォードの重役陣はマイルズの人柄を信用せず、トラブルが多発する。また、シェルビーとマイルズの間でもトラブルは起きていた。それを乗り越え、フォードはレースに参戦する。

レビュー

 1960年代を舞台に、打倒フェラーリを狙うフォードのル・マン24時間耐久レースへの参戦を描いた実話の映画化が、この「フォードvsフェラーリ」です。実話の映画化ではありますが、物語としてはかなり面白く、映画評論家や観客からも高い評価を得ていて、興行収入的にも製作費を上回り、ヒットを記録している映画であります。

 実話の映画化ではありますが、アメリカの自動車メーカー、フォードが当初はフェラーリを買収して経営を立て直そうとしたところ、フェラーリはそれを拒みフィアットの傘下に入ってしまうところから、フォードがル・マン24時間耐久レースに参戦するまでを描いているところが、まるでドラマ的で、意外性あるのが特徴です。

 それもフォードに雇われた自動車デザイナーであるシェルビーと、ドライバーであるマイルズの関係を中心にして、彼らが衝突を繰り返しながら、レースに向けて試行錯誤していく様は、大変興味深いものになっています。フォードの重役陣がマイルズの態度に対して嫌悪を示し、彼を外そうとするところなどは、重役陣の性格をよく表していて、現場と経営陣の対立という構図になっていて、この戦いがどうなるのだろうと関心を掻き立てるものになっています。

 その一方で、対立を起こすシェルビーとマイルズの関係も次第に強固なものになり、二人を中心に自動車開発陣が奮起して自動車の開発、改良を進めていく様子は、見ていてエキサイティングなものがあります。自動車の重量の軽量化に始まり、空気のフローの改良、ブレーキの改良と多岐にわたって研究が進められていて、その展開には細かいところがあると言えます。

 登場人物のほとんどが家族について描かれない中、マイルズだけは家族について描かれているのも特徴的です。マイルズを信頼する妻や、マイルズをヒーローとして見ている息子といった家族の関係は、マイルズの性格を描くのに必要な設定だったと思います。シェルビーもマイルズの家族については打ち解けるところがあり、存在感のある立ち位置にあると思います。

 映像は4K UHDですが、思ったほど解像感がないところがあります。人物や自動車の描写はしっかりしていますが、背景の細部がボケていて、4K UHDの効果は薄いと思います。色乗りは極端な色調ではなく、ナチュラルで自然な感じを出しています。音響はDOLBY ATMOS MIXで、物語冒頭から三次元サラウンドが効果的に鳴っていて、レースシーンを中心に魅力的なサラウンドを構築しています。映像と合わせて試聴すると、その臨場感は素晴らしいものであると言えます。

 4K UHD Blu-rayは、プレイヤーの言語設定を「日本語」にしておくと、ジャケットには記載のない日本語メニューが再生時に現れ、日本語字幕か日本語吹き替えを選択することができます。この機能のおかげで視聴は非常に楽になっています。

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