MISS PEREGRINE’S HOME FOR PECULIAR CHILDREN(Blu-ray 3D)/ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

MISS PEREGRINE’S HOME FOR PECULIAR CHILDREN(Blu-ray 3D)

MISS PEREGRINE'S HOME FOR PECULIAR CHILDREN Blu-rayジャケット 邦題 ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち
レーベル 20th CENTURY FOX HOME ENTERTAINMENT
制作年度 2016年
上演時間 127分
監督 ティム・バートン
出演 エヴァ・グリーン、エイサ・バターフィールド、サミュエル・L・ジャクソン
画面 1.85:1/アナモルフィック
音声 dts-HD MA 7.1ch 英語
DOLBY DIGITAL 5.1ch スペイン語、フランス語
字幕 英語、スペイン語、フランス語

あらすじ

 ジェイクは、幼い頃から祖父のおとぎ話を聞いて育った。それは、永遠に時間がループする中で生きているミス・ペレグリンと、特殊な能力を持つ子供たちの話だった。ジェイクは成長するが、そんな中、祖父であるエイブが、「家に近づくな」とジェイクに警告する。それを無視したジェイクは、祖父の家が破壊され、祖父は目玉をくり抜かれた状態で息を引き取るのを目の当たりにする。祖父の遺品を見ていたジェィクは、祖父のおとぎ話が本当であることを実感し、孤島に行く決心をする。そして、その孤島で目的の屋敷を発見するが、そこは戦争ですでに破壊された後だった。しかし、諦めきれないジェイクは、島を探索し、タイムトンネルをくぐり抜け、ミス・ペレグリンと、奇妙な子供たちの生活する屋敷にたどり着く。そこは、戦争で屋敷が破壊される前の1日を永遠に繰り返し生きる子供たちの姿があった。ジェイクは戸惑いながら、そこに馴染んで行くが、能力を持ったバロンという男は、ミス・ペレグリンと子供たちの能力と目玉を欲していて、永遠の命を得ようと、彼らに襲いかかる。ミス・ペレグリンは、子供達を守るため、バロンの中に捕らわれることになるが、ジェイクと子供達は、バロンの野望を阻止すべく、反撃に出る。

レビュー

 ハリウッドで異才を示すティム・バートン監督が、ランサム・リグズの小説「ハヤブサが守る家」を映画化した作品がこの「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」です。ティム・バートン監督独特の雰囲気の現れた映画になっていますが、興行収入的には厳しいものがあり、ヒットしたとは言えない結果になっています。

 物語としては、ファンタジーとアクションが一体化した映画になっているかと思います。物語前半はファンタジー、クライマックスはアクションというような展開になっています。物語前半では、1943年の永遠に繰り返される1日に住むミス・ペレグリンと、様々な特殊能力を発揮する子供たちの生活が描かれています。その中を訪問した主人公ジェィクが次第にその世界に馴染んでいく様子が描かれています。

 能力を持ったミス・ペレグリンと、子供達は、奇妙な雰囲気を漂わせていますが、ティム・バートン監督独特の世界観を描いていて、らしい映画になっているかと思います。普通の青年であるジェイクも、祖父から幼少時代からその話を聞いていたため、違和感なく、その世界観に染まっていくのが、面白いと思います。

 ミス・ペレグリンは、子供達を守るため、1943年の9月の1日を永遠に繰り替える時間を操る能力を使っていますが、物語後半では、その能力を悪に使われそうになるところから、物語はアクションに舵を切っていくことになります。そして、その話の中、永遠の命を得ようと、ミス・ペレグリンの能力を悪用しようとするバロンとその手下、透明怪物とジェイクを筆頭にした子供たちとの戦いが描かれています。ただ、このアクションシーンは、ちょっとティム・バートンらしくない雰囲気はあります。エンターテインメントの映像は、ティム・バートンの描写らしくないと思います。

 しかし、アクションシーンは、子供たちの能力が遺憾なく発揮されていて、バロンや手下の透明怪物との戦い自体もユニークな描写になっているかと思います。そして、ジェイクがどうバロンと対峙するのかは、そこそこ見どころでもあるかと思います。子供達もピンチに陥る場面が多々ありますが、それを他の子供達がフォローするという展開は、興味深いものがあります。

 あと、ジェィクが子供達の一人であるエマと淡い恋をする展開も、物語上重要な要素だと思います。永遠の時間に囚われているエマに対し、好意を示すジェイクは、物語のラストである展開をもたらすことになり、この二人の交流が重要であることを示唆しています。最初はこの二人の交流に反対だった周囲の子供達も、次第に認めていく様子が描かれています。

 物語のクライマックスで、透明怪物と子供達の戦いが描かれますが、その戦いの場となった遊園地で、一瞬ですが、ティム・バートン監督がカメオ出演していますので、そのシーンが出てきた時には、ちょっと笑ってしまいました。遊び心のあるシーンだと思います。

 音楽は今作では、ティム・バートン監督の盟友であるダニー・エルフマンではないところが、他の作品と雰囲気が違っているところであると言えます。IMDbによると、他の作品とのスケジュールが合わず、今回はダニー・エルフマンではなく、マイク・ハイアムと、マシュー・マージェソンが担当することになったとのことです。ただ、音楽の雰囲気は、他のティム・バートン作品とそう変わりないように思えます。

 映像は、3Dであることを差し引いても、暗めの映像です。晴天のシーンでも、画面自体が暗く、描写に厳しいところがあるかと思います。解像度は十分ですし、3D効果も結構出ていますが、暗めの映像が見づらい感じがします。音響は7.1chサラウンドですが、かなりサウンドフィールドが広い感じがします。3Dの映像を引き立てるような音響効果を作り出していると思います。

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