NON-STOP(Blu-ray)/フライト・ゲーム/輸入盤DVDで観た映画のレビュー

NON-STOP(Blu-ray)

NON-STOP Blu-rayジャケット 邦題 フライト・ゲーム
レーベル UNIVERSAL STUDIOS HOME VIDEO
制作年度 2014年
上演時間 107分
監督 ジャウマ・コレット=セラ
出演 リーアム・ニーソン、ジュリアン・ムーア、ミシェル・ドッカリー
画面 2.40:1/アナモルフィック
音声 dts-HD MA 5.1ch 英語 / dts 5.1ch スペイン語、フランス語
字幕 英語、スペイン語、フランス語

あらすじ

ロンドンに向かう飛行機に搭乗することになったアメリカの航空保安官のビル・マークスは、機内で何者かから、$150万の身代金を要求される。用意出来ない場合は、20分ごとに乗客一人ずつ殺害するという予告とともに。そのメッセージをスマートフォンの機内Wi-Fiで受け取ったビルは、犯人が機内にいると考え、捜査を開始する。しかしながらその強引な捜査は、飛行機のスタッフや他の乗客から反発を生み、彼は悪戦苦闘する。彼の必死の努力にも関わらず、乗客は殺害をされていくが、次第に犯人が絞られてくる。しかし、犯人は乗客全員を抹殺すべく、爆弾を用意していた。

レビュー

すっかりアクション俳優になってしまったリーアム・ニーソンが、色々人生に不幸を抱え、酒とタバコが手放せない駄目人間になりながら、搭乗した飛行機の中で起きる身代金要求に立ち向かうサスペンス映画として製作されたのが、この「フライト・ゲーム」です。アメリカではスマッシュヒットを記録し、作品の出来としても水準以上を示しています。

リーアム・ニーソン扮するビルは、アメリカの航空保安官でありながら、アルコール依存症であり、タバコも欠かせず航空機内でテープを貼って感知器を動作させないようにしてまで吸っている、というある種駄目人間であります。そして、飛行機が離陸する際にはいつも緊張感に晒されているという任務にはふさわしくないキャラでもあります。しかし、その駄目人間が飛行機内での犯罪に対して、周囲の協力を得られない中、必死で戦う姿に共感を覚えるところでもあります。

飛行機内でのスマートフォンの機内Wi-Fiは、ここ最近のサービスでありますが、これを使ったビルに対する犯罪予告は、なかなか斬新なアイデアであるといえるでしょう。アメリカで一般的なメールサービスであるSMSを使った犯罪予告は、新たな緊張感を示しています。特に前半ではそれが顕著であり、機内に犯人がいるという限定された空間の中、ビルが犯人を捜索する姿は、緊迫感が観られます。

物語は何人かの登場人物の描写を断片的に描写していますが、その中に犯人と、そうでない人物がいて、その辺の駆け引きみたいなものが物語を面白くしていると思います。ビルが様々な状況から、犯人と目する人物を尋問したりするのですが、見当外れだったり、実は犯人だったのに放置されたりと、意外性があると思います。

ビルが協力を要請する地上の航空保安官室のサポートのなさも、ビルの孤独性を表現していて、彼が追いつめられていく様子がいい感じに描写されています。犯人を追いつめているつもりが、実は地上では逆にビルが飛行機のハイジャック犯にされてしまう点など、サスペンス度が増していると思います。

ジュリアン・ムーア扮する乗客のジェンと、ミシェル・ドッカリー扮するスチュワーデスのナンシーが、ビルに協力するのが、物語のポイントでもあります。物語の展開から、ジェン犯人説も出てくるのですが、実は…というところもいい感じです。ナンシーは、一貫してビルをサポートしています。

映像は比較的暗い機内の様子が豊かに描写されているのが印象的です。フィルムのグレインが散見されますが、むしろそれが映画を観ているという認識を与えていて、魅力的です。音響は、dts-HD MA 5.1chサラウンドですが、どちらかというとフロント中心のサウンドのような感触です。飛行機内のことですから、もっと機内の騒音が聞こえても良さそうなものですが、その辺は控えめで、登場人物のセリフを聞き取りやすくしています。

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